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【群馬/新潟青春18きっぷ旅:初日その22】水上駅から新潟駅まで
水上駅にて
残りの行程
駅前での軽い夕食後、駅傍に作られたSL転車台広場に立ち寄ってから、再び水上駅へ。
早朝の横浜発で始まった今回の青春18きっぷ旅初日の行程も、残すところあとは上越線・信越本線と乗り継いでの新潟駅までの乗車のみとなりました。
とはいえ、実はここからの行程が結構長かったりします。
約3時間40分ほど普通列車乗りっぱなしの旅で、この日最後にして最長の区間が控えているのですが、ところによりほぼ途中下車無しの”各駅停車長躯”があるのも、青春18きっぷ旅ならではの行程ですね。
以下、新潟駅までのルートは、
17:50に水上駅を出発して、特に土樽駅より先はほぼ停車駅毎にスキー場があるというスキー場密集地帯、かつ”日本の米どころ”としても有名な魚沼エリアを約1時間かけて通過し、
さらに一時間ほど魚沼エリアを走った後で(およそ越後川口駅あたりまでが、いわゆる”魚沼エリア”です)、まずは長岡駅まで。20:10到着予定です。
厳密には、上越線は長岡駅の一つ手前である宮内駅までの路線なのですが、そこは融通を効かせる形で一つ先の長岡駅(信越本線の駅です)まで、上越線から乗り入れてくれるようです。
その長岡駅では、ごく短い、1分という乗り換え時間が気になったので別プランも持っていたのですが、上越線から信越本線に乗り換えて、
新潟駅まで。
上越線と信越本線を乗り継いで、ざっくり21:30頃到着予定です。
水上駅ホーム
ということで水上駅で過ごす残り時間は、信越本線区間へと進むための、上越線への乗車待ち時間のみです。
思えば、この日最初に水上駅に着いたのはお昼過ぎ、”鉄道文化むら“がある横川駅から高崎駅経由で”日本一のモグラ駅“を目指す途上のことです。
モグラ駅=土合駅から谷川岳へ向かい、谷川岳から再び水上駅へと戻った後、今度は改めて長岡駅行きの電車を待つことになったのですが、結果としてこの日午後の拠点となった感が強い水上駅ホームでこの日最後の乗車を待つ時間は、中々”18きっぷ旅風味”が濃い時間となりました。
駅前同様ホームにもほぼ人がおらず、静かに物思いに耽りつつ電車を待つこととなったためですね。
こういう気分になれた理由としては、水上駅前の定食屋さんでかかっていた”サイモン&ガーファンクル“のインパクトが強かった部分も大きかったですが、そもそもなぜそこまで”名曲BGM”が刺さったのかを振り返れば、曲イメージが付近一帯の風景にマッチしていたからなんですよね。
他、この曲はこの曲で個人的に水上駅にしっくり来るように感じたという曲は、旅チャンネルの”秘境駅の旅”(公式サイト)でエンディング曲になっている、中島みゆきさんの”ホームにて”(YouTubeより)。さらにもう一声というところでは、椎名恵さんの”Love Is All“(原曲はCharleneの”I’ve Never Been to Me“。リンクは共にYouTubeです)がピッタリ来るイメージでした。
水上駅は秘境駅というにはさすがに大きすぎる駅ではありますが、恐らくは駅開業以来のものであろう木製の連絡通路や古い駅名標、さらにはかつてターミナルとなっていた歴史など、元々”秘境”が謳う侘び寂びの世界に通ずる旅情を持っている駅ではあります。
そんなところから、”秘境駅”のテーマ曲でありながら”ローカル線”のテーマ曲でもあるように伝わって来るというこの曲が、理屈付け云々の前に、実際聴いていてすごくしっくり来たんですよね。
“Love Is All”については、単純に曲イメージから。
同じ椎名恵さんのカバー曲ということでは、”愛は眠らない“(原曲はオリビア・ニュートン・ジョンの”Have You Never Been Mellow -そよ風の誘惑-“。リンクは共にYouTubeです)が、この日午前に見た”鉄道文化むら”のど真ん中に来たことを思い出しました。
