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【blog/ブックレビュー】池田純『空気のつくり方』(幻冬舎、2016年)
ベイスターズの前球団社長・池田純さんの書いた本です。
ここからすべてが始まって、「キヨシ」監督からラミレス監督につながっていくベイスターズの今の隆盛、その球団経営の内側が解説されています。
そもそも「万年Bクラス」などといわれることが多かったホエールズ・ベイスターズの歴史にあっても、DeNAが買収した当時(00年代中盤以降の10年程度)のチーム状況は特にひどいものでした。
試合内容や対戦成績、その結果の順位自体もさることながら、所属選手が自チームに対して言いたい放題が割とあるあるだった、畜生なのはチームをdisる選手なのか、それともその状況を良しとする「誰か」「何か」なのか。そんな議論もあったようななかったような、なんて時代でした。
そんな中、賛否両論あったDeNAの買収劇からはじまり、いかなるてこ入れが可能だったのか。
『空気のつくり方』では、いかに球団を作りこんでいくか、いかに球団を売り込んでいこうかというプランや、実際の売り込み方についてまとめられています。
読後感はシンプルに面白く、かつカッコ良かったというものでした。
無駄なべたつき、必要以上のぎらつきも皆無で、引き締めるべきところが引き締まっているという、爽やかなカッコよさがあります。
同時に、どこか生臭い「地方都市」横浜という地を客観的に分析してある点や、その分析が的を射ている点、その上で感じるチーム愛や郷土愛も好印象でした。