自己啓発

【書評/自己啓発】『コミュ力の鍛え方』『人間関係をリセットして自由になる心理学』

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久米信行『コミュ力の鍛え方』(宝島社、2011年)

他人とのコミュニケーションを取る前に、自分自身の内面を見直しましょう、まずは一人になって自分自身を整えてから「他人」にかかわっていきましょう、という構成で「コミュ力」が語られています。

初読の際、藪から棒に「ポジティブに」「アクティブに」「夢に向かって」「レクチャー風自分語り」等々といったことを全力アピールしてこないところにとても好感を持てたというか、これといった真新しさを感じたというよりは、終始落ち着いて読めた記憶があります。

「コミュ力」と言われるとどうしても「相手」ありきのものだという先入観からスキルをとらえようとしてしまう傾向があるように感じるのですが、そもそもその「相手」に相対するのはほかならぬ自分自身であるという部分を重視し、「まずはあるがままの自分を大切にしてから万事を考えていこう」という語り口調で話しが進められます。

1人の時間を大切にし、一人の時間を楽しんだ上で、そこをベースとして「他人との時間を考えていきましょう」、好き嫌いの感情を絶対視せずに、心にゆとりを持って万事を進めていきましょう、その上で「来るべき出会い」に備えましょう、という感じですね。

必ずしもどこに「目からうろこがある」というような本ではないように感じたりもするのですが、「真新しさ」が少な目の主張の中には、著者一流の(ということなのでしょう)説得力があります。

「コミュ力」をガツガツしたものとしてではなく、まったり考えてみたいなんて場合にはお勧めの一冊です。

 

DaiGo『人間関係をリセットして自由になる心理学』(詩想社新書、2018年)

「自分中心コミュ力」とでもいえそうな考え方の延長にあるのが、メンタリストDaiGoさんのこの一冊です。

自分中心といっても、いわゆる「ジコチュー」と表現されるような空気破壊系のニュアンスではなく、しっかり自分を持ち、その上で相手に共感する能力を高めていくことを目的にするという、本来あるべきコミュニケーションの姿が提唱されます。

ひょっとするとDaiGoさんには他にも類書があるのかもしれませんが、「まったり」というよりはゴールに向かって道を切り開いていく形で、コミュニケーション術が語られていきます。

曰く「コミュニケーションというのは、限られた人間関係の中から、相手を選んで自発的に取っていくものだ」とのこと。そのためには、やはり自分自身の芯をきちんと固めておく必要があるわけですが、自分自身を見つめなおすと同時に「人間関係のストレスにいかに耐えるか」に肝があるとも主張されています。

「リセットしろ」というのが書名ではあるのですが、いざ「いい関係を育てていく」と決めた相手に対してはリセット云々ではなく、むしろ相手との関係を育てていく上でのストレスに耐えることが必要になってくると説いているんですね。

作中では「レジリエンス」と表現されている「ストレス耐性」ですが、鍛えるためにはウォーキングを筆頭とする基礎体力を底上げすることや、ペットとのふれあいなどが有効なようです。

この辺りはどの本でも言われていることですが、やはり最低限の体力と(健全な)メンタル、それらのことをベースとした自分自身への信頼感は、何をするにも基本となってくるのでしょう。

総じて、コミュニケーションを交わす相手は初めに選別しよう、ただし「いい相手」を探すのではなく「いい関係」を作れる相手を探す、そして一旦選んだらストレスは覚悟の上で、相手への理解を忘れずによりよい関係を築いていこう、といった内容でまとめられています。