名曲が気分を盛り上げてくれる中、色々と物思いにふけりつつ目的の電車を待っていると、ほどなく長岡行きの上越線が、となりのホーム二番線に入線して来ました。
ここで水上駅とは、しばしのお別れです。
上越線から信越本線へ
水上駅発、新潟県へ
水上駅には人影もほぼ無かったということで、乗車直後の長岡駅行き上越線は貸し切り状態でした。
水上駅出発後、湯檜曽駅から土合駅へ、
清水トンネルを通って、土樽駅へ。ここから新潟県です。
土合駅・土樽駅間で電車の窓が水滴に覆われたため、しばらくの間外が全く見えない状態になってしまったのがやや残念ではありましたが、真夏日の蒸した大気の中から地下=地中深くに掘られた清水トンネルの冷気の中に入っていったためですね。
土樽駅より先しばらくの間、上越線はローカル感の強いスキー場エリアを通過します。川端康成の『雪国』で描かれた、国内有数の豪雪地帯入りですね(参考:雪国関連展示)。
今回の行程では、ここで日没となりました。
夏の『雪国』
18きっぷ旅と雪国の夕暮れ
越後中里駅、
線路との間が簡単な柵で仕切られていて、
あたり一面スキー場だらけというロケーション下に作られている、
その名も”岩原スキー場前駅”。豪雪地帯の夏は、緑が眩しい事でもお馴染みです。
小説”雪国”の舞台となった越後湯沢駅。20分ほど停車した後の出発となりましたが、ここで日没の時間を迎えることとなりました。
魚沼エリアを更に進んで、
やはり駅名に施設名が冠されているという、上越国際スキー場前駅へ。
日没後のローカル線エリアでは、往々にして外の景色を楽しむことが出来なくなります。
あたり一面真っ暗闇で、何も見えなくなってしまうためですね。
その分、良くも悪くも車内の密室感が強まって来たりもするのですが、長岡駅に至るまでの夜の上越線旅は、そこそこのお客さんが乗っている中での、どこかアットホーム感がとても強い移動となりました。
夕暮れ時と日没後のJ-popBGM
別記事”【旅の道中のBGM/青春18きっぷ旅の行間】夕暮れ時のJ-popBGM“にてまとめました。
魚沼エリアから長岡駅へ、長岡駅から新潟駅へ
車内には、新潟県内を走るイベント列車・越乃Shu*Kura(JR東日本公式サイト)や(PR大使の”青海川しゅか”さんの青海川は、信越本線の青海川駅から来ています)、
新潟県内フリーエリア限定のお得切符・えちごワンデーパス/ツーデーパス(JR東日本公式サイト)などの広告もあって、地域色も強めです。
適度なにぎやかさを不快に感じない場合、逆にそれが心地よくなる、かえって落ち着くということが往々にしてありますが、この時の車内の雰囲気がまさにそんな感じで、地域独自の広告がなされている中、思いのほかほのぼのした時間を過ごすことが出来ました。
終点・新潟駅着
定刻通りの21:26、
夜の新潟駅に到着です。
長岡駅からの電車が到着したのは、2022年6月5日に利用が始まったばかりだという新しい高架ホームで、
シースルーの壁面の外には万代広場が見えています(参考:新潟市公式サイト “新潟駅周辺整備“、”生まれ変わる新潟駅と駅周辺(令和4年8月作成版)“)。
構内もピカピカの状態で、
階段には上越新幹線の写真も利用されています。
確かに、新潟駅から上越新幹線に乗車すれば、東京駅まではあっという間なんですよね。
一日がかりでローカル線の旅を楽しんだあと、その締めにあたる約3時間半の普通列車旅の打ち上げの瞬間としてはどこか不思議な(あれ? 今日って旅行最終日だったっけ?笑 というような)気分になったことを思い出しますが、このあと新潟駅の改札を出てしまえば、本日の18きっぷ旅は終了です。
周辺工事は未だ継続中のようですが、北口の万代広場方面へ。
先ほど下車してきた高架ホームには、停車中の電車の姿がうっすら見えています。
この日の18きっぷ旅乗車はこれにて無事終了となった瞬間。BGM的には、ふるさとチャイム版の佐渡おけさと同時に昔のspitzの曲(”君と暮らせたら“、”君が思い出になる前に“、”猫になりたい“、”ルキンフォー“等々)を何曲か聴きたいような気分でした(リンクは全てYouTubeです)。
“18きっぷ旅”は、翌日午後からのローカル線乗車で再開です。