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【群馬/新潟青春18きっぷ旅:二日目その6】鼠ヶ関駅より、復路の羽越本線・白新線へ
鼠ヶ関の日没・月の出
鼠ヶ関駅のホームにて
東の空の夕焼け
羽越本線の村上駅を経由して夕暮れ時の鼠ヶ関駅に着いた後、目当てにしていた付近一帯の史跡等を巡って、再び鼠ヶ関駅まで。
東の空に見事な夕焼け空が広がっていますが、「なぜあえて東の空に?」という一見すると不思議な現象には、どこか神秘的なものを感じなくもありません。
「いや、あれ? さっき逆方向に太陽沈んで行かなかったっけ?」というような。
仮に地元で見たとしても何かしらの違和感は生じそうな東の空の空模様、ましてや旅先での話ですからねということで、この時点で多少なりとも”異世界で起こっている何か”を見せられているような気分になりかけたこともまた、事実でした。
ちなみに西の空ではなく東の空に広がる夕焼けは、西の空に夕日を隠す雲があり、かつ東の空に夕暮れ時の太陽光を反射させるような雲が浮かんでいる場合などにこうなるという、空に浮かぶ雲の状態が為した”イタズラ”的なものです。
こういう時、頭は納得しても心は必ずしもその限りではないというように、理と情は往々にして別々に働いてしまうものなんですよね。
余談として、”なぜ、夕日は赤いのか”、あるいは”なぜ夕日は弱々しい光となって沈んでいくのか”等々という点については、別記事”【青春18きっぷ旅の行間/夕日が赤い理由】夕暮れ時の鼠ヶ関駅にて、日没タイムの行間“にまとめました。
日没と月の出
夕焼けはほどなくその光を弱め、真っ赤な空から徐々に”夕焼け色”が消えていくと、
割とあっという間に周囲が闇に包まれ始めました。
連絡通路に作られた階段の上で一休みしている鳥を見つけたりもしましたが、
宵の口の夜空よりはるかに山影の方が深く暗い、そのせいで闇が自分の手前まで迫ってくるように感じるという、山野部が昼とは違ったイメージで見え始める時間帯の到来です。
まだまだ待ち時間的には全然余裕があったので、ちょっと色々な意味でドキドキし始めた瞬間でもありました。
17時過ぎに鼠ヶ関駅に着いた後、小一時間ほど街歩きを楽しんで再び鼠ヶ関駅まで。
そこから先は19時前に鼠ヶ関駅に到着する電車に乗って、まずは新発田方面を目指すという行程ですが、その間の小一時間程度の待ち時間ですね。
「まだあと1時間近くあるのか」
「さすがにこの時間この場所なら、クマさん関係は大丈夫だよね?」
とか、
「でも(クマさん関係のハザードマップが異常事態を示し始めて久しい)今日日、もしものことが絶対にないと、本当に言い切れるのかな?」
等々、
徐々に闇に飲まれていく旅先のローカル線の無人駅にあって、色々なことが頭をぐるぐるし始めた時のことでした。
ふと、先ほどまで真っ赤に染まっていた東の空に、
ほんのわずかですが、かなり強い光を発している”点”を見つけました。
駅名標の、右斜め上くらいの位置ですね。
「ん?」
となった後に最初に思ったことは、
「街灯かな?」
「それとも、大型トラックのヘッドライトかな?」
といったようなことでした。なので、この時点では
「まあそのうち消えるんだろうな」
などと思うに過ぎず、正直言ってほとんど気になりませんでした。
しばらくして、何の気なしに再び正面方向を見ると、先ほどと同じ位置で発されている光が、やや大きく、かつ強くなっています。
「おいおい、もしかして山火事なんかじゃないだろうな?」
などと不穏な予感がし始めたのもこの頃ですが、ここから先は気が気じゃなくなり始め、
「何かよからぬ光であれば、とっとと消えてくれないかな」
「仮に山火事だったとしたら、相当凄いことになっちゃうんじゃないだろうか」
「その前に、そもそも”この世のもの”である保証が、どこかにあるのか?」
等々と、割と妄想が果てしなく広がりかけたところで、
答え合わせの時間が到来しました。正解は”月の出”でした。
本当に見事なお月さまですが、心なしか周辺は、”夕焼けの赤”が若干蘇ったようにも見えています。
夕焼けが太陽光の産物であれば、月の光もまた、太陽光の産物なんですね。
ということで、鼠ヶ関駅での電車待ちの時間は、月が光る理由がとてもよくわかる”夕暮れ時”から”月の出”にかけての時間となりました。
再び、羽越本線から白新線へ
色々物思いに耽りながらも過ごした一時間の待ち合わせ時間の後、駅に到着した電車に乗って、まずは新発田駅まで。
新発田駅からは白新線で新潟駅まで、という行程です。
3分の待ち合わせ時間があった新発田駅ではそこそこの余裕がある中で、
既にホームに入線している白新線に乗車して、一路新潟駅を目指しました。
新潟駅到着後は、とにかく待ち遠しかった”夕食の本番”です。
新発田駅まで、新潟駅まで、共に一日の疲れもあったということで、あたりが真っ暗闇に包まれている中、特にBGMへのこだわりも無く、まったり乗車での18きっぷ旅となりました。