青春18きっぷと第三セクター鉄道
about 青春18きっぷ
“青春18きっぷ”は、全国のJRの普通・快速電車が一定期間(3日間or5日間)乗り放題となるチケットで、全国のJRの主な駅(切符売り場がある駅の窓口or指定席券売機)、およびみどりの窓口や駅たびコンシュルジュ等にて購入可能です。
切符自体の詳細については、別記事にてまとめました(※)。
以下、いわゆる第三セクター鉄道”について続けます。
参考
- 【JRグループのお得切符】春・夏・冬休みの定番チケット、青春18きっぷ(※)
- 【JRグループのお得切符/18きっぷの利用法】オプションチケットと、”18きっぷ”で乗れる電車(※)
- 【JRグループのお得切符/青春18きっぷの利用法】特例区間と、電車以外の利用 -BRT、フェリー-(※)
鉄道会社の区分 -国鉄、JR、三セク鉄道-
“セクター”とは?
第三セクターのいう“セクター(sector)”とは、語義的には「分野」「領域」等を意味しますが、この場合、主には「誰が所有者となっているのか」を示す社会経済学等での区分として用いられ、
- 第一セクター:国や地方公共団体などの公的組織
- 第二セクター:民間企業・個人
- 第三セクター:官民共同
と定義されます。
戦前の鉄道省の事業を引き継ぎ、かつ現在のJR各社の母体となった国鉄(日本国有鉄道)は、いわゆる“第一セクター”の特殊法人に該当します。
“三公社五現業”(後述)の一組織として、国の直接的な管理下に置かれていました。
これに対して“民営化”されたJR各社は第二セクターに該当しますが、一般的な私鉄(ex.東急、小田急etc)もこの”第二セクター”に区分されます。
三公社五現業
公社・現業は、
- 公社:公益目的で国や地方公共団体が設立・運営に関与する組織
- 現業:現場での業務(主に肉体労働などの実務)
と定義されますが、三公社五現業の内訳は、
- 三公社:国鉄(現JR)、日本専売公社(現JT)、日本電信電話公社(現NTT)
- 五現業:郵政、国有林野、印刷、造幣、アルコール(工業用)専売
です。
五現業の“印刷”は切手や証券、紙幣など、現金やそれに替わりうるものの印刷を、“アルコール専売”はアルコール(工業用)の独占製造・販売その他を意味します。
かつてはこのそれぞれを国が一手に担っていたのですが、昭和末に民営化された三公社同様、
- アルコール専売:昭和末に見直され、平成期に民営化
- 印刷・造幣・郵政:いずれも平成期に独立法人化・民営化
という形で「国営」が終了しています。
例外として国有林野についてのみ、現在も一部=国有林事業が林野庁、つまり国の管轄に残されています。
参考
三セク鉄道と、乗車時の注意点
第三セクター=”三セク”鉄道
元・第一セクター、現・第二セクターのJRから一部路線を引き受け、その経営に地方公共団体と民間企業・個人が関与する形となった鉄道は、官(地方公共団体等)・民(その他民間企業・個人)双方が運営に携わっているということで、第三セクター鉄道に区分されます。
東北・北陸新幹線開通と同時に開業した地方鉄道などが、まさにこのタイプの三セク鉄道ですね。
元々はJRの路線であっても現在はそうではないため、三セク鉄道乗車時には原則として18きっぷは利用できませんが、三セク鉄道区間を経由してJR駅からJR駅へと進む場合には18きっぷが利用できる「こともある」という、例外規定が設けられています(※)。
参考
“18きっぷ”利用は原則NG
JR以外の第三セクター鉄道や私鉄、公営地下鉄、路面電車、モノレール等々については、“18きっぷ使用NG”が原則となります。
ただし、例えば三セク鉄道とJRが共同で”地域限定・お得切符”を発売しているというケースもあるにはあるほか(※)、ほぼ全ての三セク鉄道・私鉄で”お得切符”が企画されていることから、18きっぷを使った乗り鉄旅であったとしても、往々にして旅先の三セク鉄道のお得切符チェックが必須となります。
- みなとみらい線+JR根岸線=ヨコハマ・みなとみらいパス(※)
- ほくほく線+えちごトキめき鉄道+JR各線=えちごツーデーパス(※)
参考
- みなとみらい線全駅/直通運転/沿線他社路線情報他
- JR東日本公式サイト “えちごツーデーパス“、”ヨコハマ・みなとみらいパス“
