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旧居留地南端の、国道2号線沿い
神戸メリケンビル前から、国道2号線へ
神戸税関萬國波止場碑
メリケンロード沿い、元はアメリカ領事館があった地に建てられたという、現・神戸メリケンビルを背にして海側へ進むと、
国道2号線を挟んだ向こう側には、やや雰囲気のあるビルと、その横には橋の親柱のような、建物前の門柱のような、何か曰くありげな柱が歩道上に建てられているのが分かります。
“門柱”は、ガス灯風の街灯が載せられた”神戸税関萬國波止場碑”です。
横から見ると”メリケン波止場”とありますが、命名の由来はまさに国道2号線の向こう側にあったという、旧アメリカ領事館にあるようです。元々はメリケン桟橋、メリケン波止場と呼ばれていたものが、後の神戸港の発展によって”メリケン→万国”となった流れですね。
旧居留地海岸通り
“神戸税関萬國波止場碑”や神戸メリケンビルを背にして、国道2号線を東遊園地(公式サイト)方向へ。
一番左側に位置している建物は兵庫県農業会館、かつて居留地時代にはお茶を扱う海外商社が入居していた区画で(後述)、そのとなりの二軒の白いビルは、”居留地後”に日本の商社系企業が入居していた建物です(後述)。
現在の国道2号線は旧居留地海岸通りで、かつては海外の金融機関やホテルが立ち並んでいた一帯です。
居留地撤廃後の時代にも雰囲気が引き継がれていた様子は、今現在も残されています。
ということで、左側の建物がシップ神戸海岸ビル(居留地公式サイト。旧三井物産神戸支店。壁面部は大正時代竣工)、右側の建物が商船三井ビルディング(居留地公式サイト。1922(大正11)年竣工)で、共に”居留地後”の建物ではありますが、西洋風となっています。
間に通された通りは”メリケン波止場山本線”、直進すると”大丸神戸店”付近で西国街道に交差する通りですね(参考:花時計線/西国街道沿いを街歩き)。
居留地時代にこの付近にあった建物としては、神戸の他、横浜(山下居留地)や長崎でも活動の跡が見られる”お茶”の商社、ウォルシュ・ホール商会の華麗なビルも、海岸通り沿い(現在のシップ神戸海岸ビルに向かって左側)に位置していたようです。
参考:横浜開港資料館報 “開港のひろば52号“
この付近には、”御一新”後の明治の世で不平等条約改正に尽力した陸奥宗光の顕彰碑が置かれた”みなと公園”があって、
冒頭に記した”神戸税関萬國波止場碑”の、通りを挟んだ向かい側に入口が作られています。
“旧・居留地沿いの海岸通り”はこのまま、東遊園地の東側に隣接する”フラワーロード”と交差する税関前交差点まで続きます。
今回の神戸旅では、時間の都合上、”神戸税関萬國波止場碑”付近を見るにとどまってしまったのですが、このほかにも例えばチャータードビル(居留地公式サイト)や神港ビルヂング、さらには神戸税関発祥の地碑など、”かつて”を思わせる建物が”港町”の港湾部傍に立ち並んでいるという、ある程度時間にゆとりを持って歩いてみたい通りの一つですね。