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【東北・信越青春18きっぷ旅/只見線乗車その6】JR只見線・只見駅着
JR只見線・只見駅
お昼過ぎの只見線(只見線ポータルサイト)に乗車して会津若松駅を出発し、市街地を抜けて只見川との並走区間へ。さらには絶景区間の中の長時間停車駅だった会津川口駅を経て、電車は雪景色の中、路線名と同じ名を持つJR只見駅へ到着しました。
雪国を思わせる風景の中、只見駅では10分間の停車です。
会津川口駅停車時に比べると乗客はさらに減っていましたが、お客さんが少なくなってからの車内の雰囲気もまた、只見線乗車時に魅力と感じた部分でした。
このエリアに詳しいと思しき地元の人たち同士が固まって話しをしているとその声が車内に響いてきて(この場合、不快ではないタイプの賑やかさですね)、僕を含めた観光客一同が聞こえてくるその話しを元にしながら写真を撮りはじめる、そうすると話してる人の声が気持ち大きくなるみたいな、そんな雰囲気がボチボチ続きました。
話しの内容を突っ込んで聞きたければ、会話に割り込んで質問しても丁寧に教えてくれる、そういうのが割とそこかしこで、特に只見駅が近づいてくるにつれ増えていきました。
たまたまそうだった、ということかもしれませんが、こういう雰囲気に似たタイプの電車ということではちょっとあまり記憶にない感じです。
心地良いアットホーム感も強くて、イメージの中の地方路線がそのまま目の前に出て来た、みたいな感じでした。
そのこととは別に、これは沿線の所々で見かけた風景でもあったのですが(参考:只見線の絶景区間へ)、線路近くで電車を見ている人たちが電車に手を振ってくれている、車内からも地元の人(っぽく見える人)ほど沿線民に手を振り返すという、一々雰囲気がいいんですよ。
只見線の沿線民が”電車に向かって手を振る”という行為自体は、豪雨災害からの普及・全線再開時のイベントで始まったことのようですが、イベント後もそれが根付いているというあたり、何か色々土地柄とか土地の空気を感じ取れるような気分にはなりました(参考:JR只見線・会津川口駅にて)。
只見駅での10分間も淡々と過ぎていきますが、日は既に山の向こうに落ちていて、低い雲も赤みがかっています。もう間もなく付近一帯には漆黒の闇が訪れることになるという、その前兆ですね。
ということで、ホームにも電灯の明かりがともる時間となりました。
この時点で、大体16時30分。日没の時はすぐそこまで迫っています。
一面の雪景色の中、こじんまりとした島式ホームと只見線というシンプルな組み合わせも、それ自体で”路線の妙”を演出しているように伝わりますが、
今日もまた昨日と同じようにいつもの一日が過ぎてゆくという、恐らくはいつもと変わらない只見駅の、ありふれた夕刻風景の中から、電車はさらに終点の小出駅を目指します。
夏の18きっぷでめぐった山形県・新潟県の県境駅である鼠ヶ関駅での夕暮れを思い出しますが(参考:新潟県・山形県の県境、鼠ヶ関にて、鼠ヶ関駅より、復路の羽越本線・白新線へ)、その地にあっては平凡な風景が、平凡であるがゆえに”特別なもの”として刺さるのもまた、旅の持つ良さなんですよね。