【ちょっと遅めの初詣と箱根 3】星の王子さまミュージアム

富士箱根エリア

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分58秒です。

【ちょっと遅めの初詣と箱根 3】星の王子さまミュージアム

星の王子さまミュージアムへ

about 星の王子さまミュージアム

大涌谷を見た後は、仙石原方面まで足を伸ばし、

星の王子さまミュージアム(公式サイト)へと向かいました。

星の王子さまミュージアムは、箱根の仙石原にある、フランス人作家・サンテグジュペリ著「星の王子さま」の世界が体現されたミュージアムです。

その名の通り「星の王子さま」をテーマとした美術館なので、第一に作品のファン向けであることは確かなのですが、仮に元々はサンテグジュペリやその著作のファンでなかったとしても、その場の雰囲気を味わえる、来訪を楽しめるミュージアムになっています。

常設展示では著者・サンテグジュペリの生涯も丁寧に追ってくれているので、「こういう世界を生きてきた作家さんは、一体どんな話を書くのだろうか」といった興味の持ち方をすることも可能なんですね。

ということで、どこか「箱根にはピッタリ」を感じさせてくれる美術館でもありそうです。

 

星の王子さまミュージアムへ

ミュージアムの入り口です。

ここから中に入ると、中央には”星の王子さま”、背景にはおしゃれっぽい建物がありますが、この建物は映像ホールで、ホール前の庭はローズガーデンです。

すぐそばには箱根の山々、その手前に見える建物がレストランとミュージアムショップです。

レストランやミュージアムショップの前にもローズガーデンとは別の庭園があるのですが、双方は壁で仕切られています。「見終わった人」向けのエリアですね。

順路は、ミュージアム名物であるフォトジェニックスポットへと続きます。

その名も”王さま通り”です。

あくまで作られた街並みなのですが、初回来訪時はこの付近で割と気分を持っていかれること請け合いでしょう。

写真の右端が、ミュージアムへの入り口です。

展示では、星の王子さまのみの世界というよりはサンテグジュペリの世界そのものが表現されています。

 

『星の王子さま』

どこか「西欧+ファンタジー」風に作られた”街並み”の中を少し歩いた後で、いよいよサン=テグジュペリ『星の王子さま』ワールド(常設展示エリア)へと進みますが、ここで『星の王子さま』について。

『星の王子さま』は、パイロットである「ぼく」がサハラ砂漠不時着後にほどなくして出会った「王子さま」との「星巡り」中の掛け合いが柱となった作品ですが、作中の「王子さま」は、「ぼく」の心の奥深くに眠っていた「かつてのぼく」そのものを担っています。

「星巡り」とはすなわち、主人公の「思い出巡り」と言い換えることが出来るでしょうか。

主人公のサハラ砂漠への不時着後に「突如として実体化した童心」こそが「王子さま」そのものなのですが、「誰もが一度は通ってきたであろう世界」の住人である「王子さま」が、既に大人となった主人公の前に登場したことから、物語が始まります。

幼い子供にとっての等身大の世界を生きる「王子さま」は、「(かつての)ぼく」にとって自分にしかわからなかったはずのことをわかってくれるような感性を持っていたり、世間一般の大人をどこか斜な目で見ていたり、世を達観したようなつぶやきをしてみたりと、作中において大なり小なり「(現在の)ぼく」の意表を突きながらキャラを立てていきます。

「王子さま」=「かつてのぼく」と、成長した分スレてしまった「現在のぼく」の違いは、サハラ砂漠のど真ん中に不時着したというシビアな現実の中でソフトに絡み合いながら、最終的には「ぼく」にとって一番大切にすべきことってどんなことなんだろう、といった話に収れんしていきます。

 

ミュージアムの住人たち

ちなみに、ミュージアム内の撮影許可ゾーンで待っていてくれる人たちは、

王子さまの星を巡る旅に出てくる「星の住人」達ですが、誰も彼もキャラの濃い人たちばかりです。

作中の王子さまは、この人たちのことごとくを斜な目で見ていくことになるので、この人たちは王子さまがキャラを立てていく上での「かませ」みたいな人たちでもあります。

そうはいっても決して悪い人たちではないんですよね。

この人たちはこの人たちで時代に翻弄されていた人たちなのだ、なんていう言い方もできるでしょう。

以下、若干ネタバレ含み・私見含みの記事です。

 

『星の王子さま』のクライマックス(ネタバレあり)

大人向け童話の古典・定番ともいえる「星の王子さま」の名作たる所以って、サハラ砂漠に不時着したパイロットである「ぼく」の生還に歩みを合わせるかのようにして、「王子さま」が消えてしまうところにあります。

作中の柱となる「ぼく」と「王子さま」の掛け合いとは、たとえて言うならリアルな死を目の前にした人の頭に「走馬燈」が巡ったような話だともいえますが、作中の「ばく」は、不時着したサハラ砂漠のど真ん中でリアルな死と向かい合うことによって、幸か不幸か、そのような「走馬燈」を見ることになりました。

「走馬燈」の全ては、作中ラストで「王子さま」と出会った場所である、夜のサハラ砂漠のど真ん中の景色に置き換えられることとなるのですが、この風景を見たとき、僕は王子さまとの不思議な体験の全てを思い出す、というエンドにつながります。

かつての僕はもういないけど、確かにそこにかつてのぼく=作中表現でいう「王子さま」はいたのだというような、どこか淡い気持ちが読後に余韻として残されるんですね。

一番大切なものとは、人としての温かみ、思いやり、目に見えない気持ち、そんなものだと「王子さま」はいい、「ぼく」もそこに共鳴するのですが、先を急ぎすぎて目標を見失ってしまっては生きていく意味すら曖昧になってしまう、なんて感じのニュアンスも含まれています。

「走馬燈」が見せた美しい風景は「ぼく」にとってはこのようなもの(作中世界そのもの)だった、それでは、あなたがた(読者諸氏)にとっての一番大切な風景とは? という普遍的なノスタルジーへ結びついていくエンディングの妙味こそ、『星の王子さま』最大の魅力ではあるでしょう。

 

レストラン Le Petit Prince(ル・プチ・プランス)

ミュージアムを一通り見終わって出てくると、経路はミュージアムショップやカフェ・レストランへと続きます。

いい感じの時間だったので、ランチもミュージアムのレストランでいただきました。

メニューにも雰囲気がありますが、心なしかランチそのものもどこか「星の王子さま」風ですねなどと思っていたら、

『星の王子さま』作中中盤でラストの展開へのフラグを立て、そして実際その回収に来たという「黄色い蛇」のパスタが登場です。

味の方も確かで、とてもおいしかったです。

 

アクセス

タイトルとURLをコピーしました