西村京太郎著作選(書評)

【書評/西村京太郎著作選】『十津川警部とたどる時刻表の旅』

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【ブックレビュー/西村京太郎著作選】『十津川警部とたどる時刻表の旅』(2012年、角川oneテーマ21)

概要

ジャンル 「旅」がテーマの新書
あらすじ 旅好きに、鉄道好きに、西村京太郎が『寝台特急殺人事件』以来、35年にわたり自身の創作活動をベースに、列車旅の楽しみを伝授する。時刻表に隠された謎、路線・列車情報を駆使した取材術、イベントや駅グルメの情報収集など、「時刻表とは事典である」と語る著者ならではの、エピソードとノウハウが満載。著者が生んだ名探偵、十津川警部が全国津々浦々を飛び回る姿も収録した、鉄道と旅をもっと楽しむための究極ガイド、ついに刊行。(「BOOK」データベースより)

感想

トラベルミステリ同様、サクサク読み進めることが出来る一冊です。

旅行のヒント本であり、トラベルミステリ紹介集であり、取材の要諦紹介であり、取材失敗談でありという、ファンなら必携の一冊みたいな要素を持っています。

ファンではなかったとしても、旅行のヒントが欲しい、なんて場合にはその役目を果たすことがあるかもしれない一冊ではあると思います。

「特にどんな旅行が好きなのか」という部分で、例えばいい具合に寂れていて郷愁を感じさせるような小さな漁村や、その村に似合いのローカル線、さらには両者につり合いの取れた秘湯、西村京太郎さん的には国内旅行でこういうスポットが醸す風情を巡るのがたまらなく好きだということが繰り返し説かれています。

欧州へのパック旅行が売りとしているような「豪華絢爛を巡る旅」というのももちろんたまにはいいものかもしれませんが、日本人の心の奥底に眠っている感情に訴えかけてくるような旅としては、どちらかというとその真逆というか、質素さや素朴さの中にある温かみ、みたいなものを好む傾向も強いと思うんです。

改めてトラベルミステリ読みなおしてみようかな、なんて気分が高まってくると同時に、読み終えるとどこかにふらっと旅に出たくもなってくるというような、そんな一冊でした。

ちなみに、終章は駅弁紹介をはじめとした「旅グルメ」で締められています。