春を迎えた、早朝の日本庭園
満開の桜はもう少し先?

桜の開花予報によると、もうぼちぼち(開花から満開への)頃合いではないかと感じさせられた、3月下旬某日。
随分久しぶりに三渓園まで。
桜の季節の本牧通りや三渓園といえば、三渓園に入る前の時点で春本番であることがはっきりわかる一帯でもありますが、残念ながら本牧通りでも本牧桜道でも、桜はまだまだつぼみの状態でした。
参考
春の三溪園内
入り口から内苑地区へ

この日は朝一、開門と同時の9時入園だったので、その昔の本牧エリアとも”想像上の古き良き日本的風景”とも取れる、まさに三渓園然とした景色が混じりっ気なしで眼前に広がりました。
「今この場にいるのは自分だけ」な空間ですね。

確かに桜目当ての来訪ではあったのですが、高まってきたのはぼちぼち過ごしやすくなってきた季節の”早朝の三渓園”を独り占めできたかのような満足感です。
最高です、としか言いようがないくらい、朝の爽やかさに満ちた空間となっていました。

「桜?残念だったな 笑 まあそれはそれとしてゆっくりして行ってくれYO」
とばかりにゴロゴロしている猫も、どこか心地良さそうに過ごしています。
しばらくウトウトしていたところ、カメラを向けると毛づくろいをはじめました。

後からわかったこととして、この日この時間帯の僕以外全てのお客さんは、通常の順路を逆から回って行ったようです。
ちなみにこの場合の逆行はそれがより桜の見所に近いルートであることを意味していますが、こうなるとどっちが正解となるのかなんて、わかったものじゃありません。
三渓園内はどこもかしこも魅力的ではあるし、「とにかく桜を」もそれはそれで一つの考え方ではあるのですが、大池周りを見渡した時に人影を確認できないという状況自体、自分的にはかなりレアな状況でした。
おそらくは平成以降で括っても、初めての経験ですね。
「はぁ?マジで誰もいないの?本当に?!すげえ!貸切だ!」
と、テンションは、否が応でもアップします。
参考
- 三渓園公式サイト “じっくり満喫コース“
- 【三渓園/内苑地区】臨春閣と身代わり灯篭(国指定重要文化財)
三溪園内、外苑エリアへ

大池へと通じている小さな川に沿うように通された細い道を進んで、初音茶屋、さらには旧東慶寺の仏殿方面へ。
この道を歩いているあたりで、右手から鶯の鳴き声が聞こえてきました。
春朝の陽光の中、一歩一歩、一瞬一瞬をかみしめたくなるような瞬間が続きます。

初音茶屋のすぐ右側は、三重塔エリアです。塔へと繋がる坂道もすぐ先に用意されていますが、大池付近から三重塔に上る場合、順路としては最終的にこの付近に誘導されます。

さらに奥へと進んで、旧東慶寺の仏殿エリアへ。
旧東慶寺仏殿は、”御一新(いわゆる明治維新)”以降、東慶寺では維持困難となったことを理由として、鎌倉の地より三渓園へ移築されたという曰くのある、国指定の重要文化財です。
結局のところ、いわゆる明治維新とともに成立した明治政府が”神仏分離令”に基づき推進した仏教破壊運動・廃仏毀釈(仏教の寺院や仏像を破壊し、釈迦の教えを否定・棄却せよという運動)の影響を受けたものだった、ということなのでしょう。
止むに止まれぬ事情からの移築だったとはいえ、園内の雰囲気にとても自然に溶け込んでいるように見えます。

東慶寺仏殿に向かって右斜め上には展望台が見えていますが、展望台に向かって右側にまっすぐ進んだところに位置しているのが、三渓園名物の三重塔です。

順路に沿って、旧矢箆原家住宅横から、

正面入り口付近へ。大満足の朝の時間となりました。
PS.三渓園内でも、わずかながら桜の開花が見られました。後日その様子をアップします。
参考
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