【青春18きっぷの旅/四日目から五日目へ】「雪国」の宿”高半”と越後湯沢

上信越

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分53秒です。

越後湯沢着

お昼過ぎに新潟を発った後、

【青春18きっぷの旅/四日目】信越本線&ほくほく線乗車 -雨模様のローカル線旅-
朝の弥彦駅 弥彦参拝や、その後の夕食、さらには宿泊先だったみのやでの時間など、満足度が極めて高かった弥彦での時間。 一泊を予定していた今回、残念ながら弥彦発はその翌日だったのですが、前日とは打って変わって朝からあいに...

あいにくの雨模様の中、約半日がかりで越後湯沢に到着。

去年夏のドライブ旅でも訪問した越後湯沢の駅前は、日暮れ後の到着ではあっても、ちょっと懐かしかったです。

【国内小旅行/ドライブto新潟】三国街道経由で越後湯沢、十日町へ
群馬から三国街道経由で三国峠を超えて新潟県入り。まずは国道17号線沿いに湯沢への道を、ついで津南町へ繋がる十日町への道を走りました。残念ながら写真は多く残せなかったのですが、道中の道は「雪国の夏」といった風情が満載で、冬場であれば雪山になる付近の山は、一面の緑に囲まれていました。

本当は越後湯沢駅に着いた時点で送迎の時間を過ぎていたのですが、特別に迎えに来ていただけることになりました(本当すみません、ありがとうございました!)

駅からのしばしのドライブの後、この日の宿”高半“に到着。

高半は知る人ぞ知る、かなり有名な老舗ホテルです。

というのも、ノーベル賞作家である川端康成が代表作『雪国』を書いたホテルがここ、高半なんです。

川端康成の略年表を見ると、昭和9年に「湯沢で連作を書き始める」とありますが、この時執筆のために書斎としていたのが、高半の一室でした(後述しますが、この部屋は「かすみの間」として現在も保存・公開されています)。

川端康成は昭和初め(昭和9年~12年)の湯沢にて3年間逗留し、『雪国』を執筆したようです。

仕事や療養等で各地を転々としながら『雪国』を書くために3年間かけた、執筆は湯沢の「高半」に逗留して進めていたという形の活動だったようですが、ネットでそのことを知ってから、一度泊まってみたいホテルだったんです。

ということで、本当は夕方までにはチェックインして、夕暮れ時あたりからの「高半」と湯沢をしっかり味わいたくもあったのですが、そもそも今回の旅行は青春18きっぷ旅。この日も乗り継ぎを繰り返した後の到着で、なんだかんだで夕食後のチェックインとなってしまいました。

望み通り高半に泊まれてよかったとはいえ、そこは少しばかり残念なところでした。

「雪国の宿」

チェックイン後、まずは部屋で落ち着いてから温泉でも入るか、となりました。

客室内には執筆なりなんなりに1人集中できそうなテーブルと座椅子、奥の一面の広い窓。

ゆとりのある室内の広さもあって、古き良き「和室」という雰囲気が満載です。

翌日の施設見学で川端康成の執筆部屋(かすみの間。後述)に微かに似ていることを発見したときには、改めて感動しました。

ホテルの客室を含めたこの付近一帯全てが『雪国』の舞台なんですよね。

 

『雪国』と越後湯沢泊

川端康成といえば一言にしてその風景が鮮明に浮かび上がってくるような、端的で鮮やかな描写がやはり魅力です。

『雪国』も然り、あるいは『雪国』こそその典型だともいえるでしょうか。

ストーリーそのものに感動したという類の小説ではなく、つなぎ合わされたシーンのいくつかに目が覚めるような鮮やかな描写がある小説が『雪国』だった、という記憶があります。

初読からは既に結構な時間が経過している上、改めて『雪国』本編を読んだ上での感想ではないので、自分自身の中に残っているイメージが的を射たものであるかどうかは定かではありませんが、「雪国といえばこれ」というくらいに取り上げられる冒頭部分以外にも、エンドが結構衝撃(ドラマチックな描写で表現されます)だったことも覚えています。

単純にグッドかバッドか言えば、残念ながらそこはバッドエンドなんですが、やっぱり残っているイメージが鮮やかなんです。端的な文章でズバズバ来るから印象に残りやすいというのもあるのでしょう。

あくまで「読んだ当時はそう思えた」(ように記憶している)というところからの話しとしては、雪国の風景だったり、登場人物間の心の揺れ動きだったりという、一つ一つの印象的なシーンをどこまで鮮やかに再現できるかという部分が『雪国』の生命線、作中の要所要所で訪れる「目が覚めるような描写」こそが『雪国』の魅力だったっていう記憶があるんですね。

そうなると最後に残るのは、作品のどういうイメージなのか。

自分の中には「舞台が雪国・越後湯沢だった」というところが、作中冒頭の鮮やかな描写と共に残りました。

 

「雪国」の宿・高半

明けて翌朝、和室からの風景です。

すぐ目の前が湯沢の山々という絶景に感動しました。朝、カーテンを開けて窓の外の景色を見た瞬間に思わず声が出るような風景です。

夏場の風景でも十分すごいですが、冬場の雪景色はそれ以上でしょうね。

この風景を見ながら、今日が最終日であることを受け入れたくない自分がいるのを改めて感じてしまうわけですが、朝食後は、「雪国の宿」をじっくり見学しました。

 

文学資料室

ホテル内にある文学資料室は、宿泊者であれば見学は無料。メインはもちろん川端康成なのですが、そのほかにも資料が展示されています。

「高半」の宿帳・帳簿など。

これは、かつての表扉でしょうか。

越後を代表する戦国大名・上杉謙信関係の展示も。

高半の歴史や越後の歴史そのものが展示されているコーナーは、一品一品に割と重さがあるように感じ、その分見ごたえがありました。

これ全て、実際に使われていたものらしいですからね。

とはいえ、展示のメインであり、群を抜くのはやはり『雪国』関連です。

色紙に関しては現在進行形で増え続けている様子も伝わって来ますが、棚一面に飾られ、丁寧に保存されている圧巻のコレクションが目を引きます。

 

かすみの間

『雪国』を生み出すために使われた部屋も、公開されています。

実際に川端康成が執筆活動に使っていた”かすみの間”は、同じ部屋は映画『雪国』の撮影でも使われたようです。

・・・といったことが、入り口前に書かれています。

一見普通の和室といえば普通の和室なのですが、部屋の外には湯沢の山々、そして部屋の片隅には駒子の和服という、そのまま『雪国』の世界が再現されている執筆部屋。

作品のファンにとってはいわずもがな、一度でも読んで感銘を受けた読者的にもたまらないものがあるでしょう。まさに聖地ですからね。

 

最終日のチェックアウト

チェックアウトまでの時間を目いっぱい使った見学という、やや忙しないスケジュールではあったのですが、一通り満足は出来ました。

その後はチェックアウトのためにフロントへ。『雪国』の宿というイメージから連想される(?)こじんまりとした宿ではなく、今現在の高半自体はかなり大きいホテルです。

本当にあっという間でしたが、『高半』での時間は極めて満足度の高いものでした。

(続く)

タイトルとURLをコピーしました