【街歩きと自然科学】芦ノ湖と箱根の歴史

富士箱根エリア

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【街歩きと自然科学】芦ノ湖と箱根の歴史

芦ノ湖の誕生

芦ノ湖は、今から約3000年前に起こった箱根山の水蒸気爆発によってできた湖ですが、「水蒸気爆発」とは、大量の地下水が地下のマグマと接触することによって起こる爆発のことを言います。

こと「箱根山の噴火」ということでは、周辺一帯が全て箱根山のカルデラ(火山の火口の凹部)に含まれていますが、ここで「水蒸気爆発」の基本的なメカニズムについて、簡単にまとめます。

1.「帯水層=地下水を大量に含んで密閉された層」にマグマが(地下深いところから上層部へ入り込む形で)流れ込んでしまうと、帯水層に含まれた地下水は、マグマの熱によって一気に気化します。

→高校の化学で勉強することになる理想気体の状態方程式を使っての概算から、水が100℃で気化する時、液体状態からの体積変化は約1700倍になると考えられています。

2.ごく微量であれば単なる「気化」で済む話でも、規模が規模なだけに「1700倍」がとてつもない威力を持ちます。

→たとえば蒸気機関車であれば調整しながら利用することになる蒸気圧を、水蒸気爆発へとつながる地下水・マグマの接触では一切調整できないため、一気に圧がかかってしまいます。

3.仮に大量のマグマが大きな帯水層に突っ込んでしまい、地殻が圧を制御できなくなったとなれば、その時には深刻な爆発が発生します。

もちろん一口に「水蒸気爆発」といっても規模の違いは当然あるのですが、芦ノ湖が出来た約3000年前の噴火(水蒸気爆発)では、山のごく一部が気持ち爆発した程度の話にとどまらず、芦ノ湖周辺エリアが丸ごと全部ドカン!と行った、その時の地形変更によって川(=早川)がせき止められて芦ノ湖となったということのようです。

(参考)箱根全山”芦ノ湖の歴史”等

山間部である箱根は元々地下水が豊富なところで、改めてですが、「山間部」は現在も活火山です。

地下水とマグマが万が一接触してしまえば、前記したようなメカニズムから、規模如何ではすさまじい大爆発につながってしまいますが、それでは地下水とマグマが直接触れ合わない場合はどうなのかといえば、地下水が地熱に温められることによって、遠回りな言い方ですが「暖かい地下水」となる場合があります。

これが、温泉の出来上がるメカニズムに当たります。

 

箱根の歴史

今から約25万年前の箱根山は、富士山のような姿をした標高2700メートルを超える山だったと言われています。

現在のところ、その時代(箱根が一つの山だったと考えられている、25万年前)の日本列島では化石人類の活動は確認されていませんが、当時の地球上は、ネアンデルタール人などのいわゆる旧人が活動していた旧石器時代にあたると推定されています。

その後今から約18万年前、火山の噴火後に火口部がカルデラ(大きな凹地)となって、現在のように幾つもの山が連なって「箱根山」と呼ばれる地形の原型が出来たようです。

さらに今から約15万年前の噴火の溶岩流は現在の真鶴半島を作り、約6万6千年前(5万2千年前?)には、有名な破局(的)噴火(破局噴火=地下のマグマが一気に地表に噴出)を起こしました。

ちなみに6万6千年前(5万2千年前?)の破局噴火時の火砕流は、東は三浦半島・横浜市まで、西は伊豆半島北部から静岡・富士宮市まで到達したほか、火山灰は千葉の東方にまで到達したとのことです。

火山活動が始まったのが今から約40万年前。その後先史時代を通じてコンスタントに活動を続け、付近の地形等に影響を与え続けてきた箱根山の歴史にあって、今から3000年前に発生した水蒸気爆発で、芦ノ湖と共に誕生したのが大涌谷でした。

“破局噴火”は現在のところ正式な用語ではないようですが、「破局」噴火の語感と実際にあったと推定される現象を照らして考えれば、とんでもなくヤバそうな雰囲気は伝わってきますよね。

 

箱根と日本の先史時代

ちなみに大涌谷や芦ノ湖が出来た今から約3000年前の日本は、1万年以上の長きに渡って続いた縄文時代も終わりに差し掛かり、神話の世界の始まり(皇紀元年=前660年)が間近に迫っていた時代でした。

神奈川県の西隣・静岡県では既に浜北人の活動が確認されて久しい時期(一万数千年前~)、同じ神奈川県内ということでも、例えば元町貝塚(みなとみらい線・元町中華街駅直近にある、今から約5000年前の遺跡)では、既に当時を生きた人々の生活跡が確認されています。

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国内のそこかしこにぼちぼち人類の祖先の生活跡が確認できるようになってきた時代、箱根エリア近郊を拠点としていた人類の祖先たちは、度々訪れる箱根の大爆発を横目に見ながら貝塚暮らしをしていたんですね。

火山としての箱根の歴史には、防災意識を啓発するために持ってくる事例としては少々絶望的すぎる沿革が含まれているのですが、現在も活火山であり続けているということから、例えば箱根町役場では「万が一」のケースへの備えも計画されています。

 

【首都圏日帰り小旅行/ちょっと遅めの初詣と箱根 2】芦ノ湖と大涌谷から分離しました。

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