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【書評/温泉ガイド】『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』

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佐々木政一『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(中公新書ラクレ、2018年)

概要

ジャンル 温泉雑学
テーマ 温泉を楽しむための一冊です。著者お勧めの秘湯20選、温泉の入り方、温泉の歴史、さらに温泉文学、温泉のルーツ等。

 

あらすじ/感想

「縄文人が温泉巡りのための道を持っていた」ことや、神様ゆかりの温泉が紹介されていたり、動物(ツル、シラサギなどの鳥類から、キツネ、タヌキ、熊、イノシシといった哺乳類まで)が温泉の効能を人間に教えてくれました、というケースが紹介されていたりと、日本人にとっての温泉を、まるごと一冊にパッケージしてみましたといった内容となっています。

三古湯として紹介されている愛媛の道後温泉、兵庫の有馬温泉、和歌山の白浜温泉は全てが日本書紀で触れられている、万葉集でも謳われているというエピソードが紹介されている他、三古湯以外の万葉集ゆかりの温泉についても一括して「万葉集ゆかりの温泉」として触れられているなど、旅情に満ちたくだりにも力が入っています。

温泉文学の項では、取り上げられる作品に近代のものが多いせいか、「温泉地を通じたその時代」を思い起こさせられるような気分になります。

「新書風の温泉事典」とも呼べそうな一冊は、読み返しでさらに味が出て来そうですが、温泉好きで、既に温泉地の「観光ガイド」的なものには習熟している場合、お勧めの一冊です。