フィットネス/睡眠

【書評/睡眠】『最新の科学でわかった 最強の24時間』『人生の主導権を取り戻す 「早起き」の技術』『あなたの人生を変える睡眠の法則』

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「朝型のススメ」総論

「朝型」「夜型」生活ペース切り替えのキーの一つは、人間の体内で24時間働き続けている神経である、自律神経の切り替えにあるといわれています。

自律神経は交感神経、副交感神経、二つの神経によって構成されていますが、このうち起きているときに働くのが交感神経寝ているときに働くのが副交感神経です。

それぞれの働きを活発化させるための物質である「セロトニン」(=交感神経活発化)と「メラトニン」(=副交感神経活発化)は、前者が光を浴びているとき(朝)後者が周囲が暗くなったとき(夜)に、それぞれ多く分泌されます。

ここに「一般的朝型生活のススメ」の大きな理由がありますが、放っておいても自然が体内の健全な活動を促進してくれるので、単純に「朝型はいいよ!」となるんですね。

ただしそれだけの理由であれば、夜中であったとしても「規則正しく」太陽光に擬製した強い光を浴びることによって、「夜」を「昼」と捉えてしのぐことが可能ではあります。

「メラトニン」「セロトニン」の分泌を、人工的にコントロールすればいいわけですからね。

そんなこんなで、生活ペースを考えるにあたって朝型がいいのか夜型がいいのかといえば、極論すれば夜型であっても朝型であっても構わないようですが、自然にその状態を享受できるのはやはり朝を起点とした生活ペースだろうということで、「朝型」が勧められることになるわけです。

問題は、夜型、朝型、いずれのペースで生活するとしても、生活ペースが不規則になる部分に宿るといわれています。例えば日によって夜型になり、あるいは朝型になる。こういう状態が頻繁に繰り返されてしまう生活が一番体にまずいということらしいんですね。

この点、確かに激務が続いたり一日が24時間であることに対して、人間の「体内時計」のリズムは、一日が24.5~25時間で進んでいるようです。この「0.5~1」があることによって「ズレ」が生じるため、いつの間にか気が付くと夜型から朝型へ、反対に朝型から夜型へとなってしまうわけです。

ここをうまいことコントロールするためには、やはり専門家の意見が必要となります。

長沼敬憲『最新の科学でわかった 最強の24時間』(ダイアモンド社、2017年)

放っておいたら人間の生活ペースはズレてしまうということを前提として、毎日の効率的なプランの組み方が懇切丁寧にまとめられています。

「朝6時~7時に起き、ピークタイム(8時~10時、13時~17時)に向かってペースを作ろう」「眠気覚ましにはウォーキング」「可能なら短時間の昼寝も有効」と言ったことの他、食事の内容やタイミング、日常的なストレスへの対応法、中期的なペース作り等々、「起きている時間」と「寝ている時間」の関わらせ方のようなこと全般に触れられています。

 

古河武士『人生の主導権を取り戻す 「早起き」の技術』(大和書房、2015年)

「早起きするのは難しい」ということを前提として、なぜ早起きが難しいのか、それでも早起きするためにはどういう工夫が必要か、といった内容でまとめられています。

「早起きするためには早く寝ることです」という一番肝心な部分と、「まずは早起き自体を習慣化させることに集中しましょう」という習慣化の観点から「やるべきこと」「やってはならないこと」が紹介されています。

よりよい生活を送るために、朝型生活を習慣化させようという内容が語られた後で、後半では今現在の生活からの、朝型習慣作りが具体的に提案されます。

朝型生活の習慣を丁寧に作って行きたい場合にお勧めの一冊です。

 

菅原洋平『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社、2012年)

睡眠の時間を中心として日中の活動が考えられている本です。

起きてから寝るまでにすべきこと、日中起きている間のペース作りに有益なことなどが、睡眠時間を基準として語られているのですが、全編にわたって「いかに起きるか(目覚めるか)」ということがレクチャーされる形になっていて、ものすごく実践的です。

「起床から4時間以内に光を浴びて、6時間後に目を閉じて、11時間後に背筋を伸ばす」という全編を貫く基本方針と共に、「起きたらこれをやりましょう」「良く眠るためにはこういう習慣をつけましょう」といった感じで細かい部分がまとめられている他、日中どうしようもなく眠くなってしまった時の対処法や、寝だめ等で生活ペースがズレてしまった場合の修復法などにも触れられています。

特に「起床から4時間以内の日光浴」は、例えば会社で宿直の翌日にそのまま即勤務に入るというような場合や、休日の過ごし方の初めに組み込むと有益ではないかと思えるような内容ですね。

生活ペースやリズムが狂いがちになる瞬間を狙い撃ちにするような意識・注意点だというか、習慣として心にとどめておくとかなり効果的な行動になり得るのではないかと思います。