地方・地域の話題(書評)

【まんがレビュー/地方・地域の話題】瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え』

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瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え』(芳文社、月間「まんがタイムオリジナル」で連載中)

概要

ジャンル 静岡県のローカルネタまんが。2020年3月現在、単行本で5巻まで既刊(まんがタイムオリジナルで月間連載中)。
登場人物等 東京から出身地である静岡に転職で舞い戻った有野(ありの)りん子さんと、その職場の同僚たちの毎日が、静岡ネタを中心としてコミカルに描かれています。

 

あらすじ/感想

ローカルネタが売りになっているという部分ももちろん作品の個性なのですが、漫画の世界にうまく馴染めると、それ以外の雰囲気にも魅力を感じるようになっていきます。

というか、案外「それ以外」に魅力を感じるからローカルネタの世界にも引っ張られる、なんて人も少なくないのかもしれません。

「それ以外」って、要は登場人物たちの個性とか、あとはその個性と個性の絡み合いが作る空気、間のような部分ですね。

基本的には4コマなんだけど場合によっては8コマ、12コマetcで流れが作られていたりするので、キャラの個性や個々の関係が、原則として静岡ネタを通じてきちんと掘り下げられていく様子をゆっくり見ていくことが出来ます。

ただし、その個性豊かなキャラたちは、「面白い掛け合いを見せてくれる」と感じる以前に、若干癖のあるキャラたちだという映り方をする部分もあります。

特に読み始めの頃ですね。

まず、ヒロインであるりん子さんにしても、有能といえば有能なんだけどいまいち報われていないというワケアリ設定のヒロインで、ラブコメ等で出てくる一般的なわかりやすいヒロインとはやや毛色が違います。

というか少々(?)とっつきにくいです。

それを言うならむしろりん子さんのお母さんであるらん子さんの方が、より多くの読者に受けそうなタイプに見えたりします。

さすがにマンガのヒロインなので、当然の如くルックスは作中でもトップクラスなのですが、外面を愛でさせるために登場させたというよりは、どうか内面を吟味してくださいという感じに描かれている嫌いがあります。

どちらかというと、より深い部分では主に女性読者の共感を集めそうなタイプなのかもしれませんが、デキるタイプの女性社員という位置づけで、かなりつんつんしています。

学生時代のあだ名は「委員長」、ツンデレではなくひたすらツンツンなのですが、クールだったりドライだったりコツコツ真面目にありさんタイプだったりのわりには、実は親切だったりいい人だったりで、ちらほらと感情の推移が表情に出てくるあたりが良いです。

まぁ、そんな「委員長」りん子さんが中心となって静岡ローカルネタが展開されるわけです。

何かの本にも書いてありましたけど、そもそも静岡って、言われてみると日本の中でも有数の「日本らしい」県じゃないかと思ったりもするんですよ。

北陸エリアでいうところの、新潟に近いイメージですね。

広さ的にもそうだし、それぞれ「東海」「北陸」のくくりでは、3県だとはじかれ、4県だと含まれるなんてあたりもそのまんまです。

静岡ローカルネタ共々、キャラ同士の掛け合いも含めて、次巻(6巻)の発売が楽しみです。