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【横浜山手芸術祭ユースギャラリー】フェリス女学院展示

みなとみらい線沿線の四季

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【横浜山手芸術祭ユースギャラリー】フェリス女学院展示

エリスマン邸会場:フェリス女学院展示

山手芸術祭・ユースギャラリー(西洋館公式サイト公式パンフレット)、元町公園内にあるエリスマン邸(公式サイト)で展示されていたのは、フェリス女学院の中高生の作品です。

前回のユースギャラリーでは、フェリス女学院の作品展示はイタリア山庭園内にある外交官の家の二階を会場としていましたが、今年は場所を移して、エリスマン邸の二階が会場となりました。

展示室に入ってすぐの位置に置かれていたのは、フェリスの夏服を着た女の子、バラの花、ルーフバルコニーのようなところから緑と青空と雲が描かれた三枚の油絵です。

油絵って、しっかり何層にも渡って色付けされているように見える分、さっぱり感とかかわいい感より、存在感とか威厳めいたものが伝わってくることが多い気がするのですが、その分、爽やかな絵はとことん爽やかにも見えてしまうというような、油絵一流の個性を持っているようにも感じます(特に一番奥に飾られた絵が、その魅力を持っているように感じました)。

三枚の油絵は、見方によってはどこか一つのストーリーで繋がっているようにも見えますが、こと”存在感”ということでは、無表情にも何か言いたげにも見えてくる女の子の絵が頭一つ二つ抜けていた印象です。ただでさえモノの中に人がいたら注意は人の方に向きがち、おまけにモデルが美人のお姉さんという効果もあってか、その印象がどこか頭の中に残ったままで前半の展示を見ていくことになりました。

三枚の油絵のすぐ隣、入り口右手に展示されていたのは、水彩(?)かコピック(?)っぽい画材で描かれた絵です。

どこかフェリス坂周辺の風景のようにも見える絵(右端の一枚)と、あとはタオルを頭に乗せた骸骨、紅茶の缶、花が刺された花瓶の絵ですね。

ぱっと見た瞬間に平日夕方位の元町付近が頭に浮かんでくるような一枚に、なんとなく美術の授業風景が浮かんでくるような絵が並べられているので、日常風景の中に織り交ぜられた非日常感という温度差が、なかなかにジェットコースター風味の一画となっています。

会場に入ってすぐ左を見たらセーラー服を着た髪の長い女の子(美人)、右を見たらタオルを載せられたガイコツ(頭部だけ)、ですからね笑。

結構パンチが効いているといえばパンチが効いている、どこかカオスを感じさせるようにも見える一画の真ん中に置かれていた一枚に、

ガラスの瓶が二つ描かれた絵がありました。一度なんとなく通り過ぎた後に二度見して「すごい!」となった絵です。

透明な”何か”に色を付けるって実は結構難しい事だと思うのですが、手前の瓶と奥の瓶でしっかり色味が違うんですよね。

単純に透明な瓶の色味が違うだけじゃなくて、手前の綺麗な瓶では瓶の向こうまでしっかり描かれている、瓶の向こうにタオルがあることも光の屈折率を考慮して(?)描かれているように見える上、奥で花が刺された花瓶は、中の枝の様子も描かれた上でリアルにくすんでいます。

タオルにもシワがあって影が付けられていることがわかるので、絵全体の立体感の伝わり方もばっちりです。同じことは紅茶の缶にあたった光の表現にもいえそうですが、そもそも絵全体の光源が一つじゃなさそうな中で、影も丁寧につけられています。

普通にプロの絵描きさんが描いた絵のようにも見えてくるというか、この絵を部屋に飾っているだけでも部屋がオシャレに見えて来そうなんですよね。

ということであらためて4枚の絵をよく見てみると、

4枚それぞれ、微妙に作風というかイメージが違うこともわかります。

左から順に、生前はさぞかわいかったのであろうことを想像させるガイコツ、その隣はなんとなく生前のイケメン風味を感じさせるガイコツ、一番右端に置かれた日常風景を描いた絵と相性ばっちりにも見える絵、今現在のその場にあるがままをソフト目な表現でリアルに描写したガイコツ、ですね。

こうなると、そこにあるのがガイコツだった理由が気にならなくもないですが、その部分には理由らしい理由が無かったとしても、結果として発表自体が膨らんでいることに、見ていてすごさというか楽しさを感じました。

そういえば前回の発表を見たときにも似たようなことを感じた記憶がよみがえりますが、ぱっと見ですごいということが伝わる作品と、何度か見た後で凄いということが伝わる作品が混在しているあたりが、フェリスの展示発表の持ち味なのかもしれませんなんて改めて感じました。

文章表現ではないので行間とはいわないかもしれませんが、作品が持つコンテクストに深み(というか本来のコンセプトと併存する別の個性)があることを感じ取れるように思える作品が多い印象です。

それもこれも、組み合わせの妙なのでしょうか。

発表の全部が全部ではなく、必ずどこかにそういう一画が潜んでいるというような、見る側としたらそれはそれでお楽しみの一つになりそうです。

イーゼルに立てかけられた絵の前のスペースでは、

小さいスケッチブックに描かれた”校内スケッチ”が展示されています。

絵葉書よりちょっと大きめサイズの、絵が描き好きな人であれば簡易水彩セットとか色鉛筆セットと一緒に持ち歩いた上で、思いついた時にさらさら描けちゃう感じのスケッチブックですね。

ひたすらリアルに描かれた絵があったり、イメージ混じりかな? と思える絵があったり、ぱっと見がとても華やかな一帯でした。

隣の部屋の展示は、Jpopの歌詞やエッセイの一節のような言葉が刻まれた切り絵と、

超絶ハイクオリティのペーパークラフトの展示コーナーです。

どちらも一つ一つをしっかり見ていったら、結構な時間楽しめることになるのが請け合いな作品群です。絵やイラストというよりはデザイン関係の知識がベースにあるのでしょうか、ということを感じさせる切り絵の方は完成度共々、そこに選ばれている言葉にも味が宿っているのですが、ボカロ曲の歌詞が挙げられているあたりには結構時代を感じました。

今はボカロの作曲者(ボカロP)やネットの歌い手出身の歌手が紅白に出るような時代ですからね。

ペーパークラフトについては、その一つ一つを作るのにどの位の手間がかかったんだろう、なんてことを感じさせる完成度を持った作品が所狭しと並べられているあたりも圧巻です。もうちょっと広いスペースを取っても良かったんじゃないかなと思えるくらい、密度の濃い空間になっていました。

 

アクセス(エリスマン邸)

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