【横浜山手の西洋館】山手234番館(山手本通り沿い、元町公園前)

元町・中華街(山下公園)駅
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about 山手234番館

山手234番館(山手西洋館公式サイト)は、元町公園前、山手本通り沿いに位置する西洋館です。開港期以来の歴史を知る建築物だというよりは、比較的新しく(といっても昭和のほぼはじまりと同時に)作られた、横浜にとっての激動の時代を知る西洋館のうちの一つに当たります。

横浜の山手(現・中区山手町)は、近隣エリアである山下町同様、開港とほぼ同時期に外国人居留地として拓かれ、以来栄えて来たところです(参考:開港期の横浜山手)。

波止場が作られた象の鼻や、その近くで貿易実務を執り行うためのエリアとして栄えた日本大通り地区などと並び、近代の横浜の中では最初期以来の歴史を持つエリアの一つなのですが、1923年(大正12年)、当時の首都圏全域を襲った関東大震災に被災しました。

貿易港・横浜が順調な発展を遂げていく中にあっての惨事は、横浜山手にとっても大きな転機となるのですが、この時期、山手地区の住人達は外国へ帰国するか、あるいは国内の他都市へ移住してしまい、全盛期の一割程度にまで住民が減ってしまいます。

そこで、減ってしまった外国人を呼び戻すためとして、横浜市の肝煎りで外国人向け共同住宅として1927年(昭和2年)に作られたのが、現在の山手234番館でした。

建物の内部は現在も、かつて共同住宅だったことを思わせる広々とした作りになっていて、他の西洋館同様、各種季節イベントの主要会場の一つとなっています。

(参考:神奈川新聞社『横濱』vol.71 2021年新春号、令和3年1月15日)

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