【元町中華街エリア/山手本通り】港の見える丘公園

元町・中華街(山下公園)駅
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横浜山手の「港が見える丘」

沿革

開港地に程近い「横浜山手」、現在の中区山手町が拓かれて行ったのは、開国後間もなく開港場一帯(現在の日本大通り、山下町エリア=旧横浜村界隈)が手狭になっていった時期のことでした。

当時の「山手地区」は、元々は所々に畑が点在する、原野とも山林ともつかなかった丘陵地だったとされていますが、

  • 万延元(1860)年:列強間で「第一回地所規則」が調印され、「山手」が居留地候補となる
  • 万延2(1861)年:幕府側がこれを事後承認し、「横浜山手」の外国人居留民への開放が確定
  • 文久2(1863)年:「横浜居留地覚書(第二回地所規則)」が幕府・四国(英仏米蘭)代表間で承認

という経緯を経て、正式に居留地としての開拓・成長が始まります(※)。

元々は丘の上がイギリス、傾斜部がフランスの敷地(いずれも永代借地権を根拠とする貸与地)であり、敷地内の用法は時代によって変遷を見せた部分もありますが、最終的にはそれぞれが総領事公邸(イギリス、現横浜市イギリス館)領事館(フランス、現フランス山遺構)を置く地となりました。

そんな由緒の下にあったエリアに「港の見える丘公園」が整備されたのは、GHQによる接収(占領統治時の不動産強制占拠)解除後昭和37(1962)年のことです。

横浜中心部での接収解除は日本の独立回復(昭和27=1952年)が大きな契機となっていますが、山手地区で接収解除=不動産返還が開始されたのは昭和36(1961)年です(以降、「解除」は段階的に進みます)。

その翌年には公園が開園しているというスピード感からは、どこか察するにあまりある「当時の空気」的なものを感じなくもありませんが、「ようやく戻ってきた日常の象徴」的空間は、戦災で荒廃した首都圏の一画にあっての大きな希望の一つでもあったのでしょう。

公園の開園はまた、時の経済白書が「もはや戦後ではない」(昭和31=1956年)と宣言したその数年後の出来事でもありますが、風致(良好な景観を前提とした)公園として「港の見える丘公園」が開園すると、以降、横浜を代表する公園の仲間入りを果たします。

参考

公園基本情報

公園内マップ

公園内は

  • フランス山地区
  • 展望広場地区
  • イギリス山地区
  • 近代文学館地区

に四分されています。

フランス山地区(夜間閉鎖)や西洋館、文学館(共に各館の開館時間に依っています)、さらには各種商業施設以外の公園施設は、原則として24時間開園しています。

参考

公園内西洋館/施設

公式サイト
開館時間:9:30~17:00
休館日:第4水曜日(休日の場合は翌日)/年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料

公式サイト
開館時間:9:30~17:00
休館日:第2水曜日(休日の場合は、翌日)/年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料

  • カフェ・ザ・ローズ(山手111番館内)

公式サイト
open:10:00 ~ 17:00(16:30LO)
定休日:第2水曜日(水曜日が祝日の場合は翌木曜日)

  • 大佛次郎記念館

公式サイト
開館時間
4~9月: 10:00~17:30(入館は17時まで)
10~3月 :10:00~17:00(入館は16時30分まで)

休館日
毎週月曜日(月曜祝休日の場合は、翌平日)の他、年末年始、展示替え期間、特別資料整理期間など

入館料
高校生以上200円/中学生以下無料
ほか、団体割引等あり(詳細は公式サイト”観覧案内“へ)

  • 神奈川近代文学館

公式サイト ※開館時間は施設ごとに異なります
展示室
9:30~17:00 (入館は16:30まで)

閲覧室
火~金:9:30~18:30 (閲覧請求/複写申込:~18:00)
土/日/祝:9:30~17:00 (閲覧請求/複写申込:~16:30)

貸会議室・和室・ホール(有料・要予約)
9:30~21:00 (見学/窓口申込/お問い合わせ:~17:00)

休館日
平日の月曜日、年末年始(12/28~1/4)

入館料
展示室の閲覧のみ、有料(閲覧室入室は無料)
特別展一般700円、企画展一般500円、常設展一般260円
高校生は全て100円、中学生以下無料
詳細は公式サイト”開館時間・観覧料“(モバイルサイト)へ

  • 鮨喫茶すすす(近代文学館内)

公式Instagram/神奈川県公式プレスリリース
open:9:30~17:00(LO16:45)
寿司提供は11:00〜14:00
定休日:月曜日(近代文学館に準拠)

最寄り駅・最寄りバス停・最寄りパーキング

電車

みなとみらい線 「元町・中華街駅」 (6番・アメリカ山公園口より徒歩5分 / 元町口より徒歩7分)

JR根岸線 「石川町駅」(元町口より徒歩20分)

バス(「港の見える丘公園前」下車)

公園横(イギリス館そば): 市バス20系統、あかいくつ号

岩崎博物館前: 神奈中バス11系統

駐車場(計32台)

共立山手パーキング(15台)

横浜市緑の協会パーキング(17台)

参考

公園北部:フランス山地区

明治29(1896)年から昭和33(1958)年までフランス領事館が置かれていたことに因んで「フランス山」と呼ばれるようになった一帯は、現在、公園敷地内の北部にて傾斜部を形成しています。

元町・中華街駅側の入口手前にはベイバイク(電動アシスト付きレンタル自転車)のポートがありますが、谷戸坂に沿うように整備されている公園内に入ると、展望台エリアとの間を「山道」が繋いでいます。

