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【横浜山手芸術祭ユースギャラリー】元街小学校展示

みなとみらい線沿線の四季

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【横浜山手芸術祭ユースギャラリー】元街小学校展示

山手234番館会場:元街小学校展示

元町公園前の山手234番館では、去年に引き続き、元町公園山手公園の間に位置している、元街小学校の1年生から6年生の作品が展示されていました。

ただし、今年はサンモールインターナショナルスクールがベーリックホールで出展し、横浜雙葉学園が不参加だということで、会場丸ごと元街小学校の出展です。

会場入り口から奥に向かって、1年生~6年生の順に展示されていました。

入った瞬間に、一見して「絵の好きな小学生が一生懸命描いた絵」であることが伝わってくるという、保護者、あるいは小学生の子供がいる世代に受けの良さそうな絵が並んでいるのがわかります。

ぱっと見で絵の総体が伝えてくるイメージは、一枚一枚の絵が伝える表現の総体でもありますが、かといってその双方がそのまま等号で結ばれることになるのかというと、必ずしもそうはならないのも面白いところです。

一枚一枚を見ていくと、目線は同じだったとしても、テーマやターゲットの違いによって全く異種の”何か”を表現しているのだということがわかるんですね。

真ん中の絵は『ちきゅうに雪がふった』というタイトルの、小学校二年生が描いた絵です。雪が降った、一面真っ白になった、じゃあ世界中に雪が降ったら地球が丸ごと真っ白になっちゃうのかな、というような捉え方になっているのが面白いところです。

ただそういう風に捉えるだけなら大人都合の勝手な解釈を上からかぶせただけになってしまうのかもしれませんというところ、丸の中に描かれたぐしゃぐしゃの線が、雪を踏んだタイヤの跡のように見えるあたり、頭の中にあるイメージと現実に見えている目の前の風景が入り混じっている絵に見えてくるんですよね。

そうだとすると、知識云々とは別に、小学校低学年の時点でその目に見えている「世界」や「地球」って果してどの程度の規模のものなんだろうかというあたりにも想像が及びます。他ならぬ自分自身「かつては世の中『未だ見ぬものだらけ』だったんだよなぁ」なんてことを思わされもして、とても懐かしいものを感じました。

これは、同じく小学校2年生が描いた「おいしいたまご」というタイトルの絵です。

どういう前提があってこの絵が描かれたのかはわかりませんが、いつもお父さんかお母さんがおいしい卵料理を作ってくれるとか、あるいは自分自身が卵料理大好きだとか、そういう前提があるのであれば「卵割ったら自分の好きなものが全部出てきた」なんてことが夢に出てきたのかな?というようなことを思わせるような絵で、思わずほっこりですね。

実は絵を見る前に、山手234番館の管理をしているお姉さんに「小学生が描いた絵は大人の想像超えてきて面白いですよ」というような話を聞いたのですが、なるほどそういうことを言っているんだなと納得させられました。

『たまご』の真上に飾られた絵は、『楽しかったよ、リズムなわとび』というタイトルの絵で、楽しそうに見える女の子の間に、何やら複雑な表情をしている男の子がいるあたりがポイントです。楽しく飛んでいるうちに出来るようになるものの、色々飛べるようになるまでの過程には若干の誤差があるのが縄跳びの常ですからね。絵を描くにあたって、そういうところをしっかり拾えている(?)部分が中々楽しい一枚でした。

絵ではなく、工作の方でも、

小学校低学年の生徒の作品は、よく見ると鬼滅の刃のキャラクターがそこにいたり、

チップスターの空き箱を素材にそのまま使っていたりと、恐らくは自分の好きなものにそのまま直結しているのであろうあたりに、らしさを感じたりもします。作ってる時も楽しくて仕方なかったんだろうななんてことを、なんとなく想像させられるんですよね。

これが、小学校でも高学年になってくるとぼちぼち大人寄りに近づいてくるのが分かります。

小学校ってなんだかんだで6年間ありますからね。

中学や高校でも、1年生から見た3年生なんて大人そのものだったりするのが良くある話であるところ、小学校の6年間はその倍です。ある程度圧倒的な開きがあっても不思議ではないのでしょう。

この絵は、小学校4年生が描いた『ダレカ、元の時間へもどしてくれ』というタイトルの絵です。

大雨後か、台風後か、はたまた津波の後か、細部はわかりませんが深刻な災害に直面した後の夜、それも冬の景色でしょうか。

わかるといえばわかります、というかこの辺りになると少なからず大人でも考えることですからね。

「どうしてこうなっちゃったんだ」なんて、特に3・11の後にはどの位の人がそう思ったことかわからないような話しでもあるでしょう。

お兄さん(お父さん?)の傍には青いスーツケースのようなものが置かれ、お姉さん(お母さん?)の傍にはピンクのスーツケースのようなものが置かれているあたりも芸が細かいですが、強いて言うなら二人とも困った表情をしている、全景も寒々しい割にはただひたすら悲壮感が漂う絵になっていないように見えるあたりに「らしさ」を感じなくもないです。

「らしさ」というあたりからは、

小学校6年生が描いた『2年間のお仕事』というタイトルの絵や、

同じく小学校6年生が描いた『変わらない風景、感じる成長』という絵に目を惹かれました。

ウサギ小屋がある小学校って結構多い気がしますが、元街小学校にも校舎の隣にウサギ小屋があります。ウサギって、犬や猫同様、飼っているとかなり情が移ってしまうペットの代表格みたいなものですし、2年間もお世話していたら中々別れが辛くなりそうなところです。

「変わらない風景」は、そこにいる間はただひたすら同じように見え続けたとしても、いざそこを離れる時間が近づいてきたり、実際に離れてしまうことになると、変わらないが故に変わった自分を感じてしまうという、成長し続ける自分にとっての指針みたいなものですからね。

フリー画像にもボチボチ用意されているような、黒板に書かれた卒業式の寄せ書き絵がどこかドラマチックに見えたり、学園もの漫画の連載の最終回になんの変哲もない教室が描かれているだけで絵になったり、時間が経てばたつほどそれを強く感じるようになるという、中々不思議な風景でもあります。

ぱっと見のありふれた風景がタイトル一つでセンスの塊になってしまう、そういう絵を見れるのもユースギャラリーのお楽しみだったりしますが、今年は作品数が多かったこともあってか、元街小学校の展示は中々面白かったです。

 

アクセス(山手234番館)

横浜山手芸術祭・ユースギャラリー(西洋館公式サイト公式パンフレット

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