【青春18きっぷの旅/四日目から五日目へ】「雪国」の宿”高半”と越後湯沢

国内旅
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最終宿泊地・越後湯沢にて

雪国の宿 高半

“高半”と川端康成

今回の青春18きっぷの旅最後の宿泊先となった高半さんは、ノーベル賞作家である川端康成さんが代表作『雪国』を執筆したという、知る人ぞ知る有名な老舗ホテルです。

仕事や療養等で各地を転々としながら湯沢に逗留する、という形で連作を書き始めたのが昭和9年(※)。以降3年間(~昭和12年)に渡り、川端康成さんが執筆のための書斎としていた「かすみの間」は、現在も保存・公開されています。

参考

“雪国の宿”客室にて

チェックイン後、まずは客室へ。

室内には執筆等々に集中できそうなテーブルと座椅子、障子戸の向こうには一面の広い窓。

どこか和風かつ古風なアカデミックさに惹きつけられる雰囲気がありますが、狭くはない、かといって広すぎるわけでもないという、”ゆとり”を感じさせる室内の広さも、この場合の魅力の一つですね。

“18きっぷ旅”最終日の夜を過ごすにはどこかうってつけという贅沢な空間にて、この日までの旅の毎日を、改めて振り返ることとなりました。

明けて翌朝、客室から望める風景です。

前日の到着が日没後のことだっただけに感動もひとしおなのですが、カーテンを開けるとすぐ目の前は湯沢の山々です。

冬場であれば、窓の外は一面の銀世界ですね。

高半さんでは、現在も客室の雰囲気自体が川端康成さんの執筆部屋だった”かすみの間”に微かに似ていることとも併せて、まんま『雪国』の舞台となっていることを感じさせます。

文学資料室/かすみの間

“高半”が『雪国』の宿である所以は、

  • 越後湯沢自体が雪国にあること
  • 川端康成が『雪国』を執筆した宿であること

後者のニュアンスが濃いダブルミーニングとなっているのですが、川端康成さんの執筆に利用された部屋”かすみの間”は、現在も当時のまま保存され、川端康成関係の資料が展示されている文学資料室と共に、(”かすみの間”については宿泊客にのみ)公開されています。

別記事でまとめましたが、”湯沢町歴史民俗資料館・雪国館”と併せて見学すると、より味わいが深くなります。

参考

文学資料室

ホテル『高半』内にある文学資料室は、宿泊者であれば見学は無料です。

メインはもちろん川端康成関係の資料展示ですが、そのほかにも年代物の展示が楽しめます。

その昔の「高半」の宿帳・帳簿など。

これは、かつての表扉でしょうか。

越後を代表する戦国大名・上杉謙信関係の展示もあります。

高半の歴史や越後の歴史そのものが展示されているコーナーにも、見ごたえがありました。

とはいえ、やはり展示のメインである『雪国』関連の資料は、群を抜いて充実しています。

色紙に関しては現在進行形で増え続けている様子も伝わって来ますが、

棚一面に飾られ、丁寧に保存されている圧巻のコレクションが目を引きます。

収集資料の充実度的に、”『雪国』記念館”、”『雪国』資料館”の様相をも呈していますが、

『文学資料室』というにふさわしい、聖地一流の展示が行われています。

かすみの間

『雪国』を生み出すために使われた執筆部屋も、公開されています(宿泊客のみ、見学可)。

実際に川端康成さんが執筆活動に使っていた”かすみの間”は、映画『雪国』の撮影でも使われたようです。

現在も保存・公開されている、川端康成さんの元・執筆部屋です。

部屋の片隅には『雪国』のヒロインである駒子(実在の人物をモデルにした、架空の人物)の和服が飾られていますが、この一点があることによって、大分部屋の雰囲気が変わってきます。

一見普通の和室といえば普通の和室なのですが、

洋室やフローリングに押された結果、”普通の和室”が普通には存在しない節もある昨今、

部屋の外に迫る湯沢の山々と”和室”の趣が相まって、そのまま『雪国』の世界と繋がっているようにも伝わってきます。

『高半』チェックアウト

文学資料室と「かすみの間」見学後は、チェックアウトのためにフロントへ。

滞在時間的には本当にあっという間でしたが、とても満足度の高い時間を過ごすことが出来ました。

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