駅舎の外へ
国道291号線へ
土合駅前

なかなか凝ったデザインの駅名標が掲げられていますが、これは地上階へと伸びたモグラの巣穴か何か、あるいは土合駅名物・486段の階段がイメージされたものでしょうか。

ともあれ、年代物の駅舎を出ると、駅周辺は山に囲まれていて、

山小屋風の駅舎を持つ土合駅の背後も山。向かって左側にはホーム地下階からの連絡通路が見えていますが、

その連絡通路に沿って広がる駅前にも、結構なスペースが広がっています。
日没後には降るような星空が楽しめそうでもありますが、一帯はツキノワグマの出没エリアにもあたるようなので、その点には十分な警戒が必要です。
国道291号線

土合駅の前には国道291号線が通されています。
駅を背にして左側への道は上り方向・水上駅方面へと伸びていますが、やがて国道17号線へと合流し、群馬県の中心部へと向かうことができるルートですね。

同じく国道291号線、土合駅を背にして右側方向には、すぐ目の前に”モグラ駅”への連絡通路が歩道橋の形で伸びています。
方向的には谷川岳や”点線国道”区間方面、すなわち群馬県内から新潟県方面への道ですが、
車両での通行は、一ノ倉沢付近で通行止めとなります。
谷川岳山中・一ノ倉沢バス停付近で点線国道となった後、新潟県の南魚沼市(直路城跡登城口付近、地図中で一ノ倉沢の北方向)で車両通行路が復活するという、いわゆる“酷道”区間手前の国道ですね。
点線国道とは「階段国道」などを含む国道の中の車両通行不能区間のこと、酷道・険道とは、元々は単に国道や県道の道路状況の厳しさへの皮肉として始まりつつ、今となってはそこにある意味ポジティブな価値(通行時のスリルや通行難易度etc)が見出される形で定着した表現です。
それでは、点線国道=酷道なのか、それとも点線国道≒酷道なのか、あるいは点線国道≠酷道なのか。
「悪路ではあるが最低限車では走れる区間」であると捉えるか、それとも「悪路区間全般」であると捉えるかによって酷道と点線国道の関係性も変わってきますが、差し当たり291号線の点線区間は国内最難関クラスの「酷道」とされることもあるようです。
土合駅前バス停

土合駅を出た後は、そのまま国道291号線沿いにある土合駅前バス停(ジョルダン)へ。
すぐ隣に見えるこじゃれた山小屋風の建物は、“tas + MINAKAMI GLAMPING PARK ando cafe”(公式サイト)という、22年12月にオープンしたグランピング施設です。
双方とも、駅の目の前、ほぼ正面に位置しています。
このバス停と谷川岳ロープウェイ駅(ジョルダン)との間を結んでいるのは、関越交通(公式サイト、ジョルダン)の水上線(関越交通公式サイト)ですが、ここで次の目的地である谷川岳ロープウェイ乗り場(ベースプラザ)へ向かうためのバス待ちをしました。
土合駅前バス停にて
まだバスが来るまでに少々時間があったので、バス停の土台となっているコンクリートに腰を下ろして一休み。
付近一帯はたまに291号線を走る車が通過する程度で、ほぼ人がいません。
人の気配はするものの実際には人がいなかった、という雰囲気だったことから、実にいい感じのリラックスタイムが到来しました。

とはいえ、この日も日中は延々真夏日であり、どこで過ごしたとしても、外に出ている以上、汗が止まる理由がないという状態でした。
もうほんの少しでも暑さが和らいでくれたら申し分なかったという、そんな気候であり環境です。
階段上りによって噴出した汗は流石に収まりつつあったものの、ここで改めて「土合の階段で相当足腰をやられてしまった」ことを実感させられたため、谷川岳からの帰りを1時間早めて、再度水上駅スタートのプランを組むことにしました。
言い方を変えると「改めて、下り土合駅の利用を回避したプランを組むことにした」ということではありますが、やはり運動不足は可能な限り可能な範囲で解消しておくに限りますね。

等々と思いを巡らせつつ、改めて土合駅への入り口をよくよく見ると、砂利道の入口には“JR 土合駅”の門柱が建てられています。
山小屋風の駅舎に木の幹のような門柱、さらには砂利道の敷地内と、キャンプ場風味のトータルコーディネート感がなんとも小粋です。
谷川岳ベースプラザへ

自然に囲まれた山道の木陰にて、旅の道中、一人のんびり時間潰し。
そんな“夏の青春18きっぷ旅”ど真ん中付近の時間を満喫しながら、しばしの時間バスを待ち、

やがてロープウェイ駅行きのバスが到着すると、

約10分程度の乗車の後、谷川岳ベースプラザへ到着しました。

