横浜山手の”みなとが見える丘”歩き
about 港の見える丘公園
沿革

現在港の見える丘公園がある横浜山手の一画は、横浜開港とほぼ同時期に、外国人居留地としてはじまりました。
元々それほど拓かれていたわけでもなかったという開港地傍の丘の上は、やがて輸出入額とも日本一となっていく”貿易港・横浜”の勢い、さらには時の国内情勢に、良くも悪くも開港当初よりけん引されます。
結果、幕末期に半ばなし崩し的に居留地となることが決められてから先、時勢に飲みこまれる形で発展しました。
そんな地が”港の見える丘公園”として整備されたのは、戦後昭和の話です。
第二次世界大戦後、GHQが推進した占領統治政策によって、後の”丘公園”を含む横浜山手の一画も接収されてしまうのですが、接収が解除された後の昭和37(1962)年。
風致公園として”港の見える丘公園”が開園すると、以降、横浜を代表する公園の仲間入りを果たしました。
参考
ロケーション/公園基本情報
ロケーション | |
公園内マップ/開園情報 | 横浜市公式サイト “着色平面図“ 公園内は”フランス山地区“”展望広場地区“”イギリス山地区“”近代文学館地区“に四分されます。 フランス山地区(夜間閉鎖)や西洋館、文学館(共に各館の開館時間に依っています)、さらには各種商業施設以外の公園施設は、原則として24時間開園しています。 |
最寄り駅/出口 | みなとみらい線・元町中華街駅:アメリカ山公園口/元町口 JR根岸線・石川町駅:元町口 |
最寄りバス停 | 港の見える丘公園前バス停(横浜市交通局/神奈中バス) 観光周遊バス・あかいくつ号のほか、路線バスでは横浜市営バス20系統・神奈中バス11系統が停車します(神奈中バスのみ、バス停が異なります)。 参考:沿線を走る観光バス、沿線を走る路線バス |
公園北部
about フランス山地区

明治29(1896)年から昭和33(1958)年までフランス領事館が置かれていたことに因んで”フランス山”と呼ばれるようになった一帯は、現在、公園敷地内の北部にて傾斜部を形成しています。
写真は、元町中華街駅・元町口傍(改札口を背にして右側)、フランス山地区入り口に位置する三差路の交差点です。
入口となっている門の手前にはベイバイク(レンタル自転車。電動アシスト付きです)のポートがあり、信号右側にはバス通りでもある谷戸坂が伸びていますが、フランス山地区は概ね谷戸坂に沿うように整備されています。

公園(フランス山地区)内に入ると、門の右手方向から丘の上の公園部分に向かって山道が伸びていますが、

公園内の”山道”は、最終的には展望台エリアへと通じています。
入園料は無料、全季節共通の開園時間は朝7時から夕方17時まで。
ただし朝7時以前と夕方17時以降は、平均的な日照時間に準拠する形で、季節によって前後します。
時期 | 開園時間 |
通年 | 7時~17時 |
4月~9月 | 6時~19時 |
10月~11月 | 7時~18時 |
12月~1月 | 7時~17時 |
2月~3月 | 7時~18時 |
参考
公園中央部
展望台エリア

展望台エリアは、年中無休・無料で24時間開放されています(ただし、花火大会開催等の事情によって、入園が規制される場合もあります)。
ここから、みなとみらい/山下公園/新山下・本牧ふ頭方面が展望できます。
新山下エリアを埋め立てる以前は眼下がすぐ海だったようですが(※)、現在は人工のふ頭(本牧ふ頭)が形成する海岸線まで、少々距離があります。
公園の中央入り口と展望台の間のエリアには、公衆トイレも用意されています。
参考
KKRポートヒル横浜(休業中)

展望台の向かいには、かつてKKRポートヒル横浜/山手ローズテラスという、KKR(国家公務員共済組合連合会)が運営するホテル/レストランがありました。
現在はホテル・レストラン共休業中です。
参考
横浜市イギリス館/イングリッシュ・ローズの庭

港の見える丘公園の中心部に位置している西洋館は横浜市イギリス館、

その前に作られた庭園は、イングリッシュ・ローズの庭です。
横浜市イギリス館への入館、及びイングリッシュ・ローズの庭への入園は、共に無料です。
イギリス館には入館時間が設けられていますが(※)、イングリッシュ・ローズの庭は年中無休、24時間開放されています。
イギリス館では四季折々のイベントが、イングリッシュ・ローズの庭では約150種、800株のバラを中心とした様々な花が、それぞれ”推し”要素となっています。
参考
香りの庭

イングリッシュ・ローズの庭の東隣(=海側)に造られた花壇が、香りの庭です。
年中無休、24時間無料開放されています。
約100種、400株のバラが植えられているというバラがメインの花壇で、盛期にはほのかなバラの香りが楽しめます。
参考
公園南部
山手111番館

市バス20系統のバス通りに面したところにある西洋館が、山手111番館です。
入館時間が設けられていますが、入館は無料です(※)。
横浜市イギリス館の裏手にあたる一帯で、噴水塔や、バラとカスケードの庭(後述)に隣接していますが、この噴水塔周りのスペースは観光周遊バスや観光バスのロータリーとなっています。
参考
噴水塔(近代水道設置100周年記念)

