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【秋の箱根泊2021/箱根旧街道線沿い史跡巡り その5】猿滑(さるすべり)坂
見晴茶屋から猿滑坂へ
一里塚のある箱根湯本や畑宿方面から県道732号線や旧街道の石畳を上ってきた場合、樫木坂を上りきると、しばらくなだらかな道が続きます。
斜面の上側から順に、県道732号線、旧街道石畳、箱根新道(新しく作られた国道一号線)が並行して通され、そのさらに下部(箱根新道の下側)には須雲川が、これもやはり三本の道路に並行するように流れています。
見晴茶屋付近から猿滑坂にかけて、それぞれの道が斜面に逆らわず、斜面に並行に通されているので、県道732号線沿いのこの一帯は、気候のいい季節であれば普通に気分良く歩ける道ではあるのですが、県道732号線はそんな感じだ、それでは旧街道の石畳も同じようなものなのかというと、必ずしもその限りではありません。
そもそも”サル出没注意”の標識がある時点で、県道732号線にしても市街地の普通の県道と同じような道路ではない、一癖二癖ありそうな道だということを匂わせているようにも感じますが、道路だけを見る分には付近一帯がそれほど険しいようには見えないという道路沿いからガードレールの下を見ると、まさに”石畳”が敷かれた道があることが分かります。
県道732号線沿いから視認できるこの石畳へは、道路沿いから降りていくことが出来ます。
樫木坂から石畳の道を歩いてきた場合、ここで県道732号線に合流するのですが、反対に県道732号線沿いからこの石畳を下った場合、藪の中に吸い込まれるように通された石畳の道を進んで樫木坂へと向かうルートが用意されています。
石畳の坂道は「サルでも滑り落ちるくらい厳しい坂道だ」ということから、猿滑坂と呼ばれるようになりました。
樫木坂ほどではなかったとしても、それに近い難所であったことを感じさせます。