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【開港都市・長崎の風景】長崎電気軌道(長崎の路面電車)

長崎

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【開港都市・長崎の風景】長崎電気軌道(長崎の路面電車)

長崎で”電車”と言ったら?

それは路面電車=長崎電気軌道(公式サイト)のことを指すようです。

実際、”長崎 電車“で検索しても最上位にヒットするのは路面電車関係のサイトで、以下にも路面電車中心の検索結果が続きます。「長崎では、電車と言ったら路面電車のことを指します(JRはJRという。”電車”ではない)」と言い切っている観光系ブログの記事もありましたが、多分そのくらいの感覚が本当のところなのでしょう。

路面電車は割と次から次へと来てくれる上、中心部で交通量の多いところには大抵路線が通されているので、観光客からすると観光需要の塊のように見えてしまう路面電車ではあるのですが、むしろ反対に地元の人の足として有益すぎるくらい有益なのが長崎の街にとっての路面電車なのではないでしょうか、というようにも見えました。

確かに、バスに対する”電車”が路面電車を指していたとしても、全く不思議はないところかもしれません。

簡単な注意点

以下、まずはじめに今回路面電車に乗車してみて気が付いた注意点(観光客が混乱しがちなのではないかと思えたポイント)について、いくつかまとめてみました。

電車一日乗車券と乗車法・運賃

長崎の路面電車には、観光地の電車・バス等ではお馴染みの一日乗車券が用意されています。

ただし、公式サイトにも注意書きがありますが、車内では一日乗車券が購入できません。沿線のホテルや観光案内施設等(公式サイトより、”電車一日乗車券 発売所一覧 新地中華街“)で購入することになります(大人600円/子供300円)。

ここはついうっかりでやってしまいがちなところではないかと思えたりもするのですが、一日乗車券は乗車前に用意しておくことが必要です。

ちなみに一日乗車券は、下車時に”一日乗車券です”と運転士さんに見せればそれでOKです。

皆が皆ICカードで乗車していく中、紙の切符(一日乗車券)乗車だとどこか無賃乗車っぽく見えなくもない乗車動作になってしまう雰囲気が無きにしも非ずなのですが 笑、下車時にチケットを見せればいいだけの話しなので、そこは特に気にする必要はないところです。

他、公式サイトにもいくつか注意書きが用意されていますが(公式サイト “電車の乗り方“)、路面電車は後乗り、前降りで、運賃は大人140円/子供70円均一です。

乗り方について -路面電車では”電車の行先”と下車駅をチェック!-

訪問前から乗車を楽しみにしていて、喜び勇んで乗ってみたという長崎の路面電車だったのですが、実際に乗車してみて初めて分かったという、一見には少々見えにくかった乗車ルールもありました。

乗車位置について

基本的に一つの停車駅に複数の路線が用意されている場合、前方と後方に乗車位置が分けられています。例えば新地中華街駅(上写真)であれば、石橋駅行きと赤迫駅行き、崇福寺駅行きと蛍茶屋駅行き、上下線にそれぞれ二つの路線が通されていますが、駅ではホームで目的地別の乗車位置が指示されています(手前が赤迫駅行き乗車位置、後ろが石橋駅行き乗車位置です。他の類似駅でも同様ですが、バスターミナルに設置されたバス停に近い感じかもしれません)。

他、長崎駅前駅の新地中華街・市役所方面行き電車のホームでは、前方停車が蛍茶屋行き(市役所等方面)、後方停車が崇福寺行き(新地中華街等方面)です。

IC乗り換え駅と電車の乗り換え

IC乗り換え駅“では一旦下車した後でもう一つの路線に乗り換えると、乗り換えた後の路面電車の運賃は自動的に無料になるようです。

IC乗り換え駅は複数路線の乗り換え駅で、全線に4つほどありますが(市役所駅を一駅換算した場合)、乗り換えにあたっては先に乗車した電車で運賃を既に払っている(=乗換前後を繋げて一乗車だ)との判断からです。

例えば市役所前駅から出島駅に向かう、というような場合。まずは市役所駅から石橋駅行きの電車(緑色の5系統)に乗った後、新地中華街駅で下車して赤迫駅行きの電車(青色の1系統)に乗り換える必要があるのですが、この場合、新地中華街駅にて”まで”と”から”を二重取りされるのではなく、市役所駅から(IC乗換駅の新地中華街駅を経由して)出島駅までが一乗車だと判断される、ということですね。

「IC乗換駅とは何ぞや?」ということがわからないと無駄に混乱してしまうことにもなりかねないのですが、要はそういう便利な乗り換えを可能としてくれる駅ですということで、ICカード乗車の場合は普通にカードを通す(電車内の機械にカードを触れさせる)だけで乗車することが出来ます(一日乗車券であれば、下車時に運転士さんに見せるだけOKです)。

乗り換えにあたっての注意点を強いてあげるとするのであれば、やはり乗車する電車の行き先と、あとは乗換駅を抑えておく必要があります。

後から振り返ってみれば一にも二にも”慣れ”が解決してくれる問題ではあるのですが、”慣れ”という点からは、日ごろバス・電車の乗り換えにあたって、電車・バスを路線名や系統番号で認識している人にとっての”長崎の路面電車の乗りこなし”は、慣れるまでは結構引っかかるところが出て来るのではないかな、とは思いました。

