上問屋資料館(国指定重要文化財)
about 上問屋資料館(旧手塚家住宅)
旧中山道の宿場町である奈良井宿で、江戸時代の最初期から明治の最初期に至るまで問屋・庄屋として機能していたのが、旧上問屋手塚邸、現在の上問屋資料館です。
かつて櫛問屋だった中村邸などもある奈良井宿は、旧宿場町自体が文化庁によって”重要伝統的建造物群保存地区”に指定され、保存の対象となっているのですが、中でも上問屋資料館は中村邸同様、国指定重要文化財に指定されています。
上問屋資料館の言う”問屋“とは、現在一般的に言われる卸売業者さんや取次業者さん、運送業者さん等々のことではなく、宿場町において人馬継立(宿場町と宿場町の間の馬・人に関する交通取次)を担っていた、公営の”問屋場”のことを指しています。
そんなルーツがあったからだということで、明治維新後、明治天皇が中山道沿いの地を巡幸された際には現在の”上問屋史料館”に行在されたようで、
施設前にはそのことを記念する石碑が立ち、施設内には今も当時の部屋が保存されています。
参考
【青春18きっぷの旅/初日】旧中山道の宿場町、奈良井宿着(JR中央本線、奈良井駅傍)
【青春18きっぷの旅/初日】旧中山道・奈良井宿 -元櫛問屋 中村邸(国指定重要文化財)-
文化庁公式サイト “伝統的建造物群保存地区“、”塩尻市奈良井・木曾平沢(長野県)“
文化庁公式データベース・手塚家住宅 “主屋“、”別棟座敷“、”土蔵“
【旧街道と宿場町】街道整備と江戸時代の旅(五畿七道、五街道、脇街道)
資料館内部
旧中山道沿いに建てられた案内にもあった通り、表玄関からすると奥方向に広がりがあって、最奥部には庭が用意されている他、
奥に進むまでのスペース、
建物の中央部には、庭のような空間が用意されています。
今も実用として残されている二階への階段は、横から見ると箪笥として機能していることが分かります。結構急な階段でもあるので、慣れるまではゆっくりの上り下りが必要です。
外から見えにくく、中からは外の様子を伺いやすいという格子戸は、
中村邸にも上問屋資料館にも、そのほかの家屋でも、他の建物にも使われています。
明治天皇行在所
明治天皇御巡幸の際、奈良井宿の上問屋資料館のこの部屋で、新鮮な岩魚の塩焼き等が献上された様子が説明されています。
外から部屋だけを見ると一見普通の和室に見えたりもするのですが、そもそも部屋自体が一段高いところに用意されています。
行在所となるにあたって部屋自体は改装されたようですが、
以降は当時のままで保存されているようで、
部屋の中には、明治天皇と昭憲皇太后の御真影も残されています。