東遊園地内に残された、港町神戸の足跡
芝生の広場と”URBAN PICNIC”
ルーツをたどれば開港後の外国人居留地時代にはじまっているという、日本初の西洋式運動公園・東遊園地の中心部へ。
海側(南側)から公園に入った場合、こじんまりとしたこじゃれた公園から都心部に広がる芝生の豊かな公園へ、というイメージというか雰囲気の変化があります。
気候の良い季節であれば、ここだけで丸一日いい気分で過ごすことが出来そうな空間ですね。
公園中心部には、芝生の広場に“URBAN PICNIC”という“アウトドアリビング”をコンセプトとする施設(カフェ、イベントスペース等々)が用意されています。
2015年に始まる社会実験の後、つい最近(23年4月に)作られた施設のようです。
周辺に高層ビルが多い分“都心に位置するオアシス”的なイメージが強く伝わって来るという、おしゃれさと同時に”人へのやさしさ”が光る空間になっています。
この雰囲気になじんでしまうと今回の旅行はここで終わってしまいそうですが 笑、ともあれ。
今現在のこういう試み、さらには公園の持つ歴史自体が神戸の歴史の延長上に位置しているということで、公園内にはいたるところにその”足跡”を感じさせる石碑が置かれています。
参考
東遊園地と石碑
以下、今回東遊園地内で見かけた石碑等を、ダイジェストでまとめました。
参考
- 神戸市公式サイト “東遊園地“
モラエス像
神戸ゆかりのポルトガル人作家、ウェンセスラウ・ジョセ・デ・モラエスさんの胸像です。
作家としての活動の他、日本滞在時には神戸・大阪総領事としても活躍された方のようです。
A・C・シムの記念碑
居留地消防隊の功労者であり、かつKR&AC(Kobe Regatta & Athletic Club)の創業者であるアレキサンダー・キャメロン・シムさんの記念碑です。
本業は薬剤師だったというシムさんの神戸での(特に、スポーツ振興にまつわる)活躍については、KR&ACの公式サイトにもその記載があります(※)。
参考
ボウリング発祥の地
1869(明治2)年4月20日、当時神戸居留地だったこの地に”THE KOBE CLUB”というボーリング施設が作られたことが、神戸でのボーリングのはじまりとなりました。
日本初のボーリング場は1861(文久元)年に長崎にて作られていますが(※1)、その後1864(元治元)年に横浜に(※2)、1869年には神戸へ、という流れがあったようです。
参考
近代洋服発祥地の碑
1869(明治2)年、居留地16番館(当時居留地だった、この付近)にて洋服店が開業されたことが「神戸での洋服のはじまり」に当たる出来事です。
そのことを記念した石碑も現在東遊園地内に置かれています。
石碑の設置と共に、洋服の型紙をイメージしたオブジェも、
すぐ傍に置かれていますが、開港期の華やかな歴史の跡を刻むこれらの石碑はすべて、現在の東遊園地の雰囲気をどこか盛り立てるように溶け込んでいます。