路面電車と長崎市街地

明治末に敷設計画が認可され、大正年間に開通して以来”長崎市民の足”であり続けたという路面電車ですが、当日は長崎街歩きをするにあたって、ほぼ丸一日路面電車のお世話になりました。

以下、長崎市の中心部と”路面電車”の風景です。

新地中華街駅付近

長崎の路面電車で一番スタンダードな車両は、緑とオフホワイト~ベージュっぽいツートンカラーの車両です。

公式サイトの案内(長崎電気軌道公式サイト “車両案内“)によると、この色の車両は何種類かあるようですが、全て一両編成です。ぱっと見で華のあるラッピング車両に比べて、どこか風格があるのが特徴ですね。

企業のラッピング広告電車は、かなり頻繁に見かけました(一部後述)。

ざっくり「地元企業のラッピング電車=絵が描いてある珍しい塗装の電車をよく見かけた」という感じではあったのですが、スタンダードな路面電車と同じくらい”街の顔”と化していたというような印象を受けました。

札幌市街地を走る路面電車でも同様に、ラッピング広告電車が走っているのを見かけた時に似たようなことは感じましたが(参考:月寒通と札幌市電札幌市電とラッピング電車)、電車との距離が近いだけのことはあって、”ラッピング路面電車”の華が強く伝わってきます。

長崎駅前駅

JR長崎駅前にある、路面電車の長崎駅前駅です。JR長崎駅前、かつ路面電車の長崎駅前駅両サイドに通されているのは、長崎・福岡間を結ぶ大動脈・国道202号線です。歩道橋の上から停車位置を違えて停車している二両の車両が曇天の下で映えています。

駅のホームへは、歩道橋をそのまま下って進みます。

よく見ると、ツートンカラーのスタンダードな車両の先にもう一台の路面電車が待っているのが分かりますが、一つの駅や交差点の周辺に何台かの電車が固まっているというような風景もしばしば見かけました。首都圏の電車感覚で見ていると結構怖い風景に見えないこともないような気がしますが、そんなに飛ばすわけではない上、安全運転を徹底してくれているので、逆に安全かつ便利な乗り物であるということがアピールされているようにも映ります。

企業のラッピング広告電車ですが、バリアフリー対応の新型車両です。

市役所駅

長崎の路面電車の市役所駅は、二つあります。一つは蛍茶屋駅・赤迫駅間を結ぶ3系統の市役所駅、もう一つは蛍茶屋駅・石橋駅間を結ぶ5系統の市役所駅です。

“同じ駅名を持つ別の路線の駅で、しかも双方のホームに駅間距離がある”という点は、計画段階でちょっとしたハードルになっていたのですが、いざその場に降り立ってみると、思いのほか駅間が近かったことでホッとしました。

3系統側の市役所駅(手前)がある交差点のすぐ隣には、5系統の市役所駅(写真奥、交差点右側)が見えていて、

駅から蛍茶屋方面に向かって路面電車が走っていく様子ももちろん、視界に入ります。なるほど離れてはいるものの、ほぼ目と鼻の先だな、という感じの距離感です。

同じ交差点は、長崎駅前方面からの路面電車も左折する線路が設けられていて(電車は、蛍茶屋駅発赤迫駅行きです)、

一般のバスや車等々と共に、蛍茶屋方面との間を結んでいます(電車は、市役所駅発車直後の石橋駅発蛍茶屋駅行きです)。

市役所駅での電車待ちの間、現在J2に所属しているV・ファーレン長崎(公式サイト)のラッピング電車も見かけました。

やがて石橋駅行きの電車が到着し、

新地中華街駅方面に向かって出発です。

出島駅

路面電車の出島駅は、再現された出島(公式サイト)のすぐそばに作られた駅ですが、

出島の様子については、出島駅からも微かにその雰囲気を伺うことが出来ます。敷地の内部にはかつての出島に存在したオランダ商館などが再現されていますが、建物については出島駅からも視界に入って来ます。

その他、ラッピング電車など

長崎市の中心部を歩いていると、すぐ横で頻繁に路面電車を見かけます。

観光客の体感的には、バスのように走ってくれる電車といった感じで、運賃も初乗りで一律140円と安いですし、とにかく便利でした。

安価で便利な上、華があるんですね。

割とラッピング広告電車が多い印象を受けたというか、はじめのうちは電車が通る度にスマホカメラを向けていました 笑。

他にも例えば、長崎のエリア情報誌”STLOCAL”(公式サイト)のラッピング電車や、

デジタルチケットアプリ”my route”のラッピング電車等々。

新地中華街駅では、”行先によって乗り場を分ける”ルールがあるために停車位置がずれてくる、そのことによって生じる面白い停車状態をボチボチ見かけた他、

一つの駅の周辺に路面電車が何台も、というような”路面電車渋滞”ぽい風景も、しばしば見かけました。

長崎で街歩きをしようと思ったら、路面電車様様という感じになってくると思います。利便性が高い、コスパが良い、なおかつ上乗っていて楽しい、見ていて楽しいという感じですね。

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