江ノ電沿線のアジサイ寺
about 長谷寺
江ノ電・長谷駅(江ノ電で鎌倉駅から3駅目の駅です)から徒歩圏内にある鎌倉有数の古刹・長谷寺は、天平8年(736年)、聖武天皇の時代に創建されました。
北鎌倉の明月院と並ぶアジサイの名所として有名ですが、長谷寺は平成の初め以降、アジサイの名所となったようです。アジサイに限らず様々な花が咲いているのも境内の特徴で、その華やかな様子は”鎌倉の西方極楽浄土”(西方極楽浄土=阿弥陀如来がいるとされる、西の方角にある仏教の世界の聖域)と謳われています。
参考
あじさい路へ
長谷寺の名物であるあじさいが咲くエリアは、公式サイトで”眺望散策路”とされているあじさい路沿いに位置しています。長谷寺は明月院に比べて境内が広く、その分見どころも多いのですが、入場門からあじさい路までの間にも、長谷寺一流の魅力を持つエリアが続きます。
良縁地蔵と卍池、お地蔵さん
あじさい路までの道すがら、苔むした庭園内には”良縁地蔵”が置かれていますが、良縁地蔵スポットは境内に三か所あるようです。
長谷寺一流の個性ということでは、元々水子供養でも有名なお寺だという背景もあってか、境内にもとにかくお地蔵さんがたくさん置かれているので、
幸運を意味する「卍」の名がつけられた卍池傍にも地蔵堂がある他、名物のあじさいエリアに入る前の時点で、これでもかとばかりの数のお地蔵さんを目にします。
阿弥陀堂と観音堂、観音ミュージアム
地蔵堂のそばには、源頼朝が自身の厄除けのために作ったといわれる”阿弥陀如来”が置かれた阿弥陀堂があり、
阿弥陀堂の隣には、長谷寺の本尊である長谷観音が置かれた観音堂があります。
初代観音堂の創建は736年(天平8年)ですが、現在の観音堂は関東大震災からの復興と、その後の再建を経て、昭和末期に建てられたものだとのことです。
観音堂の内部(撮影禁止です)には観音様が祀られている他、観音ミュージアムへの入り口もあります。
長谷寺境内にはお線香をあげることが出来る場所が何か所かありますが、
観音堂前もそのうちの一か所です。
(-人-)
長谷寺”あじさい路”
長谷寺・見晴台
あじさい路の手前には見晴らし台があります。観音堂や観音ミュージアムのすぐ隣に位置していて、由比ガ浜や材木座海岸の先にある葉山や逗子の海岸線が一望できます。
この付近からも相模湾や三浦半島を臨めますが、
入り口手前ではモミジの木々が生い茂っています。
参考
アジサイの季節のあじさい路
開門から一時間と少しが経過した、9時過ぎのあじさい路の様子です。これでもまだ空いている方ではあるのですが、それでも人の流れが途切れず続きます。
遊歩道の両サイドでは、例年通り、色とりどりのアジサイが咲いています。
長谷寺のアジサイは、あじさい路すぐ近くから視界の切れ目まで、
延々と色とりどりに咲き乱れている様子が印象的です。遊歩道の高低差によって視界の奥へとアジサイが広がる様子は、上り方向を見ても、
反対に下り方向を見ても確認できます。
ほぼ同じ目の高さ、手の届く距離で”明月院ブルー”を楽しむことが出来るという明月院のアジサイとは好対照をなしているのが魅力ですね。
参考
あじさい路からの景観
あじさい路のクライマックスは、最上部に来た時に、あじさいの向こうに臨める風景です。
アジサイの向こうには、由比ガ浜の海岸線や、
さらには三浦半島の様子も視界に入って来ます。
あじさい路から先へ
経蔵
観音堂や観音ミュージアムのすぐ隣には、中に一面の”マニ車”(主にチベット仏教で使われる仏具)が備え付けられた経蔵があります。
壁に埋め込まれた滑車のようなものが”マニ車”で、中には漢文とサンスクリット語で書かれた般若心経が収められているようですが、マニ車を回転させることで、その経典を唱えるのと同じ功徳があるといわれています。
毎日回すことが出来る”マニ車”に対して、特定の日のみ回すことが出来る、蔵の中央に置かれた書架は輪蔵と呼ばれます。
弁天窟
その昔、弘法大使が参籠した(窟内に籠った)といわれる弁天窟です。
長谷寺は、聖武天皇の時代に勅願所(時の天皇陛下によって作られた、国の安泰を祈念するための場)としてはじまったことにその起源がありますが、由緒の一つにあたるのが”弘法大使が参籠した”とされるこの弁天窟です。
弁天窟内には宇賀神(人の頭と蛇の体を持つという、民間信仰の神)が祀られている他、窟の名前にも付されている弁財天が祀られています。
道が狭く、天井も低い弁天窟内には、
弁財天を奉納できるスペースも設けられています。
書院と枯山水
長谷寺の書院は、平時であれば自由に写経が出来る場となっていますが、ここで一般の参拝者が写経した用紙が、観音堂傍にある経蔵に収められているようです。
書院前には枯山水の庭園がありますが、
写経はこの奥にある書院で、一般にも開かれる形で行われています。
参考
なごみ地蔵
順路に沿って境内を散策した場合の終点付近では、なごみ地蔵が出迎えてくれます。混雑時には撮影待ちの列が出来たりもするという、中々の人気者です。