“有能格安チケット”ありきで実現した、気軽な長躯
「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」とは
about
「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」(以下、”たびキュンパス”)とは、一言で言うなら”新幹線・特急・三セク鉄道乗り放題の、JR東日本管轄内限定の青春18きっぷ“です。
なにやらコンカフェのメイドさんが「おいしくなーれ」とケチャップを使ってオムライスの上に絵を描いているようなというか、随分尖ったネーミングセンスだなとは思いますが 笑、あるいはそのあたりには“青春18のびのびきっぷ”の遺伝子・センスが受け継がれているのかもしれません(?)。
きっぷの効果は
- 「フリーエリア内のJR東日本全線、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、 三陸鉄道線、北越急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津〜新井間)の 普通・快速列車と特急列車など(新幹線を含む)の普通車自由席およびBRTが 1日間乗り降り自由」(24年版公式サイトより引用 ※)
要約すると、
- 「JR東日本全線、及びJR東日本管内を走る主な三セク鉄道の、普通・快速列車・特急列車・新幹線の普通車自由席1日乗り放題」
チケットだということで、切符の性能的には(ネーミング含めて)JR東日本版”令和の青春18きっぷ”といったところでしょうか。
特に目を惹く個性は「主な三セク鉄道も乗り放題」であることと「新幹線・特急自由席乗り放題」であることですが、このあたりが”たびキュンパス”といえばこれ、に該当する部分ですね。
参考
- 青春18きっぷの旅とおすすめ候補地(きっぷについて+おすすめ路線)
- JR東日本公式サイト “「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」いよいよ発売!“(※)
購入方法・ターゲット層
24年版の利用期間・発売期間等を公式サイトのニュースより引用すると、
- 利用期間:2024年2月14日(水)〜 3月14日(木)の平日限定
- 発売期間:2024年1月14日(日)〜 2月29日(木)
- 発売方法:「えきねっと(Web)」限定発売
- 有効期間/価格:一日/1万円
という、かなり的を絞り込んだきっぷであることが分かります。
期間的には、冬と春の18きっぷの丁度間の期間に発売される切符ですね。
購入にあたっての注意点としては、18きっぷと違って予め利用日を指定する必要があること、ネットでしか買えないことが挙げられますが、発売期間に含まれる”利用開始日の1ヶ月前から14日前まで“に、利用日の日付けの入ったチケットをネットから購入する必要があります。
購入枚数には制限はない、とされています。
“メインターゲットは春休み中の大学生”で、実質一本釣りって雰囲気が鮮明に見えているようにも思えますが、実際に利用してみると、あらゆる層(全世代の男女一人旅、同性友達同士旅、親子旅、カップル・夫婦旅等々)から支持されていそうなことが伝わって来ました。
この点、JR東日本さん的には嬉しい誤算だったかもわかりませんね。
参考
“25年版”たびキュンパスも、二日間用が新設され、発売決定!
24年版の企画が余程好評だったということなのか、引き続きの発売が決定した上、25年版では新規に二日間用が発売されるようです。
日帰りのみではなく、一泊旅行にもたびキュンパスが対応することになった形ですね。
仕様は原則24年版とほぼ同じですが、主な注意点としては、以下が挙げられます。
- 利用期間:2025年2月13日(木)~3月13日(木)
- 土・日・祝を除く平日限定
- 発売期間:利用開始日の1ヶ月前から14日前まで
- 価格:一日用・1万円、連続する二日間用・18000円
- 座席指定:一日用は2回まで、二日間用は4回まで可能
参考
- JR東日本公式サイト “旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス“
24年版使用時の私見・感想etc
使用感について。
18きっぷとの最大の相違点としては、長距離移動にあたっては基本的に終始激混みを覚悟する必要がある、という点でしょうか。実際には日により時間帯により、さらには路線によって若干の相違があるかもしれませんが、相違はあくまで”若干”の範囲にとどまることが予想されます。
特に新幹線移動についてですね。
旅先で現地の方とお話する機会も何度かあったのですが、そもそも“たびキュンパス”利用期間が始まってから観光施設がやたらと混雑するようになった(いきなり混雑するようになったから不思議に思ってその理由を探していたら、“たびキュンパス”に行きついた、みたいなお話を伺いました)ようで。
18きっぷの場合、首都圏から遠ざかれば遠ざかっただけ長閑な旅情が濃くなって来るのが普通なのですが、“たびキュンパス”の場合、その意味ではどこまで行っても首都圏の事情が付いて回ることになります。
なので、少しでもゆとりある旅を望むのであれば、チケットを購入したらその時点で”指定席の予約が必須になる”と考えておいた方がいいかと思います。その上で、18きっぷ旅気分で転々と”乗り鉄旅を味わう”のではなく、出先での時間を楽しむことに主眼を置いた方がいいのかな、とは思えなくもありません。
ただし、はじめから混雑上等で”少しでもお得な乗り鉄旅を”と考えるのであれば、特に“鉄印”目当ての三セク鉄道巡業などについては、これ以上ない位のうってつけの旅にはなりそうです。
日帰りチケットでも二回までは座席指定が無料なので、前もって最長距離の往復分を指定してしまう形ですか(当日でも取れないことはないのですが、時間の融通はまず利かないと思って間違いないようにも思えます)。
いずれにしても、18きっぷとはまた違った意味で”使いようによって切れる”チケットであることは間違いなさそうです。
ということで、今回の旅では、“たびキュンパス”利用によって可能となった、お気楽な長躯を楽しませていただくこととなりました。
参考