日本海と夕陽
信越本線・鯨波駅
去年夏の青春18きっぷ旅では信越本線の車窓越しに眺めただけだった、信越本線・鯨波駅から青海川駅にかけての海岸線。
幸運にも、今年は現地に降り立つ機会に恵まれました。
参考
JR鯨波駅駅前
現在は無人駅となっている、信越本線・鯨波駅(JR東日本)の駅前です。
駅舎に描かれたくじらの絵が目を惹きますが、やはり西山ふるさと公苑にあったくじらの置物も、同じ柏崎市内にある鯨波を意識したものだったのでしょうか。
ちなみに”鯨波”の由来については、特に定かにはなっていないようです。
日本海にも生息するクジラそのものから来ているのか、それとも柏崎の海岸線に押し寄せる大波の規模がクジラに例えられたところから来ているのか、あるいはほかに何か理由があるのか。
理由はともかく、結果として鯨波という名前が今に残されています。
鯨波駅の改札へ。
駅のつくりはかつての名残りで、既に無人駅となって久しい(1971年~)ようです。
鯨波駅ホームから臨む日本海
ホームは相対式で、海岸線は駅舎とは反対方向の、柏崎・長岡方面行ホーム側にあります。
海岸線側ホームへ。ホームの中ほどにある周辺ガイドや、
駅名標の向こうには、わずかながらとはいえ、やはりはっきり日本海が見えています。
ホーム端に向かって歩くとさらにはっきり海が見えてきますが、信越本線・青海川駅方面に暮れかけている夕陽がまぶしいです。
鯨波駅すぐ傍から砂浜が始まっているのが分かりますが、ここから青海川駅に向かって、信越本線と並走する海岸線・砂浜が続いていきます。
ホームの端までくると、駅舎ははるか遠く。
やがて駅舎を出ると、ほぼそのタイミングで信越本線が入線してきました。
自分にとっては新鮮でも、現地にあっては”毎度お馴染み”。
昨日のこの時間もおそらくは今この瞬間と同じ、さらには明日以降も続いていくことになるのだろうという、いつもの一コマですね。
信越本線・青海川駅方面へ
JR鯨波駅前出発後、ほどなく信越本線、さらには海岸線と並走する国道8号線へ。
国道8号線沿いには、線路の向こうに海が臨めるという駐車場付きのスポットも用意されています。
道沿いから線路沿いへと降りられるようになっているのですが、ここから信越本線が走る姿を写真に収めたら、さぞや絵になることでしょう。
ですがこの日はまもなく日没で、かつ下り信越本線は先ほど通過したばかり。
運が良ければ”上りの通過”が期待できるかもしれませんが、少なくとも30分後、あるいは1時間後に通過することが予想される次の下り電車は、残念ながら日没までには間にあいそうもありませんでした。
日本海の夕陽
この日の目的地・妙高を目指す道中、信越本線の鯨波駅・青海川駅間で日没の瞬間を迎えました。
日本海側の夕陽は気持ち寂し気に見えますが、一つには太陽が海の向こうに沈んでいく時に作り出す、空の色の故でしょうか。
水平線の向こうに太陽が沈み、パステルカラー風オレンジが茜色になると、やがてセピア色から徐々に漆黒に近づいていくというグラデーションの妙は、確かに太平洋岸のそれとはどこか違って見えなくもありません。
・・・などというあたりを指摘することもできるといえばできるのかもしれませんが、もっと根本的な部分で、それが旅の道中で見る夕陽だからだという”いつもとの違い”が、何より大きく働くことになっているのでしょう。
そもそも常日頃、そこまでまじまじとただ夕日だけを見つめる時間自体、そうそうあるものでもないですからね。
写真中央の高架橋は、JR鯨波駅の隣、JR青海川駅の相対式ホームに架けられたものです。
日本海の向こうにある陽は沈み始めると割と早く、青海川駅傍に着いた時点で完全に日没の時を迎えると、
上越市経由で妙高市に入るころには、日は完全に暮れていました。