夏の天神平
駅周辺の様子

終着駅である天神平駅を出ると、すぐのところから360度の絶景が広がります。

駅舎の正面には山頂方面への風景が、

すぐ傍には、ここが登山道の一部に該当していることを思わせる道しるべが置かれていて、

はるかかなたには、目線より少し下に夏の雲が広がっています。

駅を背にして右側に位置するのは、展望台行きのリフトです。
ギリギリ営業中の時間だったものの間もなく営業終了ですという、かなり微妙な時間に到着したこと自体は残念だったのですが、とにかくロープウェイ下車後の爽快感がすごかったです。
アウトドアの延長で登山にハマる人たちの気持ちがわからなくもない、「この世界を知ってしまったら、もう帰れないだろうなぁ」といった、全てを浄化してもらえそうな雰囲気も感じ取れました。
展望エリアへ

駅のすぐ横には展望エリアが作られているのですが、ここから目に入るものすべてが“夏真っ盛りの自然のど真ん中”を感じさせてくれます。

赤とんぼ=アキアカネは、6月ごろに平地の沼地等でふ化した成虫が、夏場に涼を求めて高山へと移動する習性があるので、高地で見る赤とんぼは夏真っ盛りを意味します。夏場に高地で飛び回った後、秋になると今度は再び平地に降りていく習性から、よく知られる”秋の風物詩”となるんですね(参考:HONDA公式サイト “アキアカネ“、日本自然保護協会 “今日からはじめる自然観察「赤とんぼさがしにでかけよう!」“)。

遠くに見える山々の説明とともに、山中にて咲いている珍しい花も紹介されています。登山家の方たちが山登りや沢登りの様子を動画やブログにまとめる際、しばしば被写体となっているような花たちですね。

山の日(林野庁公式サイト “山の日“)制定とぐんま県境稜線トレイル(公式サイト)開通記念に作られたという、“安全登山の鐘”です。
- 山の日:平成28(2016)年以降、8月11日が「山の日」として国民の祝日になりました
- ぐんま県境トレイル:群馬、長野、新潟の県境に作られた、約100キロに渡る国内最長の稜線登山道
お試しで鳴らしてみましたが、結構いい音でした。

群馬・新潟の県境に位置する稜線方向です。
いわゆる”谷川岳”方面ですね。
この山々の遥か下に、関越自動車道、上越新幹線、上越線が、それぞれのトンネルを経由する形で通されています。
登山道入り口付近

この先は、登山ガチ勢の方々のための登山道です。
自然のあるがままをどれだけ元の姿のままとどめておけるか、という部分がよりシビアに評価されることになるこの先の道では、“サービス”の質も当然変化します。
谷川岳の本当のところを知りたければこの道の先を進んでくださいという、そんな道ですね。
ロープウェイの天神平駅傍から始まるこのコースは、登山初心者でもチャレンジできるという、比較的難易度の低い“天神尾根コース”です(YAMA HACK “谷川岳コースガイド|天神尾根往復コース“)。

“初心者でも大丈夫”とはいっても、それはあくまで常日頃からきちんと登山に向けて体を作っている上、無理のない登山計画を立て、登山用の装備をした上で当日を迎えたというような場合にはGOサインを出せますという話しであって、一介の登山素人がノープラン・準備無しでも登れますという保証ではありません。
鎖場あり、岩場あり、木道ありという感じでガッツリ登山することになるあたり、そこはやっぱり初心者OKとはいえ「音に聞こえた谷川岳」なんですよね。

むき出しの岩場のようなゴロゴロした石がそのまま残されているあたりもまた、風情でしょうか。

一旦登り始めると、適度な険しさに煽られるかのように登り続けてしまいそうな魔力があるようにも感じますが、きちんと登れるものであれば、いつかその機会とスキルが同時に備わった時にでも改めてチャレンジしてみたいかもしれない、なんてことを想わせるには十分な入り口付近でした。

