線状降水帯発生と降雨量、関連災害
線状降水帯とは
線状降水帯とは、“次々と発生する発達した雨雲(=積乱雲)の塊である積乱雲群”が作り出す、”雨雲の帯”のことです。
目下のところ発生メカニズムに未解明な点が含まれていることから、
- 事前に正確な場所や時間を特定することが難しい
- 急激に状況が悪化する恐れがある
など予測が難しい気象現象でもあるようですが、注意点は周知のように、
- 長さ50~300km程度
- 幅20~50km程度
に及ぶという、「線状」の「降水帯」がもたらす豪雨の規模にあります。
降水帯は数時間にわたってほぼ同じ場所を通過する、つまり実質同じ場所に停滞する状態となることから、強い降水が特定エリアにて集中的に継続します。
「実質同じ場所に停滞する」とは、同じ場所に積乱雲が次々流されてくる、あるいは同じ場所にて積乱雲が発生し続けることを意味しますが、要するに一度線状降水帯が発生すると、発生エリアには通常の降雨の比ではない規模の大雨が降る事になるんですね。
言うまでもなく、通常であれば「豪雨を降らせる雨雲」(積乱雲)が通過したら豪雨は止みます。
局地的な大雨、あるいは集中豪雨=ゲリラ豪雨の発生がこのパターンですね。
ところが線状降水帯が発生した場合は積乱雲が組織化し、線状に巨大化することによってその寿命が延びるため、次から次へと「豪雨を降らせる雨雲」が作られ続けることになる、結果いつまでも「同じ場所で」豪雨が降り続けてしまい、降雨エリアに甚大な被害をもたらすことに繋がりやすい、となります。
参考
- 気象庁公式サイト “顕著な大雨に関する情報“
- 国立環境研究所 “熱帯域における雲の組織化の研究“
- 国土交通省・国土地理院 “ハザードマップポータルサイト“
深刻な被害へ

線状降水帯が発生した場合。
災害状況の投稿にしても雲の動きをそのままなぞらえたような変化となる、すなわち被害が発生する地点が雨雲の列に沿って線状に並んでいく事になるのですが、結論として、この状態の継続が投稿エリア(=降雨エリア)にしばしば深刻な豪雨災害をもたらします。
今回の線状降水帯発生による豪雨でも、関東・東海地方の太平洋岸に細長く伸びたエリアで、土砂崩れ・河川氾濫・土石流などの被害が発生しました。
類似
顕著な大雨
2021年7月1-3日の降水量(表中太字は月間平均雨量越え地点)
| エリア | 3日間の雨量 | 7月月平均雨量 |
| 横浜 | 1日78.0ミリ 2日109.5ミリ 3日125.0ミリ 計312.5ミリ | 182.5ミリ |
| 平塚 | 1日68.5ミリ 2日105.5ミリ 3日169.5ミリ 計343.5ミリ | 167.1ミリ |
| 箱根 | 1日128.0ミリ 2日384.5ミリ 3日290.5ミリ 計803.0ミリ | 425.3ミリ |
| 網代(熱海市) | 1日110.5ミリ 2日161.0ミリ 3日140.0ミリ 計411.5ミリ | 242.5ミリ |
| 三島 | 1日98.0ミリ 2日178.5ミリ 3日147.0ミリ 計423.5ミリ | 223.4ミリ |
2021年7月1日から3日にかけて、神奈川・静岡両県で、線状降水帯による豪雨が発生しました。
3日間の雨量、および平年の7月の降雨量は上記の表の通りですが、”3日間で月平均超え”というこのすさまじい降雨量は、神奈川・静岡エリアにかけて発生した線状降水帯がもたらしたものです。

