見晴茶屋、樫木坂のロケーション
見晴茶屋
猿滑坂を過ぎて
県道732号線(旧東海道)上、追込坂を経て猿滑坂を通過すると、”甘酒茶屋”前同様なだらかなくだり坂がしばらく続きます(写真では、低地側から高地側を振り返っています)。
湯本側から芦ノ湖方面に向かう場合。
この辺りから猿滑坂にかけてのエリアが「これでほぼ登り切った感じかな?」を感じさせる一帯でもありますが、
芦ノ湖方面から湯本方面に向かって歩いた時は、いわばその”傾斜のなだらかな下り坂の果て”に出てくるのが、箱根登山バスの見晴茶屋バス停です。
ちょうど、七曲のすぐ真上あたりに位置しています。
見晴茶屋の今昔
“見晴茶屋”は、その名前から察せられるように現在でも見晴らしが抜群の休憩所となっていますが、
旧街道時代は箱根八里随一と言われた難所・樫木坂を登り切った直後の場でもあったということで、その感動もひとしおの物だったことが察せられます。
眼下には現在の箱根(というよりは県道732号線)名物”七曲”が望めますが、この付近はかつての見晴茶屋跡地で、一帯は樫の木平と呼ばれていたようです。
2025年秋現在、見晴茶屋跡地では、日本そば・日本料理の”兎月”が営業中です(兎月公式サイト)。
見晴茶屋に残された石碑
樫の木平の見晴茶屋跡地には、いくつか石碑が残されています。
“県道湯本元箱根線道路完成記念”とありますが、他ならぬ県道732号線の開通を祝して作られた石碑です。
こちらは“箱根八里記念碑”、小澤征爾さんの言葉が刻まれた碑です。
この碑の他、いわゆる箱根八里に全部で8つあるようですが、ちなみに箱根八里とは、旧東海道の小田原宿から三島宿までの8里の区間を指します。
小田原宿・箱根宿間の4里、箱根宿・三島宿間の4里、すなわち箱根を中心とした計8里の難所のことですね。
七曲と樫木坂
県道732号線上、見晴茶屋付近から西海子(さいかち)坂付近の間には、俗に“七曲“と言われるヘアピンカーブの連続道があります。
良くも悪くも箱根らしい道で、車”だったとしても”難所の一つにあたりますが、
この七曲沿いにあるのが、箱根八里有数の難所である樫木坂への入り口です。
七曲は写真右側、写真左の階段から進む坂道が樫木坂です。
樫木坂は、七曲の上部に位置しています。
その昔は“樫の木の さかをこゆればくるしくて どんぐりほどの涙こぼるる”と謳われたほど、キツい坂道となっていたようです。今の七曲を見てもある程度の察しはつきますが、その昔箱根八里が東海道一の難所だと言われた故が、まさにこの樫木坂にあるということのようです。
箱根登山バスの旧街道線(公式サイト)”樫木坂”バス停は、
七曲の丁度真ん中付近に置かれています。
当初の予定としては、このまま湯本方面までさらに歩いて下るプランを持っていたのですが、あろうことか箱根の山道のどこかでフリーパスを落としてしまったため、残念ながら湯本方面へ向かう”旧東海道歩き”はここで強制終了となりました。