まんがレビュー

【書評/まんがレビュー】あおざくら

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二階堂ヒカル『あおざくら』(2020年4月現在、週刊少年サンデーで連載中)

実家が定食屋さんでそんなに裕福な方ではない、かつお金にうるさく勉強が出来る(=勉強大好き)という主人公の近藤勇美くんが、色々あって防大を志し、防大生となるところから話しが始まります。

近藤くんが防大を目指すにあたっては、経済的な部分もさることながら、社会や将来に対しての問題意識の持ち方からの決断だった部分が大きいのですが、合格の悦びや入学後の感動もつかの間、早速地獄を見ることに。

一年生地獄、最終学年神みたいな序列は割と体育会の世界あるあるですが、防大にもまさにそんな世界があるのだということで、理不尽極まりない縦社会の中で、入学後ほどなく、一から鍛えられる日々がはじまるんですね。

日常生活部分の描写については、ネットでのレビューなんかを読んでいると、「大体合ってる」とか「それでもまだまだ全然綺麗に描かれている」とか、多少なりとも実態を知っている人たちによって色々な感想が描かれていたりします。

人によっては色々思うところが出てきたりもするのでしょう。近いところにいればいるほど、些末な部分のリアリティが気になったりもしますからね。

ただし防大について知っていることと言ったら所在地と制服と棒倒し位だという程度の、僕のような人間が読んでいく分にはとても面白く描かれています。

基本的に防大は「大学校」で、所轄が文科省ではなく防衛省、学生でいることによって給料も発生するという、普通の学校と同じではない面もあるのですが、それでも学生は学生です。

ただし、学校として目指すところが明確になっている分、学生生活が格段に引き締まっているんですね。

隣の芝が青いだけかもしれませんが、この辺はとても羨ましく思えてくる部分でもありました。

そもそも全寮制、授業を制服で受けて、日中の予定は全て分単位で刻まれ、課外のクラブ活動も必須と、まぁ、学生でいることが仕事みたいな毎日が用意されているわけです。

でもそんな毎日にも華はありますよと言うことで、同期にかわいい女子学生がいたり、その女子学生とのやや友達以上寄りの関係が描かれていたり、防大好き女子からは(実質主人公の近藤くんのみですが)モテモテだったり、漫画一流のという部分も含めた色も添えられています。

日々の厳しい学生生活、例えば滅茶滅茶厳しい先輩とのやり取りだったり、長期の休みに入る前の盛り上がりだったり、遠泳だったり、食い合わせの悪い同期とのやり取りだったり、長期の訓練だったり、開校祭に向けた気持ちの高まりだったり、棒倒しに臨む気持ちの高まりだったり等々と、防大の年中行事を通じたドラマには、そんな華も添えられつつ進行します。

現在の最新刊は16巻、ここで近藤君とその同期の1年生生活は終わりを迎えるのですが、卒業式直前に不慮の事故にあって大けがをしてしまった滅茶苦茶厳しい先輩=坂木先輩たち4年生は、晴れて卒業していきました。

これでようやく近藤君たちも二年生ということで、漸く防大生活本編がはじまります、なんて感じのところですね。

サンデーの連載を読んでいないのでこの先の展開はわかりませんが、次の巻から始まるであろう新展開を前に近藤くんの「両手に花」状態で巻を閉じるという、嵐の前の静けさ的なところまで、話しが進んでいます。