【開港都市の風景/2023長崎】長崎電気軌道(長崎の路面電車)

西日本
この記事は約5分で読めます。

長崎電気軌道

長崎で”電車”と言ったら?

路面電車=長崎電気軌道

長崎 電車“で検索しても最上位にヒットするのは路面電車関係のサイトで、以下にも路面電車中心の検索結果が続きますが、長崎で電車といった場合、路面電車=長崎電気軌道公式サイト)のことを指すようです。

「長崎では、電車と言ったら路面電車のことを指します(JRはJRという。”電車”ではない)」と言い切っている観光系ブログの記事もありましたが、路面電車は割と次から次へと来てくれる上、中心部で交通量の多いところには大抵路線が通されています。

電車一日乗車券と乗車法・運賃

長崎の路面電車には、観光地の電車・バス等ではお馴染みの一日乗車券が用意されています。

大人600円、子供300円で、車内では購入できません

乗車前に沿線のホテルや観光案内施設等(公式サイトより、”電車一日乗車券 発売所一覧 新地中華街“)で購入しておくことが必須です。

路面電車は後乗り・前降りで、運賃は大人140円/子供70円均一、一日券で乗車する際には下車時に運転士さんにチケットを見せればそれでOKです(公式サイト “電車の乗り方“)。

“電車の行先”と下車駅をチェック!

長崎の路面電車には、実際に乗車してみて初めて分かったという、一見には少々見えにくかった乗車ルールもありました。

乗車位置について

一つの停車駅に複数の路線が用意されている場合、前方と後方に乗車位置が分けられています

例えば長崎駅前駅の新地中華街・市役所方面行き電車のホームでは、前方停車が蛍茶屋行き(市役所等方面)、後方停車が崇福寺行き(新地中華街等方面)です。

地方駅ではしばしば見かけるタイプの乗車(停車)方式ですが、慣れていない場合これが地味に分かりづらいため、しばしば混乱します。

IC乗り換え駅と電車の乗り換え

“IC乗り換え駅”にて他の路線に乗り換えると、先の乗車で既に運賃を払っているとの判断から、乗り換え後の運賃は自動的に無料になるようです。

IC乗り換え駅とは複数路線の乗り換え駅で、市役所駅を一駅換算した場合全線に4つほどありますが、本来であれば乗車回数分の運賃が必要なところ、“乗り換えしないといけない目的地”への乗車は乗り換えも含めて一乗車と判断してもらえるという、なかなかお財布に優しいシステムです。

例えば市役所駅から出島駅へ向かう場合。

まずは市役所駅から石橋駅行きの電車(緑色の5系統)に乗った後、新地中華街駅で下車して赤迫駅行きの電車(青色の1系統)に乗り換える必要があるのですが、”市役所駅-新地中華街駅”と”新地中華街駅-出島駅”の乗車で2回乗車したとは判断されず、市役所駅から出島駅までが一乗車だと判断される、ということですね。

ICカード乗車の場合は普通にカードを通す(電車内の機械にカードを触れさせる)だけで乗車することが出来ます(一日乗車券であれば、下車時に運転士さんに見せるだけOKです)。

路面電車と長崎市街地

明治末に敷設計画が認可され、大正年間に開通して以来”長崎市民の足”であり続けたという路面電車ですが、当日は長崎街歩きをするにあたって、ほぼ丸一日路面電車のお世話になりました。

新地中華街駅付近

長崎の路面電車で一番スタンダードな車両は、緑とオフホワイト~ベージュっぽいツートンカラーの車両です。

公式サイトの案内(長崎電気軌道公式サイト “車両案内“)によると、この色の車両は何種類かあるようですが、全て一両編成です。ぱっと見で華のあるラッピング車両に比べて、どこか風格があるのが特徴ですね。

企業のラッピング広告電車は、かなり頻繁に見かけました(一部後述)。

札幌の市電(参考:月寒通と札幌市電札幌市電とラッピング電車)にも同様の印象がありましたが、電車との距離も近く、“ラッピング路面電車”の華が強く伝わってきます。

長崎駅前駅

JR長崎駅前にある、路面電車の長崎駅前駅です。

長崎駅前駅の両サイドに通されているのは、長崎・福岡間を結ぶ大動脈・国道202号線です。

駅のホームへは、これらの上に架けられた歩道橋を下って進みます。

ツートンカラーのスタンダードな車両の奥、歩道橋の下あたりにもう一台の路面電車が待っているのが分かりますが、一つの駅や交差点の周辺に何台かの電車が固まっているというような風景もしばしば見かけました。

こちらも企業のラッピング広告電車ですが、バリアフリー対応の新型車両です。

市役所駅

長崎の路面電車の市役所駅は、二つあります。

一つは蛍茶屋駅・赤迫駅間を結ぶ3系統の市役所駅、もう一つは蛍茶屋駅・石橋駅間を結ぶ5系統の市役所駅ですが、どちらも同じ交差点内です。

3系統側の市役所駅(手前)がある交差点のすぐ隣には、5系統の市役所駅(写真奥、交差点右側)が見えていて、

駅から蛍茶屋方面に向かって路面電車が走っていく様子ももちろん、視界に入ります。

同じ交差点には、長崎駅前方面からの路面電車が左折する線路も設けられていて、

蛍茶屋方面との間を結んでいます(電車は、市役所駅発車直後の石橋駅発蛍茶屋駅行きです)。

出島駅

路面電車の出島駅は、再現された出島公式サイト)のすぐそばに作られた駅です。

出島の様子は出島駅からも微かに伺うことが出来ますが、敷地の内部にはかつての出島に存在したオランダ商館などが再現されています。

その他、ラッピング電車など

長崎市の中心部を歩いていると、頻繁に路面電車を見かけます。

観光客の体感的には、バスのように走ってくれる電車といった感じで、とにかく便利でした。

他にも例えば、長崎のエリア情報誌”STLOCAL”(公式サイト)のラッピング電車や、

デジタルチケットアプリ”my route”のラッピング電車等々。

市役所駅での電車待ちの間、現在J2に所属しているV・ファーレン長崎(公式サイト)のラッピング電車も見かけました。

新地中華街駅では、”行先によって乗り場を分ける”ルールがあるために停車位置がずれてくる、そのことによって生じる面白い停車状態をボチボチ見かけた他、

一つの駅の周辺に路面電車が何台も、というような”路面電車渋滞”ぽい風景も、しばしば見かけました。

長崎で街歩きをしようと思ったら、路面電車様様という感じになってくると思います。

タイトルとURLをコピーしました