【国内小旅行/冬の終わりの札幌へ その11】観光タクシーで札幌観光 -札幌市資料館-

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【国内小旅行/冬の終わりの札幌へ その11】観光タクシーで札幌観光 -札幌市資料館-

どういうきっかけや会話からだったのか、ちょっと覚えていないのですが、帰り際、大通公園の端にある、札幌市資料館=旧札幌控訴院に寄ってもらえることになりました。

控訴院は旧憲法下の裁判所ですが、現在の法制度でいうところの高裁=高等裁判所にあたります。

ちなみに三審制の裁判では、判決に納得がいかない場合二回まで裁判のやり直しが出来ますが、控訴院や高裁は、原則として一回目のやり直し裁判を担当します(例外あり)。

主に判決の法解釈を再審議(=法律審、上告審)する最高裁の手前で、事実関係とそれに伴う法解釈を再審議(=事実審、控訴審)する裁判所だからということで、「控訴審を担当する裁判所」=控訴院と呼ばれるわけです。

昭和48年(1973年)の高裁移転に伴って資料館がオープンしたと公式ガイド等にはあるので、大正15年(1926年)の竣工後、昭和48年まで、憲法の移り変わり(大日本帝国憲法=明治憲法から日本国憲法へ)に伴う札幌控訴院→札幌高裁という名称変更を経ながら、控訴審を受け持つ裁判所として稼働してきたのでしょう。

外から見る分には、

かつての控訴院の面影を彷彿とさせる威厳が、今でも感じられます。2020年には国の重要文化財に指定されているのですが、それにふさわしい外観ですね。

 

札幌市資料館として

いざ中に入ってみると、

札幌の郷土に関する、たくさんの資料が展示されていることが分かります。

この展示はプリントにもなっているのですが、文字通り「資料館」としての側面が充実しまくっています。

大倉山のオリンピックミュージアム同様、本来であればじっくり時間をかけて見学したい施設ですよね。

常設展示の目玉にはもう一つ、札幌出身の漫画家、おおば比呂司さんのコーナーがあります(おおば比呂司記念室)。

失礼ながら名前を聞いただけではいまいちピンとこなかったのですが、

「味覚停車」のフォントとイラストの作風をパッと見たときから、何かどこかで見たことがあるような・・・これ、なんだったっけ? という既視感は感じていました。

パネルをよく見ると真ん中下部、静岡のところに既に答えが出ているのですが 笑 、全体をざっくり見ただけの時点では、なんとなくそれを見逃していたんですね。

その答えを、「ホテイのかんづめのイラストを描いたイラストレーターさんですよ」という形で教えてもらった時に、一発でピンときました。ああ! あのイラストだ! と。

このイラストを見るとやきとり缶の味が脳内再生されてくるというくらいには見慣れたイラストと食べ慣れた缶詰の中身、そうだったのか! という、感動の一瞬でした。

 

旧札幌控訴院として

いかにも札幌の資料館という一連の展示の他、札幌市資料館には旧控訴院としての側面もしっかり残されていて、簡易的な関連資料の展示の他、

法廷の様子も再現されています。

当時の弁護人が着用していた法服の展示や、

被告人控室が保存・公開され、

さらには記者や証人の出入り口の説明もあります。実に生々しいですね。

証言台を中心とした法廷(向かって左側に検事席がありますが、これは旧制度下の法廷が再現されているためです。後述)の全景からは、

かつて望まずして起こってしまった、どこかもの悲しい、あるいは凄惨だったり熾烈だったりという数々の人間ドラマが再現されてくるかのような、なんともいえない生臭いリアリティを感じました。

かつてのこの場こそが、数々の争い=法律上の争訟に対して、争訟の数だけの裁定を下してきた現場だったわけですからね。

ちなみにここで再現されているのは、法廷内の訴訟当事者の記載に「被告人」「弁護人」とあることから、刑事訴訟の法廷であることがわかります(民事裁判では、訴訟当事者は「原告」「被告」となります)。

札幌控訴院時代は、旧憲法(明治憲法)下の裁判で予審制が採用されていた時代であり、起訴状一本主義(刑訴法256条1項)と呼ばれる、現行の制度が持つ原則(刑事裁判が、「裁判所=法廷に提出される」起訴状のみに基づいて進められるという原則)を持たない時代でもありました。

予審制下の裁判では、裁判官は予め検察官によって提出された起訴状に基づく「予習」をして、事件のおよそのところを頭に入れた上で裁判に望んでいました。この制度では、裁判そのものが被告人に不利な裁判となってしまいがちだと判断される嫌いがあります。

訴訟当事者の一方である訴える側と、裁く立場が近いためですね。

この点が裁判の公平性にそぐわない性質を持つと判断されたことから、戦後の刑訴法では予審制が廃止され、前記した起訴状一本主義へと繋がります。

しかし控訴院の時代は予審制が生きていた時代であり、おそらくはそのためだと思いますが、弁護人・被告人と並んで刑事裁判の当事者である検察官が、弁護人と対立する位置ではなく、裁判官の横に席を連ねていました

・・・などという刑事裁判あるいは刑事訴訟法の歴史を、再現された法廷から感じ取ることも出来ます。

そんな札幌市資料館でしたが、窓の外からは、今現在の札幌、大通公園が望めます。

今回の訪問はわずか1時間のタクシー観光中のものだったということで、残念ながら札幌市資料館が最後のスポットとなってしまいました。もちろん、時間枠と訪問場所を考えたら見れただけでもありがたかったのですが、この後運転手さんに駅前まで送ってもらって、今回の旅行中の札幌観光はエンドとなりました。

 

(続く)

アクセス/公式サイト

札幌市資料館公式サイト

 

アクセス

大通公園の西端に位置しています。

 

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