“日本一のモグラ駅”土合駅の改札付近

土合駅改札

“日本一のモグラ駅”こと土合駅のホームから、486段の階段を上り切って改札へ。

改札前にはホームへの案内が設置されています。

きちんと実用に供すためのメンテナンスがなされ、かつ定期的に清掃されているのであろう様子はしっかり伝わってきますが、駅舎をはじめ、駅ホームや連絡通路などの施設が年代物であることも伝わります。

このあたりは水上駅に近い風情を感じる部分でもありますね。

思えば水上駅から上越線に乗って土合駅に到着したのはわずか20～30分程度前のことだったのですが、にもかかわらず“はるか昔のこと”感がとても強いのは、やはり土合駅が”日本一のモグラ駅”であることに理由があります。

土合駅駅舎内

改札跡と精算所跡

かつての土合駅の改札です。

現在の土合駅は無人駅ですが、旧改札がそのまま残されています。

昔の待合室は、現在もそのまま待合室として機能しているようです。

その昔の精算所窓口もそのまま残されていますが、かつての駅員室内には、現在、喫茶店”駅茶mogura”（みなかみ観光協会公式サイト、公式Instagram）が入居しています。

外側から一見したところ、精算所時代がそのまま残されているような雰囲気を醸しているように見えなくもありませんが、そう感じるのは恐らく手前にあるパーティションや部屋の奥に掛けられたひらがな駅名標等々に視線を引かれるからで、よく見ると部屋の中央には外食店のセントラルキッチンのような設備が設置されています。

この時は残念ながら店内で一休みすることは叶わなかったのですが、DIY風のオシャレな店内には、かつての設備もボチボチ残されているようです。

新旧の思いが交錯しているような、それでいてかつてとは別の機能を持つ空間になっていることが伝わりますが、奥の窓の外には、恐らくは旧国鉄時代からそれほど変わっていないのであろう周辺風景も望めます。

“土合駅の今昔”と“その周辺を取り巻く普遍的な自然”のコントラストの妙は、この先の遠い未来にいる誰かもまた、恐らくは今の自分と同じような目線で味わうことになるはずのものではあります。

“今この瞬間”が遠い過去となったその時には、果たしてどんな風景が存在しているのでしょうか。

そんなことが頭に浮かんだりもしますが、店頭には”駅茶mogura”のメニューも出ています。

今の土合駅と、その周辺事情

待合室側から見た旧・駅員室、現”駅茶mogura”は、“有人”を感じさせる無人駅の雰囲気を醸しています。

無人駅となって久しい、ただし今でも恒常的に人の立ち入りがあることはハッキリ伝わって来る感じですね。

注意書きも提示されています。

土合駅といえばこれ、という部分としては、やはり谷川岳の最寄り駅であることが挙げられます（みなかみ町観光協会 “谷川岳“）。

日本百名山（YAMAP “日本百名山一覧“）の一つに数えられる名山であり、かつ“遭難者数（＝遭難死者数）世界一”という不名誉な記録を持つ”魔の山”でもあるのが谷川岳ですが、名山を前にして否が応でも高まる気持ちに対する、中々に重い注意喚起ですね。

駅前には谷川岳との間を結ぶ路線バスのバス停も設置されているため、待合室には時刻表が貼られているほか、

野生動物を媒介した、動物への感染症拡大防止のための注意書きなども用意されています。

谷川岳登山に際しての注意喚起の横には、一つの重大事件の発生が平成時代の闇を多々垣間見せることになってしまったという、“横山ゆかりちゃん誘拐事件”の情報提供を求めるチラシが貼られています。

現在この事件への情報提供には、群馬県警等によって限度額である600万円の報奨金が設定されていますが、事件解決への道のりは依然厳しい状況にあるようです（参考：【未解決事件/平成】横山ゆかりちゃん誘拐事件と、北関東連続幼女誘拐殺人事件）。