【ブックレビュー】井原薫・栗原景『国鉄私鉄JR 廃止駅の不思議と謎』

街歩きブックレビュー

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井原薫・栗原景『国鉄・私鉄・JR 廃止駅の不思議と謎』(じっぴコンパクト新書、2019年)

概要

ジャンル 鉄道の廃止駅の紹介。
テーマ 各地の廃止駅が紹介されています。廃止駅ガイドというよりは、廃止駅事典的な一冊です。

 

所見

冒頭で廃止駅一般についてのガイドが為された後、全国各地に散っている「廃止駅」が淡々とレポートされますが、観光地としての魅力満載! みたいな廃止駅ばかりではなくて、割と何の変哲もなく廃止駅になってしまったなんて駅も、中には含まれています。

特にそれが都心部にあるような廃止駅の場合、かつて駅だった施設の遺構らしきものが遺されているだけだったり、ホームの残骸らしきものが遺されているだけだったり。地方のローカル線等にありがちな、在りし日を思わせるような遺構ではなく、単なる人工物の残骸という風情を持ってそこに存在しているので、「何の変哲も無さ」も上がってしまうのかもしれません。

反対に、駅廃止後に一帯が栄えた駅、駅の廃止が新たなビジネスと繋がった駅なんかもあったりするようです。前者だと北海道・留萌本線の増毛(ましけ)駅、後者だと小坂鉄道レールパークの小坂駅等が紹介されています。

他、国鉄相生線・北見相生駅跡や、のと鉄道輪島線・輪島駅跡地のように、かつての鉄道駅がそのまま道の駅になったというタイプの駅があったり、かつて廃止駅になったばかりの頃はひどい荒みようだったのが、最終的には町おこしの一環として再生しましたというような廃止駅(日中線・熱塩駅)もあったりします。

他、「これ本当に廃止駅なの?」という位の威風堂々っぷりを見せている、大社線・大社駅のような例外もありますね。

いずれも、元々はというかかつては交通の要所に相応しいと目されただけあって、第二の人生にもそれなりに華がある様子がレポート越しに伝わって来るのですが、廃線、ローカル線、秘境駅って、やっぱり人の動きの跡を「過去形で」教えてくれている部分が一つの魅力です。

かつてと今、双方のギャップが推しはからせる「かつての賑わい」って、もうそれだけで旅情を醸しているように感じるのですが、旅のヒントの一つとして、お勧めの一冊です。

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