札幌ドーム傍の展望台
about 羊ヶ丘展望台
観光スポット”羊ヶ丘展望台”

さっぽろ羊ヶ丘展望台は、高台から市街地の風景を一望出来、尚且つ羊を間近に見ることも出来るという観光スポットです。
1972(昭和47)年に札幌で冬季五輪が開催された際、選手村でオーストリアの選手の施設として利用された建物が移築・復元されている他、ジンギスカンが楽しめるレストハウスや教会、雪まつりの資料館などが用意されていますが、どこかステレオタイプな北海道イメージ、より具体的には「こういうところに時計台があってほしかった」というようなイメージと共にあるロケーションも、スポットを引き立てる大きな魅力となっています。

羊ヶ丘展望台のシンボルといえば、やはり“Boys be anbitious”の名言でおなじみ、クラーク博士の像ですね。
その背後には、同じく”羊ヶ丘”の住所を持つ札幌ドーム(札幌市豊平区羊ヶ丘)の屋根も視界に入って来ますが、1976(昭和51)年に制作された像は「右手を挙げる独特のポーズは「遙か彼方にある永遠の真理」を指し、そこに向かい大志を抱けとの思い」(「」内は公式サイトより引用)を表しています。
札幌中心部から現地までの交通手段としては、

札幌市営地下鉄・東豊線の終点福住駅から羊ヶ丘展望台へのバスが出ている他、札幌駅から直通のバス(北海道中央バス89系統羊ヶ丘線)も運行されています。
参考
- さっぽろ羊ヶ丘展望台公式サイト、公式Instagram、公式X
- 札幌市時計台公式サイト
- 【冬の終わりの札幌へ その6】札幌市時計台(札幌市役所前、大通公園傍)
- 札幌市営地下鉄公式サイト “路線図・構内図“
- 北海道中央バス公式サイト “札幌市豊平区路線“
研究施設としての羊ヶ丘
現在の羊ヶ丘エリアは、1906(明治39)年に牧場(農商務省の牧場=月寒種牛牧場)として開拓されたことによって幕を開けます。
一帯はやがて月寒種羊場、さらには月寒種畜牧場として発展を遂げていくのですが(”月寒“は、戦前までは”つきさっぷ”と呼ばれていたようです ※)、時は流れて戦後になると、“農林省北海道農業試験場畜産部”としての運営が開始されます(農商務省は1925年=大正14年より、農林省と商工省に分離されます)。
“北海道農業試験場”の始まりは”羊ヶ丘”(=月寒種牛牧場)より5年ほど早く、1901(明治34)年に札幌農学校附属第2農場の一部(現・北大キャンパス内)として産声をあげます。
当時の組織名は、北海道農事試験場でした。
札幌農学校といえばいわずもがな、現在の北海道大学の前身にあたる学校ですね。
農学校附属の第2農場の一部として始まった”農事試験場”は、その後琴似の新庁舎へ移転すると、やがて北海道農事試験場・北海道庁種畜場・北海道庁種羊場を併合して“北海道農業試験場”となり、戦後になると組織そのものが国立と道立に分離されます。
その後国立の農業試験場が”羊ヶ丘”に移転し、幾度かの組織変更を繰り返して現在に至っていますが、“羊ヶ丘”のルーツにあたる牧場を吸収した”農林省北海道農業試験場”は、戦前より札幌の名勝地として知られ、見学者も多かったようです。
戦後は見学者の増加によって、本来の目的である農事に関する試験や研究に影響を及ぼすことになったため、一時入場制限を課すことになったのですが、本来の目的(=農業研究)一本に絞ることによって名勝地としての魅力を無くしてしまうのは惜しいということで、札幌市や観光協会等と施設側との間で協議が重ねられ、結論として北海道農業試験場の用地の一部が、現在地にて羊ヶ丘展望台として観光施設化される運びとなりました。
現在、”北海道農業試験場”は北海道農業研究センターとして、農水省管轄下の組織ではなく、国立研究開発法人(=独立行政法人)として活動しています。
参考
- 月寒地区町内連合会 “「つきさっぷ」とは?“(※)
- 北海道大学総合博物館公式サイト “札幌農学校第2農場“
- 【00年代の札幌】北海道大学構内(JR札幌駅、道庁赤レンガ庁舎傍)
- 農研機構公式サイト “北海道農業研究センター概要“”要覧“、
- 羊ヶ丘展望台公式サイト “さっぽろ羊ヶ丘展望台の歴史“
- 北海道農業研究センター公式サイト
- 総務省公式サイト “独立行政法人“
羊ヶ丘展望台にて
羊の放牧

羊ヶ丘展望台は、既述のように農業の研究施設にルーツがあって、その用地の一部が戦後になって観光施設に特化されることになったという経緯があることから、現在も羊が放牧されています。

広大な用地のすぐ隣には札幌ドームが位置していて、ドームの屋根が展望台からも視界に入って来ますが、

運が良ければすぐ間近で羊を見ることが出来る他、

羊たちが住む”羊さんのお家”も用意されています。
展示圃場

羊ヶ丘展望台では、農産物が展示用に植えられているという展示圃場も作られています。

水稲、小麦、ばれいしょ等々、様々な作物が研究対象とされているようですが、

北海道の開拓史と農業研究の間には切っても切れない縁があるようで、現在も北海道農業研究センターによって研究が進められています。
展望台内観光施設

羊ヶ丘オーストリア館(右)と、羊ヶ丘レストハウス(正面)、

レストハウスの隣にさっぽろ雪まつり資料館(写真左端)、

雪まつり資料館の左側にはクラークチャペルが、寄り添うように作られています。

クラーク博士の像の周辺は人気スポットで、タイミングによっては記念写真の順番待ちの列が出来ています。
参考
- さっぽろ羊ヶ丘展望台公式サイト “オーストリア館“、”レストハウス“、”さっぽろ雪まつり資料館“、”Boys be ambitious!“

