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【群馬/新潟青春18きっぷ旅:初日その12】青春18きっぷ旅と道中のプラン調整
お盆営業とローカル線
お盆営業と通常営業のギャップ
実を言うと今回の旅では、プランの段階では元々鉄道文化むらにて半日程度ゆっくりするつもりだったのですが、実際にはそれが叶いませんでした。
鉄道資料館の資料展示コーナーで感じたように、きちんと味わうには相応の時間が必要な施設だということが予め察せられたため、その印象に見合うプランを組んではいたのですが、”お盆時期に合わせて作ったプラン”と”お盆時期を過ぎてから実行した旅”との間にあったギャップから、実際の旅に幾つかの齟齬が出てきてしまったんですね。
そのため、現地では初日冒頭にして”イレギュラー”が連発することになってしまったのですが、こういう”うっかり”は、恥ずかしながら前回の18きっぷ旅ではなかったことでした。
何が悪かったかといって、トートロジーな解答になってしまいますが、やはり致命的な”うっかり”ですね 笑。
夏休み期間のみ毎日営業の“峠の釜めし”営業日判断然り、お盆期間のみ毎日運行していたトロッコ列車の運転日判断然りということで、「ひょっとして、自分がプランした通りには進まない旅になってきたのかな?」といった予感がちらほら出始めたのが、丁度鉄道文化むらに入った頃のこと。
施設内でトロッコ列車が利用できない場合、廃線跡や施設を存分に楽しもうと思ったら”アプトの道“をそのまま歩くか、あるいはタクシーを利用した移動を余儀なくされます。
もちろん、”トロッコ”前提で作っていたプランも、変更を余儀なくされます。
つまりこの場合、1.ここでこの日の残り全ての時間を費やすか、2.それとも”トロッコ”ありきで立てたプランをなかったことにするか、このどちらかから一つだけを選ばなくてはならないということになってくるのですが、残念ながら前者はほぼ選べない状況にありました(理由について、後述)。
そうであれば、道中の先が長い状態であまりゆっくりするのは得策であるとは言えず、ということで、残念ながらここから先はプランを少々前倒しで進めていくこととしました。
今回の経験からの教訓としては、”プラン立案にあたっては、特定期間のみの営業形態、サービスに注意しましょう”という点になるでしょうか。このほかにも平日ダイヤと休日ダイヤの混同などを挙げることが出来るかもしれませんが(ただしこの点については、地方より都心部の方が注意を要するポイントであるような気がしますが)、旅行計画時のうっかりミスには注意しましょう、という感じですね。
ローカル線のダイヤと18きっぷ旅
一般論的な話をするのであれば、ゆっくりできない理由のうち最大にしてほぼ唯一のものは、やはりローカル線の運行ダイヤに宿っています。
ローカル線を絡めたプランを立てる場合、「この電車に乗るためには、その前の段階でこの電車に乗って、ここまで出ておかないとまずい」というような電車=”実質終電”が、案外夕方の早い時間にあったりします。
極稀にそうなるというよりは”あるある”に近いものだと思いますが、このことによって、旅のプラン自体がタイトなものになってしまう場合が往々にしてあるんですね。
例えば地方都市を中心とした路線に”京浜東北・根岸線”のような路線(仮にA線とします)と”山手線”のような路線(同様に、B線とします)、二つの路線があったとして、双方はそれぞれ朝早くから夜遅くまで、一日中均等に運行されているとします。
ただしA線とB線、双方をつなぐ役割を果たしている路線(C線としますね)が夕方で終わってしまう、あるいは本数の少ない路線であるというような場合、A線にある駅からB線にある駅へと進みたいのであれば、当然のこととしてどうしても全体として前倒し気味のプランが必要となってきます。
理由は単純、A線とB線の”つなぎ”経路であるC線を進むための時間が特定時間帯に限られてしまうためで、仮にゆっくりしたいのであれば、まずは”繋ぎ路線=C線を超えてから”となるんですね。
横川駅・鉄道文化むら発、次の目的地は?
横浜駅・新潟駅間の場合
首都圏から”18きっぷ旅”で関東地方を北上して日本海側に抜ける場合、仮に横浜駅から新潟駅へというルートで考えるとすると、一つのポイントとなる駅がJR上越線の水上駅です。
水上駅は、高崎駅と長岡駅を結ぶJR上越線内の一つの駅にあたるのですが、南関東発で上越線を使う場合、水上駅まで出ることは割とたやすい、ただし水上駅から先に進むことが案外難しいという、ボチボチ難易度の高い駅に該当します。
このことは、高崎駅発の上越線と水上駅発の上越線、双方の時刻表を比較してみるとわかりやすいのですが(リンクは共に、ジョルダンの時刻表です)、高崎駅発の電車が一日中、ほぼ一時間に一本程度以上運行されていることに対して、水上駅発の電車は一日六本です。
水上駅自体がポイントとなっているというよりは、清水トンネルや新清水トンネルを経由して抜けていく谷川岳超えが一つのポイントとなっているのですが、水上駅から上越線で谷川岳を超え、なおかつ長岡駅まで出てしまえば、あとは比較的すんなり新潟駅まで進むことが出来ます。
上記の例に当てはめるのであれば、首都圏から上越線で水上駅(そのまま水上駅までというよりは、水上駅に出やすい高崎駅)に出るまでの路線が”A線(あるいはB線)”、同じ上越線で水上駅・長岡駅間を結ぶ”谷川岳超え”路線が”C線”、長岡駅・新潟駅間を結ぶ路線が”B線(あるいはA線)”に該当します。
東京駅・高崎駅間は上野東京ライン、長岡駅・新潟駅間は信越本線で、共に一日中、割と満遍なく運行されているのですが、しかしその間についてはその限りではない、という形になっているんですね(理由は恐らく、同一区間を上越新幹線が結んでいるためです)。
結論と、もう一つの理由
ということで、今回の旅行プラン自体のキーは、水上駅・長岡駅間の移動にありました。
下り線であれば長岡駅まで出るために水上駅に早めに着いておく必要がある、上り線であれば水上駅に出るために長岡駅に早めに着いておく必要があるのですが(参考:JR越後線長岡駅時刻表)、そんなこんなで今回はほぼ泣く泣く、横川駅と”鉄道文化むら”での時間を削ることとしました。
実はこの事(文化むらでの時間を削ったこと)の理由には、初日のプランでもう一か所(厳密には二か所)、寄っておきたい場所があったのだという事情も含まれていたのですが、ここについては回を改めて、次回以降に続けたいと思います。