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【横浜山手の西洋館】山手111番館(港の見える丘公園内)

港の見える丘公園

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【横浜山手の西洋館】山手111番館(港の見える丘公園内)

山手111番館へ

about 山手111番館

1926年(大正15年)、開港期よりイギリスになじみが深かった現在地に、港湾の荷役会社を経営していたアメリカ人・J.E.ラフィンさん(戦前・戦中の動乱期を経て、戦後はヨットクラブの育成・運営などで横浜の発展に尽力された方だったようです)の私邸として建築されたのが山手111番館(公式サイト)です。

白を基調とした建材、瓦屋根の利用、カーブが用いられた表玄関へのアプローチ等、ラフィン邸として建築された当時のアメリカの住宅の主流であった、スパニッシュスタイルによって表現されています(スパニッシュスタイルについて。参考:”Houzz 『スパニッシュリヴァイヴァルの9つの特徴』”)。

about J.H. モーガン

山手111番館内では、山手111番館の設計者であり、横浜を中心として日本の近代建築に多くの業績を残しているアメリカ人建築家・J.H.モーガンさんと奥さんの写真、さらにモーガンさんの遺品が常設展示されています。

モーガンさんは丸の内ビルヂング(先代の丸ビル)建設のために来日し、以降、郵船ビルディング(初代日本郵船の社屋)、日石ビル建設、立憲政友会本部ビル建設など、日本国内で多くの建築に関わることになりました。横浜にとっても縁が深い建築家さんで、例えば山手111番館の他、山手本通り沿いにある西洋館等では、べーリックホール公式サイト)、横浜山手聖公会公式サイト)の聖堂などを設計したほか、外国人墓地公式サイト)の先代の正門も手掛けています。

そんなモーガンさん自身、さらに「山手111番館」の前所有者であるラフィンさんの父は共に日本人妻を持つ親日家で、ラフィンさん自身の生まれは横浜です。

ちなみにモーガンさんのかつての自宅跡は、現在も一部が同じ神奈川県の藤沢市に残されています。「一部が」というのは、残念ながら焼失してしまった部分があるということで、その再建に向けた運動も行われているようです。

参考:横浜山手とJ.H.モーガン

ロケーション

港の見える丘公園内に位置する山手111番館は、市バス20系統あかいくつ号の通るバス通りに面していますが、

バス通り沿いに門扉があって、

表玄関風になっています。

山手111番館の構造

バス通りから見ると”表玄関”風、その上で山手111番館すぐ隣に噴水塔があるので、前から見るか横から見るかによっても建物のイメージが違って見えます。

さらに、バス通り側や噴水側から見た山手111番館は二階建てなのですが、バス通り側から見た場合の裏手にあたる、バラとカスケードの庭側から山手111番館を見ると、建物は三階建てに見えます。表から見た場合の地下一階、公園内から見た場合の一階は喫茶店”cafe the rose”(公式サイト)ですが、

噴水塔横やバス通り側から入る場合、お店に進むためには一階分下ることになるんですね。

もちろん”バラとカスケードの庭“側からも入れます、というよりは、ここが喫茶店の正面入り口にあたります。

バス通り側から見た地上部分の一階と二階が現在一般公開されている山手111番館、地下一階部分が喫茶店”cafe the rose”という構造です。

館内1階

館内に入ってすぐの空間は吹き抜けのホールで、

入り口左側には資料閲覧室があって、他の西洋館同様、横浜関係のパンフレットなどが割と豊富に置かれています。

ホールに面した一番左側の扉はキッチンへ。

キッチンの窓からは、バスのロータリーの向こうに横浜市イギリス館が望めます。ややバラとカスケードの庭からの風景に似ていますが、西洋館の窓越しの風景はやはり絵になるものが多いです。

正面中央の部屋は、食堂として使われていた部屋のようです。大きな窓越しに望めるのは、バラとカスケードの庭です。

食堂右手にある山手111番館内ギャラリーは、有料でのレンタルが可能です。

開かれた扉の向こう側、通路左手には浴室があり、突き当りの位置は常設展示室です。この記事の冒頭にまとめた、山手111番館設計者・J.H.モーガンさん関係の展示がされています。

館内2階

山手111番館の2階は、現在月に一度公開されています。館内無料ガイドに合わせた公開で、同じ山手の西洋館だとイタリア山庭園内の外交官の家にも同様の部屋があります。

普段見れない部分を見ることが出来る機会なので、どちらもお勧め度は高めです。

ということで、やや急な階段を上って二階へ。常時公開しているスペースを珍しい場所から見下ろせる機会は、中々新鮮です。

二階部分は回廊になっていて、ぐるっと回れるようになっているのですが、”普通の二階”ではなく回廊になっているという構造がもう、斬新ですよね。

バス通り側、公園側には部屋が作られていますが、回廊部分の横には大きめの窓が作られています。

それぞれバス通り側は客間のような空間に、

公園側は会議室のような空間に整えられていますが、大きな窓からの眺めの良さは、全西洋館の中でも指折りです。

アクセス

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