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東遊園地内に残された、港町神戸の足跡
芝生の広場と”URBAN PICNIC”
開港後の外国人居留地時代にそのルーツがあるという、日本初の西洋式運動公園・東遊園地(公式サイト)の中心部へ。海側(南側)から公園に入った場合イメージとしては、こじんまりとしたこじゃれた公園から、都心部に広がる芝生の豊かな公園へ、という変化があります。
気候の良い季節であれば、ここだけで丸一日いい気分で休暇を過ごすことも出来そうな、そんな空間ですね。
周辺に高層ビルが多い分、より”都心に位置するオアシス”的なイメージが強く伝わって来たりもするのですが、公園中心部には芝生の広場と一緒に”URBAN PICNIC”(公式サイト)という、つい最近(23年4月に)作られた“アウトドアリビング”がコンセプトとなっている施設(カフェ、イベントスペース等々)が用意されています。
おしゃれといえばただおしゃれさが光る施設でもあるのでしょうが、同時に”人にやさしい”ことがこれでもかとばかりに前面に出された空間でもあります。
ということでこの雰囲気の中に入り込んでしまうと、ともすると「今回の旅行は、ここで夕方までゆっくりして終わりでもいいんじゃないかな?」なんて気分になってしまいかねないところでもあったのですが 笑、それはともかく。
こういう試み自体がこれまでの神戸の歴史の延長上に位置しているということで、公園内にはいたるところにその”足跡”を感じさせる石碑が置かれています。
東遊園地と石碑
以下、今回東遊園地内で見かけた石碑等を、ダイジェストでまとめました。
参考:神戸市公式サイト “東遊園地“
モラエス像
神戸ゆかりのポルトガル人作家、ウェンセスラウ・ジョセ・デ・モラエスさんの胸像です。
作家としての活動の他、日本滞在時には神戸・大阪総領事としても活躍された方のようです。
A・C・シムの記念碑
居留地消防隊の功労者であり、かつKR&AC(コーベ・レガッタ・アンド・アスレチック・クラブ。公式サイト)の創業者であるアレキサンダー・キャメロン・シムさんの記念碑です。
本業は薬剤師だったというシムさんの神戸での(特に、スポーツ振興にまつわる)活躍については、KR&ACの公式サイトにもその記載があります(KR&AC公式サイト “A Distinguished History“)。
ボウリング発祥の地
1869年4月20日、当時神戸居留地だったこの地に”THE KOBE CLUB”というボーリング施設が作られたことが、神戸でのボーリングのはじまりとなりました。
日本初のボーリング場は1861年、長崎にて作られていますが(参考:日本国ボウリング発祥の地)、最初期の動きとしては、その後1864年には横浜に伝わり(参考:港の見える丘公園・フランス山地区)、ほどなく(1869年に)神戸へ、という流れがあったようです。
近代洋服発祥地の碑
1869年、居留地16番館(当時居留地だった、この付近)にて洋服店が開業されたことが「神戸での洋服のはじまり」に当たる出来事です。
そのことを記念した石碑も現在東遊園地内に置かれていますが、
石碑の設置と共に、洋服の型紙をイメージしたオブジェも、
すぐ傍に置かれています。
総じて、開港以来の歴史が延々とというよりは、開港期の華やかな歴史の跡が色濃いという石碑群ですね。