自己啓発

【書評/自己啓発】『話し方入門』『人前であがらずに話せる方法』『たった一日で声まで良くなる 話し方の教科書』

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デール・カーネギー『話し方入門』(市野安雄訳、創元社、2000年)

今さらお勧めの必要があるのかどうかわかりませんが、『人を動かす』『道は開ける』など啓発書の古典名作で有名な、カーネギーさんのプレゼン本です。

話し方はスキルであり、究極的には「生きざま」が現れてくるのだというようなことが語られています。

とにかく自信を持つこと、その自信を裏付けるに足るだけの努力をすること、そこまできちんと準備出来たら、あとは自分を演じ切る事、等々といった基本中の基本が、全編を通じて豊富な実例と共に紹介されます。

難点は、洋書の初版出版からかれこれ既に100年近くの時間が経過している点です。

そのことがどこから感じ取れるかというと、作中で引かれている範例(偉人の名スピーチ)に現れます。100年の時を経て現在に持ち込まれた実例の数々が、壮大すぎるようにも感じるんですね。

その手の不安は章ごとに付された「要点まとめ」のま新しさによって解消される、だからこそ「お勧め」として紹介しているのですが、総じて単なる実用書・啓発書というよりは教科書的な風格があります。

これといって自分に合った参考書・実用書が見つからない場合は、やはり古典に立ち返るのが一番ですといったことを教えてくれるような名著です。

 

鳥谷朝代『人前であがらずに話せる方法』(大和書房、2016年)

カーネギーのプレゼン本がどこか壮大な理想に向かった「話し方」の教科書だとすると、「あがらずに話せる方法」は、等身大の話し方本といったポジションにある本です。

例えば明日明後日、あるいは一週間後一か月後という時間軸の中で何かしらをプレゼンする必要に迫られた、だけど気持ちの準備がどうも追っつかないなんて場合にも有益なヒントが含まれています。

プレゼンに限らず、面接対策や司会進行時の「話し方」対策についてもアドバイスが含まれているなど、およそ「話し方」とかかわることになるであろう、あらゆるケースへの備えが提唱されています。

 

魚住りえ『たった一日で声まで良くなる 話し方の教科書』(東洋経済、2015年)

頭の中を整理して云々、足りない知識がどうだとかではなく「実際に話してみましょう」という、声の作り方、発声法が柱とされています。

ノウハウメインのマニュアル本の難点は、仮に実践的な内容を持っていたとしても、なんだかんだで「知る事」と「やってみること」の間に距離があることが多い点にありますが、「たった一日で」では、その二者の距離が詰められています。

内容が内容だということだからなのか、それとも編集の仕方が編集の仕方だからなのか、著者である魚住さんとおしゃべりしながら読み進めているような気分になってくるあたり、割とそれだけでも楽しいといえば楽しい本です。

なのですが、主に対象としているのは「発声法」であり「読み方」だというあたり、著者=アナウンサーなんだなということが伝わってくるようなまとめ方をされています。

全編にわたって「コツ」が紹介された後で、最後に「うまい人のしゃべり」を意識し、そこからも学びましょうという主張でまとめられた構成も好印象でした。