【秋の箱根泊2021/その17】甘酒茶屋から追込坂へ(箱根旧街道の坂道と史跡)

南関東/静岡・山梨
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甘酒茶屋にて小休止

甘酒茶屋

芦ノ湖畔から旧東海道=県道732号線に沿って進んでいくと、お玉が池の少し先に”甘酒茶屋”というお茶屋さんがあります。

旧街道時代以来の由緒を持つお茶屋さんですね。

店内には、どこかかつてを思わせる雰囲気が今も残っていて、

額には滝廉太郎の作曲で有名な”箱根八里”(KAZEKOZOU69チャンネル 箱根八里)の歌詞が書かれていますが、土間で作られた空間の奥には、囲炉裏も用意されています。

「時を超えた箱根旅」の風情の塊のようなお店ですね。

店内の雰囲気も道沿いから見えるお店の雰囲気そのままのものなので、その手の旅に興味があって、尚且つ徒歩やバスで箱根を楽しむ旅をしている人にとって、立ち寄らない理由が見当たらなさそうなお店でもあります。

そんな、”一服”と称して風情を味わうにはもってこいのお店にて、

ちょっと一休みの時間では、甘酒、抹茶、ところてんを頂きました。

甘酒茶屋のすぐとなりにも、無料の休憩所が用意されているので、

甘酒茶屋の他こちらの休憩所で休憩を取ることも可能ですが、

こちらもまた、なかなか雰囲気のある休憩所となっています。

笈の平(おいのたいら)碑

甘酒茶屋から湯本方面に少し進んだ先には、笈の平おいのたいらがあります。

その昔、関東での活動を終えた親鸞が、弟子と共に帰京の途にあった時。

皆が京に帰ってしまっては関東での教化活動を継続する人間がいなくなってしまうということで、弟子に関東での教化活動を託した親鸞が、弟子と別れたのがこの笈の平の地だったといわれています。

おいとは経文などを入れて背負う箱のことですが、親鸞がこれを弟子に形見として託したことから“笈の平”と呼ばれるようになったようです。

その他、”お玉が池“のお玉ちゃんが関所破りの罪で捕まり、かつ獄門に処されてしまった地がまさにここ、”ヲイタイラ”こと笈の平だったといわれています。

追込坂

上記した笈の平おいのたいら碑の並びに作られているのが、追込坂への入り口です。

元々は、旧東海道から甘酒茶屋に立ち寄るための坂道だったようです。

追込坂からの”旧東海道”へ合流

甘酒茶屋前から続く、傾度の緩やかなストレートをしばらく歩いていくと、

先ほど見かけた”追込坂”からのルートに合流していると思しき、石造りの階段坂が登場します。

実際登ってみると、車道すぐ隣の歩道を歩いているときに比べて安心感もあるのですが、

やはり微妙に高所である分見晴らしもよく、

いろんな意味でゆとりを持って歩ける時間が続きますが、

そんなひとときの穏やかな時間ののち、間も無く旧東海道=県道732号線が屈指の難所入りするということをやんわり伝えてくる、ヘアピンカーブが登場します。

この先湯本方面に進むと、ほどなくしていわゆる七曲“エリア入りすることになるんですね。

二本の国道1号線と、旧東海道=県道732号線

箱根湯本方面から芦ノ湖方面へと向かう場合。

およそこの追込坂付近から、“南下する箱根新道(国道1号線)に対して、そのまま西進する県道732号線”という形で、箱根新道と旧東海道=県道732号線は大きく分岐します。

ちなみに、大磯で国道134号線と合流した後、くっついては分離してを繰り返しつつ、箱根湯本の手前で大きく二本に分離する国道1号線ですが、うち南側に進んでいく国道1号線=箱根新道と、北側に進んでいく”箱根駅伝ルート(往路5区、復路6区)”の国道1号線は、芦ノ湖の南に位置する箱根峠インターチェンジの先で一本となって、静岡県三島市方向に伸びていきます。

これに対して、箱根湯本駅手前の三枚橋から始まる県道732号線(=旧東海道)は、”駅伝”側の国道1号線と交差してスタートしたのち、ほどなく“箱根新道”の方の国道1号線と並走しつつ箱根の山中へ伸びていきますが、

一里塚のある畑宿にて”箱根新道”と交差した後(下を潜っているのが732号線です)、七曲で絡み合ったのちに”箱根新道”とは離れて進みます。

その後、732号線は”駅伝の国道1号線”の方に近づいていって、最終的には芦ノ湖畔のやや手前に位置する終点・畑宿入口交差点で、”駅伝の1号線”に合流します。

余談として、箱根新道は国道一号線のバイパスとして通された自動車専用道路です。

現在も”インターチェンジ跡”が残ることから察せられるように(?)元々は有料道路だったのですが、2011年7月より無料開放され、今に至っています。

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