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【秋の妙高安曇野ドライブ旅 その3】西山ふるさと公苑(田中角栄記念館がある公園)
道の駅 西山ふるさと公苑
西山ふるさと公苑と田中角栄記念館
道中にある道の駅に寄って行くことも目的の一つとなっていたドライブの中、道沿いに”田中角栄記念館(公式サイト)”の案内が出てきました。”記念館”は、道の駅・西山ふるさと公苑(公式サイト)内にある一施設として作られているようです。
公苑内の風景
掲示板には赤とんぼが止まっているなど、夕方の公苑内は秋を思わせるのどかな風情に満ちていたのですが、
公苑の個性、公苑風景の特筆すべき点としては、純日本風の秋ではなく、”中国風”寄りの秋が楽しめる点です。
ふるさと館前の西遊園や西遊館が醸す雰囲気は、
入り口付近からでも、ぱっと見で感じることが出来ます。
一旅行者の視点からだとどこか違和感、異国感を感じさせるものでもあったのですが(この場合、自分は一体どこに入り込んだんだ、というような混乱が生じなくもないというような意味ですね)、その意味するところに思いを馳せれば、なるほどと納得できる類のものではあります。
翻って、そもそも横浜をはじめとする大きな港町(特に開港都市)には大抵中華街が存在するといったように、中国自体が日本にとって身近といえば身近な国ではあるんですよね。
ふるさと公苑と西遊記
庭園名や施設名に付されている「西遊」は、西遊記からの命名で、資材もすべて、中国から運ばれたものが使われているようです。
西山ふるさと公苑がある新潟県柏崎市の西山町は田中角栄氏の出身地である、氏の首相としての実績の一つに日中平和友好条約締結があるということにちなみ、”記念館”を含む公苑が中華風に作られているのでしょう。
公苑の主役は、日中平和友好条約締結時の中国側の首相だった周恩来氏の出身地・淮安(わいあん)市ゆかりの『西遊記』で、西遊記関連の石像も置かれています。
西遊記をテーマとした公”苑”(公苑の”苑”という字には、語義的に「動物たちの集まるところ」というニュアンスが含まれています)であることを前提とすれば、サルをモデルとした孫悟空、イノシシをモデルとした猪八戒等々の存在を主とした命名であると解するのが自然なところですね。
他にも、同じ柏崎市内にある鯨波地区を意識してか、くじらっぽい置物もある上、
公苑内には実物の蛇も出るらしいです。
いじめはしませんが、突然出てこられると驚きはしそうですね。
ちなみに、今回はふるさと館を見終わった時点で16時少し前だったということで、残念ながら田中角栄記念館の開館時間(16時)に間に合わず、見学することはかないませんでした。
国交の理想と現実
西山ふるさと館の中では、日中国交正常化関連、さらには淮安市との民間交流について、豊富な資料が展示されていますが、残念ながら館内は撮影禁止となっています。
西山町と淮安市では現在も市民レベルの交流が続いているようですが、平成以降の日中関係では、中国の対日政策にはいわゆる「反日」イメージがついて回る機会も多く、そのことに呼応するかのように日本側の対中イメージが悪化する、などということもありました。
昨今の中国外交に至っては、日本のみならず諸外国との軋轢も深刻化させ続けています。
例えば米中の経済対立、台湾海峡問題、南シナ海問題等(ロイター通信 “5分でわかる南シナ海問題“)などが挙げられますが、思えば今回の新型コロナ(武漢肺炎)騒動も、元をたどれば中国・武漢の研究所が感染源となった、世界的なパンデミックだったといわれています。
既に鬼籍に入って久しい、田中角栄・周恩来両氏が現在の日中関係を見て何を思うかは神のみぞ知るところですが、その後の日中両国の間には結果として様々な政治問題が横たわることとなり、現在習近平総書記がリードする中国共産党は、リアルタイムで尖閣問題を刺激し続けています。
それが民間レベル、個人レベルの話しであれば、決して分かり合えない相手ではないのかもしれませんが、日中両国の国民同士が真の相互理解を進めるためには、並大抵以上の努力が必要になってくるのだろうと捉えることが出来る情報が多いと感じるのもまた、率直なところです。
願わくば、友好を祈念した民間レベルの交流関係が反故になるようなことのないよう、祈るのみです。