この記事を読むのに必要な時間は約 5 分39秒です。
【青春18きっぷの旅/二日目】日本海ひすいラインと信越本線からのオーシャンビュー
“ひすい”と日本海ひすいライン
JR松本駅からリゾートビューふるさとに乗って、南小谷駅まで。
南小谷駅界隈での昼食後に、大糸線で糸魚川駅まで。
この行程で山間部を抜けた後、糸魚川からは元・JR西日本の北陸本線、現在は官民共同出資=第三セクターのローカル線である日本海ひすいライン(公式サイト)に乗車しました。
日本海ひすいライン
日本海ひすいラインは、かつてJR西日本の管轄下(北陸本線)にあった路線です。
北陸新幹線開業に伴ってJR西日本から経営分離された後に、2015年に官民共同の第三セクターとして、市振駅・直江津駅間が新規開業しました。
現在は妙高はねうまライン(公式サイト)と共に、えちごトキめき鉄道(公式サイト)が経営しています。
ホームも特にJR大糸線と改札で分離されておらず、同じホームからの出発となるのですが、現在はJRの管轄ではないため、青春18きっぷが使えない区間にあたる点には注意が必要です(参考:乗れる電車、乗れない電車 -JRの普通列車のみ、フリーパス-)。
ひすいラインの”ひすい”
日本海ひすいラインの名に使われた”ひすい“とは、新潟県・長野県を流れる姫川流域の特産である、半透明の緑色をした石のことです。
縄文時代(約5000年前)からの姫川地方の特産品で、かつては装身具として使われた勾玉などに加工されていました(国土交通省 北陸の一級河川 “姫川“)。
ヒスイの場合、産地が限られている、綺麗な石だという点以外にも、同じく有史以前から日常生活で道具として使われていた黒曜石と共に、”産地以外の場所でも使われていた”という流通経路にも、その特異性が見いだされています。
ひすいの場合はほぼ東日本全域で、”ひすい”より産地の多い黒曜石の分布は日本全国で、それぞれ利用が確認されているのですが、このことから、後に律令制下で五畿七道が整備される以前から、本州では物流が広く発展していたということが推定されます。
日本海ひすいライン乗車
ひすいラインからのオーシャンビュー
そんな由緒正しい”ひすい”の名を冠した日本海ひすいラインに、糸魚川駅から乗車しました。
糸魚川駅の次の目的地は、ひすいラインの終点・直江津駅です。
大糸線の終点は糸魚川駅ですが、その糸魚川駅につく少し前(姫川駅ー糸魚川駅間)から、電車は日本海沿いを走りはじめます。よりはっきり日本海側を感じることが出来るのは糸魚川駅を出て少したってからだったような記憶がありますが、ここで漸く本州を縦断したことが明らかになりました。
糸魚川駅では短い接続時間の中、下校時刻を迎えたと思しき地元高校生に囲まれながらの乗車となったのですが、
正面からがカッコ良ければ、側面のペイントもこれまたイカす、”トキてつ”ひすいラインは中々の電車でした。
ひすいラインは、車窓から手の届きそうな位置に作られた堤防や砂浜、テトラポット、さらにその向こうにある日本海のすぐ傍を走って行きます。
車窓から臨める砂浜の向こうの海といったあたり、江ノ電・鎌倉高校前駅からの風景に近いものを感じなくもありませんが、砂浜との距離でいえば、間に国道134号線を含む江ノ電沿線より、僅差でひすいラインの方が近いようにも感じます。
そんなひすいラインも国道(8号線)との並走区間を持っていて、この日の目的地である新潟駅までの距離が確認出来たりもしました。
あと約140キロ・・・まだまだ結構あるんですねというように写真からは伝わりますが、ひすいラインの乗車時間自体はそれほど長くなく、およそ40分程度でした。
今にして思えば、40分も乗車していたらわりと乗ってる方じゃないかという気もするのですが、乗車時にそんなことを思っていたという記憶は微塵もなかったので、もしかすると18きっぷ旅で感覚がマヒしていたのかもしれません 笑。
わりとあっという間と感じたひすいライン区間を経て、信越本線エリアに入りました。
直江津駅にて
“ETR”とは、Echigo Tokimeki Railway(ひすいラインの運営会社)のことですが、直江津駅は今回のプランではひすいラインのゴールであると同時に、信越本線のスタートでもあります。
ということで、元々観光需要の高さを感じさせる駅でもあったのですが、ひすいラインを降りたホームにはお菓子の自販機があり、
駅のコンビニ傍には、特産品・名産品の展示コーナーがあります。
このオブジェは、上越妙高駅ー十日町駅間を走るイベント列車”越乃Shu*Kura”(公式サイト)の停車駅を表しています。
“越乃Shu*Kura”は、土日を中心として「お酒を楽しむ」というコンセプトに基づいて運行されているイベント列車で、越乃=越後、Shu=酒、Kura=蔵、*=米、雪、花を意味しているようです。
ひすいライン、信越本線、さらには”越乃Shu*Kura”、お菓子の自販機に地元の名産品展示と、実際降り立ってみた直江津駅は、元々のイメージ通り、割と観光感満載の駅でもありました。
直江津駅はまた、北越急行のほくほく線(公式サイト)の始発駅でもあるので、同じホームにはほくほく線の電車が止まっています。ちなみに左側がほくほく線です。
今回の旅行では最終日の前日に乗車することとなった、やはり新潟県内の第三セクター鉄道がほくほく線で、新潟の山間部を通る直江津駅ー越後湯沢駅間で運営されています。
海沿いにはひすいラインが、山側にはほくほく線が、それぞれ直江津をターミナルとする形で結ばれているので、ローカル線乗車をメインとした新潟観光をする際、直江津駅は一つのポイントになってくる駅にあたります。
観光地の駅でありながら生活感をも感じさせるという夕暮れ時の直江津駅ホームは、のんびりした雰囲気がとても心地良かったです。
信越本線へ
日本海を臨む車窓風景
しばし直江津駅のホームでの時間を過ごしたのち、この日の目的地である新潟駅へ向けての旅が始まりました。
ここからは、まずはひすいライン顔負けのオーシャンビュー路線となります。
砂浜がすぐ横にあるので、距離感ゼロの車窓風景が楽しめるのですが、
特に青海川駅ー鯨波駅間は、ほぼ隣が日本海です。
ひすいラインの沿線にもオーシャンビュー路線がありましたが、北陸本線に入ってからも、再びオーシャンビュー路線を通過します。
タイミング的には直江津駅を出発後少し経ってからだった記憶がありますが、信越本線(ジョルダン “信越本線の路線図“)の笠島駅から鯨波駅にかけての区間は、18きっぷ旅のおすすめ路線の一つです。
追記:この18きっぷ旅の約一年後、今度はドライブでこの海岸線を走る機会に恵まれました(鯨波から青海川へ -日本海の海岸線を夕陽ドライブ-)。
長岡から新潟へ
残念ながら直江津駅での乗車時点ですでに夕方だったため、信越本線の乗換駅である長岡駅までの乗車で日本海側の夕日は落ち、以降は夜間の車窓風景となりました。信越本線の乗り換え駅だった長岡駅についたのは19時過ぎ。今回はわずかに滞在したのち、さらに新潟駅を目指しました。
電車内では本を読んだりスマホをいじったりという時間を過ごしたのち、20時40分新潟駅着。
途中観光をしながら、食事を含めながら、奈良井駅からおよそ12時間がかりの道中でした。