【blog/小説レビュー(全巻)】里見蘭/三田紀房『小説ドラゴン桜』(講談社)

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【blog/小説レビュー(全巻)】里見蘭/三田紀房『小説ドラゴン桜』(講談社)

特進クラス始動編(2005年)

東大入試が簡単かどうかはさておき、講師側、生徒側、それぞれの「受験」に後に引けない事情があることが紹介されるあたりから、引き込まれていきます。

弁護士講師・桜木の極論も、肝心な部分は大体合ってるのではないか、と思えるあたりがポイント。

キャッチーな構成もあってか、気が付くとのめりこんであっという間に読み終わりました。

 

カリスマ教師集結編(2006年)

小説版二巻では、主人公たちの通う龍山高校の再建がストーリーの柱となります。

元々、龍山高校の実績が悪い意味でヤバイ→だったら東大合格者数で宣伝して生徒を集めよう!というのがスタートにあった条件だったのですが、龍山高校の場合は「ヤバさ」の度合いが尋常ではなかったというところで、2巻では桜木が苦労することになるんですね。

全てが終わってしまうかどうかのギリギリのところで弁護士・桜木が活動する傍らで、学校の命運を背負って東大を目指す元・劣等生二人と伝説のカリスマ講師、さらにはいらんこと始めてしまう教員幾名か。

結局のところ主人公サイドの主要人物に悪い人は誰一人いない、その上でかゆいところに手が届くような気持ち良い筋書きは、安心して読めた上に読んでいて心地良さもあります。

この筋書きは果たして「タニシ」(元・劣等生サイドの人間)を敵と判断するのか味方と判断するのか。そんな楽しみも増えながら、引き続きまたしてもあっという間に読み終わりました。

 

挑戦!東大模試編(2006年)

小説版三巻では名物講師の一群に理科の阿院先生が加わって、いよいよ臨戦態勢へと向かっていく事になる一同。

思えばモーニングで連載されていた頃は、英語講師の絵柄に耐えた後にこの阿院先生の扉絵を見てノックアウトされ、以降扉絵を見るのもイヤになった一作だったなぁ、なんてことが少々懐かしく思い出されます 笑。

しかし、小説版ならその辺は一切無問題です。

初の模試受験やその後のキーパーソンとなる大沢君の登場、さらには閉校を逃れ一転反攻に出る龍山高校の経営事情など、嵐の前の静けさに包まれた章です。

 

メンタル超革命編(2007年)

前巻タイトルとなった東大模試受験が、小説版四巻「超革命」編のOPです。

進学校の優等生・大沢君と付き合いだしたヒロイン水野さんの心の葛藤や、これまではとにかく青臭いイタさのみが目立ってきた教師・高原の本当のところが描写されたり、ママコは割とそのままとはいえその昔の桜木が回想されたりと、それぞれの内心がメインテーマになっている巻です。

 

魂のエンジン編(2007年)

矢島くんが合格する一方で、最後の最後まで波乱万丈だった水野さんが不合格という小説版のエンド。漫画版だと真逆らしいですが、概して現実でありがちなのは漫画版エンドだ(カップル受験生や異性の親友受験生は、往々にして女子合格、男子不合格となる)とはしばしばいわれるところです。

しかし、ここは二人とも合格してほしかったなぁ・・・とは思いました。

何気にあの高原先生にもハッピーエンドが待っていた、しかもそのエンドに共鳴できてしまうというのは名作の魔力(?)なのかもしれません。

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