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【開港都市・新潟の風景/2021】旧新潟税関庁舎

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【開港都市・新潟の風景/2021】旧新潟税関庁舎

旧新潟税関庁舎

みなとぴあと新潟港

新潟市歴史博物館みなとぴあ公式サイト)の敷地内には、現在も開港5港の一港である新潟港を思わせる施設がいくつか残されています。

周辺図を見ると、信濃川沿いでありながら日本海直近のエリアでもあることが伝わる博物館周辺には、旧新潟税関庁舎や旧第四銀行住吉支店などといった、”博物館(二代目新潟市役所庁舎のデザインを用いて作られています)”と並び立つ施設が複数あることがわかる他、現在は「かつて」と違う形の水上交通の拠点となっていることもわかります。

信濃川沿いの両岸(右岸左岸)に造られた緑地は市民のための憩いの場であり、緑地沿いには萬代橋やかつての交易場を思わせる”近代の遺産”的な施設も残されていますが、信濃川上のルートを往復する定期便”信濃川ウォーターシャトル(現在は土日祝のみ運行。公式サイト)”で新潟ふるさと村乗船場)との間が結ばれていることも、一帯の大きな魅力となっている形ですね。

信濃川沿いの文化は、”信濃川火焔街道“でおなじみの火焔型土器(縄文時代中期に使用された土器です。参考:日本遺産火焔型土器“)の出土が物語るように、昨日今日に始まったものではなく、有史以前からの歴史を有しています。

このことを引き合いに出すのであれば、結局のところ萬代橋も”開港5港”もつい最近のことに過ぎませんが、火焔型土器も”開港5港”も、共に信濃川流域が持つ歴史であることに変わりはありません。

ということで、古代以来の、あるいは近代のはじまりと共にある新旧の融合感がそのまま付近一帯の懐の広さとなって、居心地の良さを醸しているようには伝わりました。

旧新潟税関庁舎

みなとぴあ敷地内に位置する旧・新潟税関は、新潟開港の翌年である1869年(明治2年)、関税業務を行う新潟運上所として竣工します。

“運上所”竣工4年後の1873年(明治6年)には新潟税関と名前を変え、以降1966年(昭和41年)まで現役の税関として使用されました。

“引退”は昭和の半ば過ぎだったということで、この地で税関業務が行われていたこと自体、今は昔の話しなのですが、明治の初めに造られた施設が、新潟地震(1964年=昭和39年発生。M7.5。参考:新潟地方気象台新潟県の地震(津波)災害“)を乗り越えた上で昭和の半ば過ぎまで現役として機能していた点は、中々驚きでもあります。

門の奥に控える西洋風建築物の和洋折衷感や、税関周りのゆとりあるスペースには、総じてどこか牧歌的な”かつて”を思わされますが、信濃川の川岸を埋め立てて造られた旧・税関庁舎は、日本の技術や日本的な感性を用いて「西洋風」に造られたことから”擬洋風建築”とも呼ばれているようです(参考:新潟市公式サイト “旧新潟税関庁舎等について“)。

現在は、国内に唯一現存する開港当時の税関庁舎として、国指定の重要文化財となっています(昭和44年指定)。

旧新潟税関・内部

入口に作られた木造の門を入り、そのまままっすぐ進むと旧・税関庁舎の中央部分へと進みます。

朝9:30からはじまる見学可能な時間帯(参考:みなとぴあ公式サイト “利用案内“)、中央部を通り抜けることが出来るので、まっすぐ歩くとそのまま信濃川の川岸にたどり着けます。

建物の内部では、新潟開港時の港の様子や、

税関の歴史、

付近の観光スポットについての説明の他、

実際に使われていた道具の展示などが行われています。

内部からは信濃川方面を望むことも出来ますが、旧税関庁舎の回り、みなとぴあの敷地内には、ほかにも「かつて」を思わされる施設が幾つか残されています。

アクセス

4月~9月までは9:30~18:00、10月~3月は9:30~17:00開館です。

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