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１・１７と東遊園地
公園内の慰霊・復興関連施設
1.17希望の灯り
東遊園地（公式サイト）に南側から入ると、割とすぐのところにあるのが”1.17希望の灯り”と銘打たれた、震災で犠牲になられた方のための慰霊施設です。
西暦ではいよいよ次の1000年紀に入ったということで、何かにつけて”ミレニアム”と騒がれた年である2000年の1月17日。95年の地震発生時刻である午前5時46分に、全国から届いた種火が一つにされ、残されることとなりました。
“生きている証”（震災で犠牲になられた方の、生きた証）が表現されているという種火は、今では他被災地へも分灯されているとのことです（参考：神戸の慰霊碑を尋ねて “東遊園地【1.17希望の灯り】“）。
みなとのもり公園からKIITO、神戸税関経由でここまで来た時、改めて神戸にとっての震災の大きさを思い知らされたような、なんとも言えない気分になったポイントでもありました。
ところで、阪神大震災時の地震発生時刻は朝5時46分だったとのことですが、既視感を感じたのが特に発生”分”の方。
2011年の東日本大震災は、発生時刻が14時”46分”でした。
他人ごとでは全くないし、明日は我が身。
日本人一般にとっての”震災”って、残念ながらそんなポジションにある災いなのでしょう。
大規模な震災への備えって、この国に住んでいる以上必須のものでもありますが、それでも、いざことが起きてしまえばなるようにしかならないという部分も、確かにあるのかもしれません。
その分、”理”だけでは割り切れないものを”情”でというのも、やはり大切な姿勢ではあるんですよね。
慰霊と復興のモニュメント
前記”1.17希望の灯り”のすぐ隣には、2000年（平成12年）に完成した”慰霊と復興のモニュメント”（神戸市公式サイト “慰霊と復興のモニュメントの概要“）があります。
神戸の震災についての予備知識は持っていた”つもり”だったのですが、思っていた以上に爪痕が深そうだ、なんてことを感じさせられたのは、このモニュメントのあたりからでした。
パッと見た感じ”公園の噴水かな？”という見た目であり、実際そういう機能も持っているのですが、実はその噴水には”慰霊”の含意があったんですね。
噴水の下に入り込むことができるようになっているのですが、そこには慰霊施設が用意されています。
通路沿いには、モニュメント建設募金に寄付した方の名前が刻まれたプレートがあり、
さらに奥へ進むと、”プレート”が意味するところが分かっていると、その分衝撃となる、という一角へ。
死者数・数千名以上（正確には、施設が作られた平成12年の時点で6432名。その後新たに判明した情報もあったようです。参考：内閣府防災情報 “阪神・淡路大震災の概要と被害状況“）というその規模が、そのまま視覚化されている形となっていますが、これもまた”大震災”の故の一つですね。
阪神大震災の概要も施設内にまとめられていますが、神戸の震災では、関東大震災同様、地震後の火災発生による被害も深刻だったんですよね（参考：内閣府防災情報 “阪神・淡路大震災における 火災からの教訓“）。
天井に噴水（のような施設？）がつくられていることによって、モニュメント内部にはしめやかな雰囲気が用意される形になっています。
モニュメントの外部へ。
正面には神戸市役所と、その左側公園内では”1.17希望の灯り”が視界に入っています。
早春の青空の下、いつもと変わらぬ神戸の街と、神戸の街に刻まれた”歴史の爪痕”のコントラストが割と鮮明に映えていますが、改めて阪神大震災で犠牲となられた方の無念を悼み、謹んでご冥福をお祈りします。
皇后陛下御歌碑
“モニュメント”などのすぐ傍には皇后陛下御歌碑が置かれています。公園のほぼ中央部ですね。
「平成18年、時の皇后陛下（現・上皇后陛下）が、歌会始において神戸の街を思って詠まれた歌」とのことです。
復興のシンボル・オリーブの記念樹
同じく公園の中央部、遊歩道沿いには、神戸復興への祈りを込めた”オリーブの植樹”があります。
“祈りが込められた”という部分から察することも出来ますが、震災の翌年、96年の7月に、イタリアから寄贈されたものです。今では苗木が大きな木になっているというあたり、現在の神戸の街並み同様、震災からの時間の経過を思わされるところですね。
阪神大震災の記憶
地震発生時刻に倒れた像とその時に止まった時計が、震災後に修繕され、地震発生時刻で止まっている時計と共に復活しました。
時計の時刻がそのままにされていることには、「震災の記憶を永遠にとどめるため」という含意があるようです。
ロケーション（東遊園地）
