この記事を読むのに必要な時間は約 1 分25秒です。
【街歩きと横浜史】三渓園 -亭榭(ていしゃ)-
臨春閣と亭榭
三渓園・内苑地区に位置する小さい池の向こう、臨春閣を望める位置にかけられた橋である亭榭(ていしゃ)は、そのすぐ傍にある重要文化財・旧天瑞寺寿塔覆堂に合わせたものだと思われます。
寿塔(じゅとう)とは生前墓、覆堂(おおいどう)とはそれを収めるための建造物ですが、覆堂は豊臣秀吉が母である大政所の長寿を祝って桃山時代(16世紀末)に建築したものです。
亭「榭」とは見晴らし台のことを意味しますが、モデルとなったのは、秀吉の正室である北政所・ねねが秀吉を弔うために建てた京都・高台寺(公式サイト)の観月台だといわれています。
秀吉ゆかりの寿塔覆堂傍にかける橋だから、ということなのでしょう。
北政所の観月台建造を後援したはずの家康は、秀吉の没後態度を豹変させ、終には豊臣家を滅亡に追い込んでしまう、そもそも秀吉が聚楽第を破壊したのは後継を巡る自身の問題を原因に持つなど、当時一流のエグさを持った人間模様もあるものの、建造物には彼らの耽美観の粋も集められ、それが遺すに足るものだと評価されている面も持ちます。
諸々考慮に入れるのであれば、生糸の貿易商・実業家として文明開化の先端に立ち、進取の気風の中に生きたはずの原三渓さんがここに表現したかったものが浮かび上がってくるような一帯でもあります。
開園情報/アクセス
開園情報他
開園期間 | 12月29日~31日までを除く9時~17時(最終入園16:30) |
交通案内 | 公式サイトに詳しい経路案内があります |
入園料 | 中学生以上700円、小学生以下200円 |
割引制度 | 前売り券と20名以上の団体は100円引き |
回数券/年間パスポート | 回数券は大人:5枚3000円、子供:5枚500円。 年間パスポート:1年間2500円 |
駐車場 | 最初の2時間500円、以降30分毎100円。当日最大1000円。 |