入園料は無料、全季節共通の開園時間は朝7時から夕方17時までで、朝7時以前と夕方17時以降は平均的な日照時間に準拠する形で季節によって前後します(下表)。

時期 開園時間
通年 7時~17時
4月~9月 6時19時
10月~11月 7時~18時
12月~1月 7時~17時
2月~3月 7時~18時

参考

公園中央部

展望台エリア

展望台エリアは、年中無休・無料で24時間開放されています(ただし、花火大会開催等の事情によって、入園が規制される場合もあります)。

ここから、みなとみらい/山下公園/新山下・本牧ふ頭方面が展望できます。

新山下エリアを埋め立てる以前は眼下がすぐ海だったようですが(※)、現在は人工のふ頭(本牧ふ頭)が形成する海岸線まで、少々距離があります。

公園の中央入り口と展望台の間のエリアには、公衆トイレも用意されています。

参考

KKRポートヒル横浜(廃止)

展望台の向かいには、かつてKKRポートヒル横浜/山手ローズテラスという、KKR(国家公務員共済組合連合会)が運営するホテル/レストランがあったのですが、2025(令和7)年9月をもって廃止が決定しました。

26年4月現在、跡地の処遇について、公式では未定となっています。

参考

横浜市イギリス館/イングリッシュ・ローズの庭

港の見える丘公園の中心部に位置している西洋館は横浜市イギリス館

その前に作られた庭園は、イングリッシュ・ローズの庭です。

イギリス館では四季折々のイベントが、イングリッシュ・ローズの庭では約150種、800株のバラを中心とした様々な花が、それぞれ”推し”要素となっています。

横浜市イギリス館への入館、及びイングリッシュ・ローズの庭への入園は、共に無料です。

イングリッシュ・ローズの庭は年中無休、24時間開放されていますが、イギリス館は原則として開館日の日中のみ、開放されています(※)。

参考

香りの庭

イングリッシュ・ローズの庭の東隣(海側)に造られた花壇が、香りの庭です。

年中無休、24時間無料開放されています。

約100種、400株のバラが植えられているというバラがメインの花壇で、バラの盛期にはほのかなバラの香りが楽しめます。

参考

公園南部

山手111番館

市バス20系統のバス通りに面したところにある西洋館が、山手111番館です。

入館は無料で、原則として開館日の日中のみ開放されています(※)。

横浜市イギリス館の裏手にあたる一帯で、噴水塔や、バラとカスケードの庭(後述)に隣接していますが、この噴水塔周りのスペースは観光周遊バスや観光バスのロータリーとなっています。

参考

噴水塔(近代水道設置100周年記念)

山手111番館のすぐ隣にある噴水塔は、近代水道設置100周年を記念して昭和62(1987)年に作られたという、かつて旧横浜停車場前(現JR桜木町駅前)に設置された噴水塔のレプリカです。

二基作られたレプリカの一基にあたります。

一基は港の見える丘公園内に設置され、もう一基は当時の横浜の水源であった津久井郡津久井町に寄贈されました。

一方で、明治20(1887)年、横浜に日本初の近代水道が設置されたことを祝し、初代横浜駅(現・JR桜木町駅)前に設置されたという”オリジナル”の方ですが、2021年9月をもって閉館した保土ヶ谷の横浜水道記念館に展示されていた他、現在はJR桜木町駅前に写真で展示されています。

参考

喫茶店”cafe the Rose”

バス通り側から見た山手111番館地下一階部分が、喫茶店”cafe the rose”です。

テラス席に隣接するのは、公園内のバラとカスケードの庭です。

営業時間は10:00~17:00(7・8月は~18:00)、毎月第2水曜日が定休です。

参考

バラとカスケードの庭

バラとカスケードの庭は、山手111番館の裏手にて、大佛次郎記念館、神奈川近代文学館(閲覧室)、二つの文学館の間に位置している庭園です。

年中無休、24時間無料開放されています。

約80種、750株のバラが植えられている「バラが推し」の庭園ですが、他花壇同様「バラのみに非ず」も魅力の一つで、例えば春先には背の低い桜も楽しめます。

庭園内からは山手111番館の他、横浜市イギリス館を見上げることも出来るあたりも魅力ですね。

庭園下部(北西方向)には公園への出入り口があり、霧笛橋の下から千鳥坂方向に進むことも出来ますが、このルートは、新山下方向から公園に向かう時の入口にあたります。

参考

【横浜山手の公園】バラとカスケードの庭(港の見える丘公園内、山手111番館裏手)

大佛次郎記念館/神奈川近代文学館

公園内南端の「文学館エリア」にあるのが、大佛次郎記念館神奈川近代文学館、二館の文学館です。

展望台エリアから香りの庭を望んだとき正面に見えるのが大佛次郎記念館(上写真)で、近代文学館はその奥、大佛次郎記念館の真横に位置する霧笛橋前広場から伸びた霧笛橋の先に位置しています。

参考

霧笛橋前広場と霧笛橋

大佛次郎記念館と神奈川近代文学館、二館の文学館をつなぐ位置に造られた広場が霧笛橋前広場、霧笛前広場から神奈川近代文学館方面に伸びた橋が霧笛橋です。

霧笛橋前広場からの景観は、「丘の上から港を望む」お勧めスポットの一つです。

霧笛橋のちょうど真下付近(東側)には、新山下エリアとの間が繋がれた坂道である千鳥坂が通されています。

参考

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