山手111番館のすぐ隣にある噴水塔は、近代水道設置100周年を記念して昭和62(1987)年に作られたという、かつて旧横浜停車場前(現JR桜木町駅前)に設置された噴水塔のレプリカです。
二基作られたレプリカの一基にあたります。
一基は港の見える丘公園内に設置され、もう一基は当時の横浜の水源であった津久井郡津久井町に寄贈されました。
一方で、明治20(1887)年、横浜に日本初の近代水道が設置されたことを祝し、初代横浜駅(現・JR桜木町駅)前に設置されたという”オリジナル”の方ですが、2021年9月をもって閉館した保土ヶ谷の横浜水道記念館に展示されていた他、現在はJR桜木町駅前に写真で展示されています。
参考
喫茶店”cafe the Rose”

バス通り側から見た山手111番館地下一階部分が、喫茶店”cafe the rose”です。
テラス席に隣接するのは、公園内のバラとカスケードの庭です。
営業時間は10:00~17:00(7・8月は~18:00)、毎月第2水曜日が定休です。
参考
バラとカスケードの庭

バラとカスケードの庭は、山手111番館の裏手にて、大佛次郎記念館、神奈川近代文学館(閲覧室)、二つの文学館の間に位置している庭園です。
年中無休、24時間無料開放されています。
約80種、750株のバラが植えられているという、ここもやはりバラが推された庭園ですが、他花壇同様”バラのみに非ず”も魅力の一つで、例えば春先には背の低い桜も楽しめます。

庭園内からは山手111番館の他、横浜市イギリス館を見上げることも出来るあたりも魅力ですね。
庭園下部(北西方向)には公園への出入り口があり、霧笛橋の下からちどり坂方向に進むことも出来ます(このルートは、新山下方向から公園に向かう時の入口にあたります)。
参考
【横浜山手の公園】バラとカスケードの庭(港の見える丘公園内、山手111番館裏手)
大佛次郎記念館/神奈川近代文学館

公園内南端の”文学館エリア”にあるのが、大佛次郎記念館と神奈川近代文学館、二館の文学館です(写真は、”香りの庭”隣に位置する大佛次郎記念館です)。
展望台エリアから香りの庭を望んだとき正面に見えるのが大佛次郎記念館で、近代文学館はその奥、大佛次郎記念館の真横に位置する霧笛橋前広場から伸びた霧笛橋の先に位置しています。
参考
霧笛橋前広場と霧笛橋

大佛次郎記念館と神奈川近代文学館、二館の文学館をつなぐ位置に造られた広場が霧笛橋前広場、霧笛前広場から神奈川近代文学館方面に伸びた橋が霧笛橋です。

霧笛橋前広場からの景観は、”丘の上から港を望む”お勧めスポットの一つです。
霧笛橋のちょうど真下付近(東側)には、新山下エリアとの間が繋がれた坂道であるちどり坂が通されています。
参考
西洋館/公園内各施設(開館時間・休館日他)

西洋館
横浜市イギリス館 | 公式サイト 開館時間:9:30~17:00 休館日:第4水曜日(休日の場合は翌日)/年末年始(12/29~1/3) 入館料:無料 |
山手111番館 | 公式サイト 開館時間:9:30~17:00 休館日:第2水曜日(休日の場合は、翌日)/年末年始(12/29~1/3) 入館料:無料 |
館内ガイド | 各公園エリア(港の見える丘公園/元町公園/イタリア山庭園)ごとに、二か月に一度のペースで有料開催(1館30分程度、500円)されています。 詳細は公式サイト “館内特別ガイド“へ。 |
公園内商業施設
カフェ・ザ・ローズ (山手111番館内) |
公式サイト open:10:00 ~ 17:00(16:30LO) 定休日:第2水曜日(水曜日が祝日の場合は翌木曜日) |
大佛次郎記念館 | 公式サイト 開館時間 4~9月: 10:00~17:30(入館は17時まで) 10~3月 :10:00~17:00(入館は16時30分まで) 休館日 毎週月曜日(月曜祝休日の場合は、翌平日)の他、年末年始、展示替え期間、特別資料整理期間など 入館料 高校生以上200円/中学生以下無料 ほか、団体割引等あり(詳細は公式サイト”観覧案内“へ) |
神奈川近代文学館 | 公式サイト ※開館時間は施設ごとに異なります 展示室 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 閲覧室 火~金:9:30~18:30 (閲覧請求/複写申込:~18:00) 土/日/祝:9:30~17:00 (閲覧請求/複写申込:~16:30) 貸会議室・和室・ホール(有料・要予約) 9:30~21:00 (見学/窓口申込/お問い合わせ:~17:00) 休館日 平日の月曜日、年末年始(12/28~1/4) 入館料 展示室の閲覧のみ、有料(閲覧室入室は無料) 特別展一般700円、企画展一般500円、常設展一般260円 高校生は全て100円、中学生以下無料 詳細は公式サイト”開館時間・観覧料“(モバイルサイト)へ |
鮨喫茶すすす (近代文学館内) |
公式Instagram/神奈川県公式プレスリリース open:9:30~17:00(LO16:45) 寿司提供は11:00〜14:00 定休日:月曜日(近代文学館に準拠) |
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