【冬の終わりの札幌へ その8】中島公園・豊平館(国内最古の現存木造ホテル)

東北/北海道
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豊平館へ

about 豊平館

沿革

中島公園公式サイト)内にある西洋館・豊平館ほうへいかん公式サイト)は、かつて開拓使が建てた洋風のホテルです。

1880(明治13)年に竣工しました。

現在の札幌市時計台すぐ隣の区画(中央区北一条西一丁目)、さっぽろ創世スクエア(公式サイト)があるあたりに建っていて、前庭が大きく前に張り出していたため、敷地自体は現在の大通公園の辺りにまでかかっていたようです(参考:大通公園公式サイト豊平館の誕生“)。

戦前はしばしば天皇陛下の行在所ともなったようですが、時計台と共に旧帝国陸軍に軍事利用された戦中、および占領軍に接収された終戦直後の混乱期を経て、昭和33(1958)年に中島公園内の現在地に移築されました。

現在は国内最古の現存木造ホテルとして、札幌市の有形文化財(昭和36年=1961年)、さらには国の重要文化財に指定されています(昭和39年=1964年)。

開館時間/入館料etc

開館時間 原則として9:00~17:00(入館は16:30まで)
毎月第四金曜日の他夜間開館日は9:00~20:00(入館は19:30まで)
休館日 毎月第二火曜日(祝休日の場合は直後の平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
入館料 一般350円、高校生・大学生150円、中学生以下無料

豊平館・館内へ

外観

パッと見そのまま正面から入れそうですが、館内への入り口は、建物の向かって右側に位置しています。

建物の屋根の上には、

時計台にもあった、開拓使のシンボルである五稜星が輝いています。

館内へ

受付を済ませて先に進むと、入ってすぐのところには、

豊平館の歴史がまとめられたパネルが置かれています。

入館時に無料のパンフレットももらえますが、それ以外の展示も充実しているため、一見の観光客にも優しいのが豊平館館内の特徴です。

ホテルの構造の特徴や、見学時のポイントの他、建築の概要や設計計画についての解説もあるので、かなり見て回りやすくなっています。

ロビーから客室へ

館内に入ってすぐのところにあるロビーでは、天井にシャンデリアが吊るされていますが、

つるされているシャンデリアの上には、”天井中心飾り”があるのがわかります。

こて絵“と呼ばれる技術を用いて作られた飾りは、館内の見どころの一つとしてあげられています。

このロビーから、数字ではなく花や植物の名前で区別された(ツバキ、ユリ、タケ、ススキ等々)一階・二階の各部屋へと繋がっていくのですが、

階段横や各部屋にはそれぞれ、ここも「館内の見どころ」として指摘されていたポイントである、かつてホテルだった頃の豊平館で使われていた西陣織のカーテンが再現され、かけられています。

それと説明してもらわなければなんとなく見過ごしてしまいそうなポイントではあるのですが、その説明が付されることによって、ホテル時代の格調高さが改めて伝わってくるように感じます。

その昔結婚式場として使われていたころの名残りが表現された部屋もありますが、ここにもやはり西陣織を模したカーテンがかけられていました。

一般客室

階段を上って二階へ上ると、部屋がいくつかあるのですが、

そのうちの一室では、かつての寝室が再現されています。

明治初期の頃は、まだまだ洋風の生活様式自体に斬新さがあった頃じゃないかと思うのですが、

当時の豊平館では、既に洋室として整備された客室が宿泊客に提供されていたことが分かります。

天皇陛下行在所

二階のまた別の一室では、かつて天皇陛下が宿泊された部屋が、宿泊された時の様子を再現して保存されています。

部屋の内部を伺うことが出来る他、

実際に使われた椅子なども展示されています。

広間

二階の広間には、天井からシャンデリアが吊るされている他、

グランドピアノが置かれています。今の感覚で見ても結構な広さを持っていますが、

この部屋にはタブレットによるガイドが導入されていて、

タブレットを通して部屋を見ると、その昔の舞踏会の様子が再現されます。

冬の終わりの中島公園

豊平館の内部からは中島公園内が一望できますが、

冬が終わり、春が近づいて来た様子が伝わってきます。

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